昨日は世界的に大きなリスク回避の1日にとなった。日本も中国もお休みだったが、アジア株の下落、そして欧州株の大幅安とつらなって、米国株も開始時期から大きく値を下げてスタートした。マーケットでは中国企業の累積債務のせいにされている。
9月下旬までに中国のGDPの2%を越える額の負債抱える中国第2位の不動産大手の社債の利払いの一部が待っているというのだ。確かに材料にはされたが、利ならいのスケジュールは突然わかったものではない。先週も了解されていたし、先月でも同じ懸念はあったのだ。
それよりも米国株の下落が始まったのは、先週の金曜日のオープン直後からだった。そのときに何があったのかというと、日本でいうところのビッグSQが米国株でも通過した直後だった。となると単純なようだが、相場情報で目に映るのは、現物の平均株価と中心限月の先物価格である。
米国株も日本株と同じく、先物価格のほうが1%ほど安い。これをどう感じ取るかで国民性の違いが出るのだ。日本はこの10日間くらいを見てもわかるとおり、とても安いのだから日経先物を買いに走る。その結果としてレギュラーセッションやナイトセッションの始まる直前まで、ものすごく割高なまで先物が買い上げられる。欧米人は安いものを見ると何か起こっているのではないかと疑って、まずは売ってみるのである。
それが金曜日からの米国株の下げをリードしたといえよう。どちらも先物価格のフェアバリューから見たら間違ったアプローチなのだが、それで相場が動いているのだから仕方がない。 さしもの日経先物も日本が休みの間に1000円以上の下げを演じることとなった。
米国株は今年最大の下げ幅を記録している最中であっても、ドル円やユーロドルと言ったドルストレートの動きは緩慢だった。ドル金利がそれほども動いていなかったので、反応し切れなかったものだろう。それでもクロス円は着実に値を切り下げ、ユーロ円は先日の押し目を下回ってきて128円台の前半まで押し込まれている。
中国の巨額債務がトピックに載ってしまった以上は、今月の終わりまで、リスク回避の行動は続くだろう。中国企業がちゃんと利払いを完了できるかどうかを確認するためである。それまではユーロ円は下値模索が続きそうだ。どこかで戻り場を見つけて、ショートを作っておくしかない。
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