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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

ユーロ/円に、短期的な下落余地あり!
欧州の感染拡大で「リスクオフの円高」か。
米ドル/円は、再び115円ブレイクに失敗…

2021年11月22日(月)16:05公開 (2021年11月22日(月)16:05更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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欧州の感染拡大で「リスクオフの円高」?

欧州では新型コロナウイルスが急速に拡大しています。


ドイツでは新型コロナウイルス新規感染者数が1日あたり6万人を超え、オーストリアは今日(11月22日)から全国で10日間のロックダウンに入りました。


ドイツのワクチン接種率は67%と低いわけではないのに、急増していることを不思議がる声もあがっています。

【参考記事】
米ドル/円は、115円のバリアを突破できるかがポイント。ユーロ/米ドルは、2022年に1.0500ドル付近まで下落するとの予想も!(11月18日、西原宏一)

ドイツは移民を積極的に受け入れてきましたし、夏場以降、ベラルーシからポーランドを経由して不法に越境する人が急速に増えているようです。


ワクチンを接種していない移民も多いでしょうし、感染拡大の一因となっているのかもしれません。

為替市場では欧州の感染拡大を懸念してか、米ドル/円が急落


「リスクオフの円買い」との声も出ています。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/米ドルも下げていますし、円買いというよりは「米ドル買い・円買い」でしたね。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

米ドル/円はまたも115円ブレイク失敗で上値は重い

米ドル/円は10月に続き、先週(11月15日~)も115円ブレイクに失敗しました。


115円にはバリアオプションもあったようですが、今回のブレイク失敗は痛い。


米長期金利(米10年債利回り)が3月高値の1.7%台を超えていれば、まだブレイクのチャンスもあるでしょうが、米長期金利は上がっていません

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

米長期金利(米10年債利回り) 週足
米長期金利(米10年債利回り) 週足チャート

(出所:TradingView

米ドル/円はしばらく上がりにくいのかもしれませんね。


先週発表された日本の貿易収支も、3100億円の赤字予想に対して674億円の赤字と、大幅に少ない赤字額となりました。

貿易赤字額がコンセンサスよりもずっと少ないと、円高要因になりますね。

トヨタ自動車の12月生産計画は、グローバルで前年同月比4万台増の80万台レベル。


減産の挽回分を織り込んでおり、自動車産業が持ち直してくるかもしれない。


そうすると、貿易黒字へと転換する可能性もありますね。


また、日本でも原油備蓄の放出が検討され、原油価格も下げてきました。

WTI原油は75ドルへ反落し、チャート的には厳しいように見えますね。

WTI原油先物 日足
WTI原油先物 日足チャート

(出所:TradingView

米国に続き、日本でも備蓄放出の観測が流れたことに、原油市場は反応しています。


ただ、岸田政権の対応は疑問ですね。


国民のためにガソリン価格を下げたいなら、備蓄放出ではなく、ガソリン税の「トリガー条項」を解除して、税率を引き下げればいいだけ。


バイデン政権の呼びかけに応えるパフォーマンスの側面が大きいような気がします。

バイデン米大統領は「インフレ反転が最優先」としていますから、その要請に従ったのでしょうね。

コモディティ・スーパーサイクルは調整局面か

コモディティ全体の市況を示すCRB指数は、昨年(2020年)4月を大底に1年半で2倍以上となっています。


過去の「コモディティ・スーパーサイクル(※)」でも、上昇が1、2年続くと調整が入りやすい


米テーパリングや欧州でのコロナ再拡大などもあり、しばらくはコモディティ価格が落ち着いて、インフレ圧力も低下するのかもしれません。

(※編集部注:コモディティ・スーパーサイクルとは、商品相場の周期的変動や景気循環のうち、数十年の周期で起こるもの)

CRB指数 月足
CRB指数 月足チャート

(出所:TradingView

米長期金利も上がるのでしょうが、あまりにもみんなが上がると思っているので、債券売りのポジションがたまっている。


本当に上がりだすのは、来年(2022年)以降かなというイメージです。

市場が注目しているFRB(米連邦準備制度理事会)議長人事は決まりませんね。


パウエル続投なのか、ブレイナードさんなのか――。

ハト派よりなブレイナードさんになれば利上げ時期が後ろにズレやすいと思いますが、どちらに決まってもそこまで大きなインパクトはないでしょう。

次期FRB議長の可能性があるブレイナード氏写真

次期FRB議長の可能性があるブレイナード氏はハト派と目され、2014年からFRBの理事を務めている。ブレイナード氏がもし、FRB議長になれば、イエレン氏に次いで2人目の女性議長誕生となる。 (C)Bloomberg

「感謝祭明けの円安アノマリー」は期待薄

むしろ注目は、12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)ですね。


クラリダFRB副議長が「12月FOMCでテーパリング加速について議論することが適切」と発言したり、FRB高官からインフレ警戒を強める発言が出ています。


12月にはドットチャートも改訂されますから、利上げ時期が前倒しされる可能性もあります。

12月FOMCに向けて米ドル高基調なのでしょうが、最近はHFT(High Frequency Trading、超高速取引)の影響か、プライス・イン(織り込み)するスピードが速い


やりにくい相場となるかもしれません。

今週、11月25日(木)はサンクスギビング・デー(感謝祭)のため、米国が休場です。


ブラックフライデーからサイバーマンデーへと個人消費が高まる時期ですが、今年はちょっと様子が違う


サプライチェーンの乱れもあり、クリスマス商戦を早めにスタートしている企業が多く、それほど盛り上がらないかもしれません。

例年なら「感謝祭の翌週は円安になりやすい」というアノマリーがありますが、その裏付けのひとつとなるブラックフライデー商戦が盛り上がらないなら、今年は当てはまらないかもしれませんね。

今週の戦略はどう考えますか?

ユーロ売りがいいのでしょう。


ヘッド&ショルダーのネックラインを割ってきたユーロ/米ドルは1.05ドルのターゲットもみえてきましたが、目先は下がりすぎています。


米ドル/円が115円にタッチすらできなかったこともあり、短期的に下落余地があるのはユーロ/円でしょうか。

ユーロ/米ドル 週足
ユーロ/米ドル 週足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/円 週足
ユーロ/円 週足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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