米ロ首脳会談開催へ、詳細は2月24日に協議
バイデン米大統領が「プーチン大統領は軍事侵攻を決断したと確信している」と発言するなど、ウクライナは今にも戦闘が始まりそうな雰囲気の週末でしたね。
マクロン仏大統領が仲介に動き、米ロは首脳会談を開くことで合意したとの発表が今朝(2月21日朝)ありました。
日程などは2月24日(木)に開かれる米ロ外相会談で詰めるようです。
週末にはビットコインが売られ、今朝の日経平均も一時570円超安でしたが、首脳会談のニュースもあり戻していますね。
(出所:TradingView)
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ロシア軍が行動するなら、今週、来週あたりがタイムリミットか
ウクライナの凍土は3月中旬にも溶け始めます。
ぬかるんだ泥土では戦車が走れないですから、ロシア軍が行動するなら、今週(2月21日~)、来週(2月28日~)あたりがタイムリミットとの指摘もあります。
長期戦を覚悟しているなら別ですが。
いずれにせよ原油価格が上昇し、ロシアにとっては威嚇するだけでも経済的な利益となっているのは事実です。
(出所:TradingView)
原油高の影響で、ロシアの2021年第4四半期貿易黒字は過去最高に。
対照的に日本では1月、過去2番目の大きさとなる2兆円超の貿易赤字となりました。
日本の貿易赤字拡大は原油高の影響だけでなく、中国の需要減少も影響したようです。
戦闘が始まれば買い戻される可能性も
北京五輪が閉幕したことで注目されるのが、恒大集団(エバーグランデ)などの不動産リスクが再び高まる可能性、そしてロシアの侵攻を懸念する可能性です。
【参考記事】
●豪ドル/円の戻り売り継続。今は、緊急FOMCの噂が出るくらい異常事態! 北京五輪閉幕で、中国の不動産バブル崩壊が露呈する可能性も(2月14日、西原宏一&大橋ひろこ)
不謹慎ですが「遠くの戦争は買い」、「戦争は号砲とともに買え」との相場格言もありますね。
想定したくないですが、軍事衝突となれば、有事懸念から売り込まれていた株式などには買い戻しが入る局面もあるでしょうか。
「セル・ザ・ルーモア、バイ・ザ・ファクト」ですね。
為替市場ではクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が売られていましたから、その買い戻しが入るのでしょう。
ただ、株式市場はウクライナ問題だけで売られているわけではありません。
根底にあるのは米金融政策の転換ですね。
3月16日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)で始まる利上げを嫌気して、株式市場が大きく調整して、リスクオフへ向かうという基本的シナリオは変わりません。
「FOMC9回連続利上げ」の予想も
3月FOMCでの利上げ幅が0.25%なのか0.5%なのか、市場観測は揺らいでいますが、どう読みますか?
3月の利上げ幅がどうなるにせよ、今後利上げが続くことは変わりません。
ゴールドマン・サックスは、年内の利上げ回数見通しを5回から7回へ修正しました。7回ということは毎回です。
また、JPモルガン・チェースのエコノミストは、0.25%の利上げが3月から9回連続で続くと予想しています。
今週、2月23日(水)はニュージーランドの金融政策が発表されます。
0.25%の利上げがほぼ確実で、一部では0.5%利上げとの予想も出ています。
0.5%なら短期的にはサプライズですが、米国と同じで長期的に利上げサイクルが続くという見通しは変わりません。
ビットコインはデジタル・ゴールドではなかった
コモディティ市場では今朝、為替の影響もあり、円建ての金先物価格が史上最高値を更新しました。
地政学リスクの高まりに加えて、インフレヘッジとしての強い需要もあり、米ドル建てのゴールドも底堅く推移しています。
(出所:TradingView)
ビットコインは週末に下落し、ゴールドは買われ、対象的な動きですね。
一時はビットコイン=デジタル・ゴールドとする見方もありましたが、この動きを見ていると、異なるアセットクラスのようですね。
今週の戦略はどう考えますか?
ウクライナ問題がありますし、無事に通過しても、根底に米金融政策の大転換があります。
リスクオフ方向へ備えて米ドル/円、豪ドル/円の戻り売り継続でよいのでしょう。
【参考記事】
●豪ドル/円や米ドル/円を中心に、戻り売りを継続。米国のインフレは沈静化せず、リスクオフの「株安・米ドル高・円高」は続く!(2月17日、西原宏一)
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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