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太田忠
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元ゴールドマン・サックス 志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」
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米ドル/円は、極端なリスク回避の状況に
ならなければ堅調か。米国の金融引き締め
ペースが速まれば、新興国投資には注意!

2021年11月24日(水)19:18公開 [2021年11月24日(水)19:18更新]

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クラリダ副議長の発言は「反乱」ではなく、米金融当局者による高度な戦略だった

 FRB(米連邦準備制度理事会)のクラリダ副議長がまた重要なスピーチを行いました。

 今年(2021年)8月4日(水)のスピーチでは、インフレリスクを強調し、緩和的な政策を転換する時期にきていることを示唆し、市場を驚かせました。

 パウエル議長は、あくまで緩和的政策を続けることが重要と言い続けていたので、副議長による「反乱?」かと思わせましたが、その後の推移を見ると、パウエル議長のスタンスはゆっくりとクラリダ副議長の方にすり寄ってきています。

 反乱かと思わせましたが、実は高度にコーディネートされた戦略だったのでしょう。この米金融当局者の周到さには驚かされます。

【参考記事】
クラリダFRB副議長の発言で、市場のハト派ムードは一変。米ドル/円は昨年高値超えると新しい上昇トレンド入りか(8月11日、志摩力男)

パウエルFRB議長のスタンスは、ゆっくりとクラリダ副議長の方にすり寄ってきているという。写真はパウエル議長 (C)Bloomberg/Getty Images News

パウエルFRB議長のスタンスは、ゆっくりとクラリダ副議長の方にすり寄ってきているという。写真はパウエル議長 (C)Bloomberg/Getty Images News

 そして、あまり話題にはなっていませんが、11月9日(火)のスピーチも重要だったと思います。内容は、中央銀行間の政策協調に関することです。

 しばしば、世界の中央銀行は同じような政策を採ることがあります。リーマンショックや昨年(2020年)のコロナ発生時が典型的な例ですが、中央銀行が自国を優先せずに他国に配慮するような政策を採ることは、中銀に対する政策の信頼を揺るがせ、有効ではないという結論です。

 2015~16年のチャイナ・ショックの時、FRBは中国に配慮し、引き締めを遅らせたことも紹介されていましたが、暗に「もうそんなことはしない」という表明でもあるでしょう。

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バイデン大統領は、パウエルFRB議長の再任を決定。緩和的な政策から決別するメッセージ

 バイデン大統領は、パウエルFRB議長の再任を決定しました。同時にブレイナード理事の副議長への昇格も発表しましたが、よりハト派的と見られるブレイナード理事を議長に指名しなかったことで、緩和的な金融政策から決別するメッセージを出しました。

写真は副議長に昇格したブレイナード理事。ただ、バイデン大統領がよりハト派的と見られるブレイナード理事を議長に指名しなかったことで、緩和的な金融政策からの決別するメッセージを出したという (C)Bloomberg/Getty Images News

写真は副議長に昇格したブレイナード理事。ただ、バイデン大統領がよりハト派的と見られるブレイナード理事を議長に指名しなかったことで、緩和的な金融政策から決別するメッセージを出したという (C)Bloomberg/Getty Images News

バイデン大統領は「インフレを反転させることが政権の最優先課題」と明確に発言しています。イエレン財務長官、そしてパウエル議長の口からも、「インフレは一時的」という言葉が消えました。

 パウエル議長指名の際のスピーチにおいて、バイデン大統領の態度、姿勢からは、決意が滲み出ていました。対象的に、晴れの場なのにパウエル議長は借りてきた猫のように低姿勢に終止していましたが、バイデン大統領は「誰がボス」なのか、完全に示したといえます。

バイデン大統領の支持率低下の最大の理由は「インフレ」。インフレ抑制が最重要課題に

 バイデン大統領は支持率が低下し、最近の調査では40%を割り込んでいます。アフガニスタン撤退の際の不手際もありますが、最大の理由は「インフレ」です。ミシガン消費者信頼感指数の数字が極端に落ち込んでいることからわかるように、インフレは一般の人々の消費に悪影響を与えています。

 米民主党にとってもっとも重要なことは、2022年11月に行われる中間選挙で勝つことですが、かなり暗雲が垂れこめています。世論調査では、インフレの影響を強く感じると答えた州は、選挙で重要なラストベルト(※)地帯や、中央部の共和党支持が強い州です。

(※編集部注:ラストベルト(さびた工業地帯)とは、米国中西部の五大湖周辺に位置する、鉄鋼、石炭、自動車といった旧来の主要産業が衰退した地域のこと。ミシガン州、オハイオ州、ウィスコンシン州、ペンシルベニア州などが含まれる)

 また、なぜインフレが起こるのかというと、米民主党があまりにも巨額の資金を経済対策としてばら撒いてしまったからですが、バイデン政権はこれからも、選挙で公約した“Build Back Better(ビルド・バック・ベター)”法案を実現しなければなりません。しかし、身内のジョー・マンチン上院議員からも「インフレ」を理由に反対されています。

バイデン政権はこれからも、選挙で公約した“Build Back Better(ビルド・バック・ベター)”法案を実現しなければならないが、「インフレ」を理由に、身内からも反対が出ているという (C)Scott Olson/Getty Images News

バイデン政権はこれからも、選挙で公約した“Build Back Better(ビルド・バック・ベター)”法案を実現しなければならないが、「インフレ」を理由に、身内からも反対が出ている (C)Scott Olson/Getty Images News

 とにかく、インフレを抑制しないと、政策も実現しないし、中間選挙でも敗北します。インフレ抑制は最優先課題であれ、その結果、株価が少々下落したり、他国の経済が困難に陥ったりしても関係ないということになります。それを示したのが、クラリダ副議長の講演です。

トルコリラ暴落。エルドアン大統領が考え方を変えるか、退場する以外、救う方法はない

 その結果、早速犠牲者が出ました。トルコです。トルコリラはついに暴落を始めました。

【参考記事】
【トルコリラ見通し】トルコリラが15%を超える暴落! 政権交代がなければ乱高下を繰り返すか。投資家に重要なのはリスク管理(11月24日、エミン・ユルマズ)

米ドル/トルコリラ 日足
米ドル/トルコリラ 日足

(出所:TradingView

トルコリラの暴落は、自業自得ともいえます。間違った経済政策、狂った経済理論を支持する独裁的政治指導者が招いた、まったく愚かな結果であり、エルドアン大統領が考え方を変えるか、退場する以外、トルコリラを救う方法はありません。

トルコリラの暴落は自業自得。エルドアン大統領が考え方を変えるか、退場する以外、トルコリラを救う方法はないという (C)Anadolu Agency/Getty Images

トルコリラの暴落は自業自得。エルドアン大統領が考え方を変えるか、退場する以外、トルコリラを救う方法はないという (C)Anadolu Agency/Getty Images

 ただ、問題は、トルコリラだけに問題が収まるかということです。かなりの部分は、トルコの特殊事情ですが、米国は今後、金融引締めのペースを上げることが予想されるので、安定している新興国も今後影響を受けるでしょう。新興国投資には要注意です。

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今後、米ドルはますます強くなる可能性。ユーロ/米ドルは1.15ドル割れで、さらに下落へ

 そして、先進国通貨の間でも、今後、米ドルはますます強くなる可能性があります。特に欧州は、金融引き締めに転じる意向がまったくないので、ユーロ/米ドルは節目の1.15ドルを割り込んだこともあり、さらに下落するでしょう。

【参考記事】
115円を伺う米ドル/円と、1.15ドルを割り込んで下落を速めたユーロ/米ドル。理由は金融政策、想定以上の米ドル高に備えよ!(11月17日、志摩力男)

ユーロ/米ドル 週足
ユーロ/米ドル 週足

(出所:TradingView

 米ドル/円は、すでにかなり上昇していますが、今後も堅調推移でしょうか。問題は、金利上昇に伴い、米国のグロース株が影響を受けることです。米国株がどの程度影響を受けるのか、読み難いところはありますが、極端なリスクオフ状況とならなければ、米ドル/円も堅調に推移するといえます。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(出所:TradingView


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元ゴールドマン・サックス 志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」
志摩力男 (しま・りきお)

慶應義塾大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関にてプロップトレーダー(自己勘定トレーダー)を歴任。その後、香港でマクロヘッジファンドマネージャーを務める。独立後も世界各地のヘッジファンドや有力トレーダーと交流し、現在も現役トレーダーとして活躍。

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