その結果、2009年はじめには55円台まで下落した豪ドル/円だったが、今年、2010年1月には86円台をつけるまで、約30%も回復した。
これを振り返って「60円割れのあの場面で買っていれば大儲けだったのに…」と後から言うのはカンタンだが、下落相場の真っ只中では恐怖感が先に立ち、そうカンタンには買えないもの。第一、どこで底入れしたか、どうやって判断したらいいものか——。
ところが、「あの時の豪ドル/円の底はカンタンにわかりましたよ」と語る人がいた。
ザイFX!の連載コラム「データが語る為替の法則」でもおなじみのT&Cフィナンシャルリサーチ社長・吉田恒さんだ。

■「オーバーシュート・アラート(OSA)」とは?
吉田さんはなぜ、底がカンタンにわかるというのか? それは“底がわかる秘密兵器”=「オーバーシュート・アラート(OSA)」を持っているからだ。
そして、この「オーバーシュート・アラート」について解説した吉田さんの著書が昨年、2009年暮れに出版された。
『FX予想のプロフェッショナルがついに書いた! FX7つの成功法則』(以下、『FX7つの成功法則』。ダイヤモンド社刊、税込み1500円)がそれだ。

今回は、吉田さんへのインタビューを交えながら、吉田さんとしては4年ぶりの著書となる、この単行本についてご紹介しよう。
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■相場の行き過ぎに対して警告シグナルを発する
まず、オーバーシュート・アラートとは何なのだろうか?
「相場というのは極端に上がりすぎたり、極端に下がりすぎたりして、行き過ぎになってしまうことがよくあります。そして、この相場の行き過ぎのことを『オーバーシュート』と言います。
『オーバーシュート・アラート』とは、こうした相場の行き過ぎに対して警告シグナルを発してくれるものなのです」
先ほどは「底がわかる」と書いたが、オーバーシュート・アラートは底だけでなく、天井でも警告シグナルを発してくれるものなのだ。
吉田さんが使っている具体的な『オーバーシュート・アラート』にはいくつかの種類があるのだが、その一つに「5年移動平均線からのかい離率」がある。
■通常は使わないような移動平均線にヒミツあり!
移動平均とは一定期間の終値を平均して出した値。5年移動平均なら、5年間の終値を平均したものとなる。そして、移動平均を結んだものが移動平均線だ。
さらに5年移動平均線からのかい離率とは、今の相場が移動平均線から何%離れているかを示したものとなる。
ちなみに吉田さんの使っている5年移動平均線は1年ごとの終値を5つ平均したものではなく、1カ月ごとの終値を60個平均したものということだ(12カ月×5年分=60個)。
移動平均線はもっとも基本的なテクニカル指標の一つだが、「5年移動平均線」となると、相当算出期間の長い移動平均線と言える。通常はあまり聞いたことがないぐらい長い移動平均線だ。
けれど、これが吉田さんの秘密兵器なのである。そして、この5年移動平均線からのかい離率がズバリ、豪ドル/円の底で警告シグナルを発してくれたものというわけだ。
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