中国恒大集団が香港取引所で取引停止に! 中国の電力不足の影響もあり、日経平均は下落
今日(10月4日)の日本株市場も全面安。日経平均前引けは273円安。6日続落です。

(出所:TradingView)
中国恒大集団(エバーグランデ)が、今日から香港取引所で取引停止となった影響でしょう。
国慶節で、中国本土市場は10月7日(木)までお休み。
その代替で日本株が売られているのかもしれませんし、恒大集団だけが中国リスクではなさそうです。
先週(9月27日~)から海運株が総崩れしていますが、中国の電力不足により製造業のラインが止まれば、物流もストップする、との思惑が広がっています。
国慶節を前に投機筋などが売りを急いだのか、コンテナ運賃も急落しています。
こうした影響だとすれば、米国株も弱いはずですが、先週末(10月1日)は上昇しました。
米国株については、メルクのコロナ飲み薬の影響が大きいのでしょう。
日経平均は中国リスクのヘッジで売られることもありますが、アジア株が下がっても米国株には関係ないといえます。

(出所:TradingView)
日本の衆議院議員総選挙は10月31日投開票へ。為替への影響は今のところなさそう
一部では、岸田新政権への期待剥落による日本株売りを指摘する声もありますが、それだけだとは思えませんね。
衆議院議員総選挙は10月31日(日)と報じられています。
衆議院議員総選挙が為替に影響するかというと、今のところなさそう。
何度か話していますが、日経平均や豪ドルは8月20日(金)にボトムをつけて上昇へ、との見通しは変わりません。
日経平均も、8月20日(金)終値の2万7013円を割り込まないかぎり、強気でいいのでしょう。
【参考記事】
●豪ドル/円は、8月20日がターニングポイント! 「脱炭素」を追い風に、底堅くなる豪ドル/円を押し目買い!(9月27日、西原宏一&大橋ひろこ)
●豪ドルは、先週がセリングクライマックスか。ジャクソンホール会議のパウエル講演を控え、ドルストレート回避なら、豪ドル/円の買いで(8月23日、西原宏一&大橋ひろこ)

(出所:TradingView)
ただ、中国の生産ラインが止まり、製造業発の不況が始まっているのだとすると、かなり深刻。
S&P500も、これまでは50日移動平均線が押し目のメドとなり、そのあたりで反転上昇してきましたが、今回は約1年ぶりに50日移動平均線をはっきりと割り込んでいます。

(出所:TradingView)
中国リスクを為替でどう表現するか、まだ答えが見つからないのですが、先週のコラムでも話題にした、天然ガスが急騰している現状では、豪ドルを売りたくないのはたしかです。
【参考記事】
●豪ドル/円は、8月20日がターニングポイント! 「脱炭素」を追い風に、底堅くなる豪ドル/円を押し目買い!(9月27日、西原宏一&大橋ひろこ)
10月5日に豪金融政策、10月6日にニュージーランド金融政策の発表へ
今週は明日10月5日(火)にRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])、10月6日(水)にRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の政策発表です。
RBNZは前回利上げを見送りましたが、今回は確実視されています。
一部では0.5%利上げの期待もありましたが、0.25%の利上げで落ち着く見通し。
利上げ織り込み度は今朝(10月4日朝)時点で77%。
ここからガンガン利上げするわけでもないですし、利上げしてもニュージーランドドルが上がるかというと、難しいでしょう。
むしろ、上がったところは売りでもいいのでは…と思います。
RBAは、特にイベントにならないでしょう。

(出所:TradingView)
天然ガスがまだ高騰! 再生可能エネルギーの不安定化が背景に。天然ガス輸出国の通貨、豪ドルは買い!
天然ガスはまだ高騰していますね。
中国の電力不足だけでなく、欧州で再生可能エネルギーが不安定化していることも、天然ガス高騰の背景にあります。
先週のコラムでは、英国で風力発電が不安定化していることを話題にしましたが、水力発電に頼るノルウェーでも、貯水池の水位が過去10年で最低となっているそうです。
さらに悪いことに、2014年、2015年ごろにエネルギー価格が急落して以降、天然ガスの上流部門への投資が半減しているため、すぐに供給を増やせないことも天然ガスの価格上昇に拍車をかけています。
【参考記事】
●豪ドル/円は、8月20日がターニングポイント! 「脱炭素」を追い風に、底堅くなる豪ドル/円を押し目買い!(9月27日、西原宏一&大橋ひろこ)

(出所:TradingView)
天然ガス価格の高騰は、欧州でさらに顕著なようです。
為替への影響を考えると、豪州は天然ガスの輸出国ですから、豪ドルは対ユーロで買い方向(ユーロ/豪ドルの売り方向)だということになります。

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エネルギー関連では、今週OPECプラス(※)の閣僚級会合が開催されます。
現行計画では日量40万バレルの増産が予定されていますが、バイデン政権はさらなる増産を要求しています。
日量60万バレル程度までの増産なら、価格にインパクトはないとの見方が優勢で、原油価格上昇も続きそう。
バンク・オブ・アメリカは、WTI原油100ドル超えの可能性も指摘しています。
(※編集部注:「OPECプラス」とは、OPEC(石油輸出国機構)にOPEC非加盟の主要産油国を加えた枠組みのこと)

(出所:TradingView)
豪ドルは年に1度の「イージーマーケット」となるか
10月に入りましたが、今年(2021年)の為替市場では、まだ目立ったトレンドが出ていません。
昨年(2020年)は、有料メルマガ「トレード戦略指令!」で、豪ドル買いの戦略を再三お伝えし、実際に30%以上も上がりました。
僕の経験だと、年に1度はそうしたイージーマーケットがあるのですが、今年はまだない。
年内のどこかでチャンスがあるはずですし、そのカギを握るのは天然ガスなどのエネルギー価格なのかもしれません。
ということは、今週も豪ドルに注目ですか?
豪ドル/円でもいいのですが、天然ガスで格差が鮮明なユーロ/豪ドルの戻り売りがいいのでは。
大きなトレンドが生まれる可能性もある、と見ています。

(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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