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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

米ドル/円は、125.86円の黒田シーリングを
目指してもおかしくない! どこかで崩れそうな
チャートだが、短期的には上に行きたそう

2022年04月11日(月)15:13公開 (2022年04月11日(月)16:15更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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速まる利上げペース、4月12日の米CPIにも注目

先週のコラムでは、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨が注目だと話しましたが、その発表前にブレイナードFRB(米連邦準備制度理事会)理事から「早ければ5月の会合でバランスシート縮小(QT)を開始」との発言がありました。

【参考記事】
米ドル/円は、130円程度までの上昇も視野に入ってきた! 豪ドル/円は中期的には100円、メキシコペソもまだ上昇の余地がありそう(4月7日、今井雅人)
2022年は「FX」の年になる! 米ドル/円は123.50円のオプションを利用して、下がったところをていねいに拾っていきたい(4月4日、西原宏一&大橋ひろこ)

ハト派で知られるブレイナードさんの口からタカ派な発言が出ることで、市場がどう反応するかを見たかったのかもしれません。

FOMC議事要旨でも、5月のQT開始が議論されていたことが明らかになりました。


明日、4月12日(火)は米CPIの発表。


予想では8.5%と、前回(7.9%)からさらにインフレが加速する見通しとなっています。

去年(2021年)までのFRBは、ある時点で2%方向へと戻るとの見通しでしたが、インフレの火は広がるばかりですね。


金利先物市場では年末2.5%までの利上げを織り込んでいますし、ゴールドマン・サックスのチーフエコノミストは4%の可能性を指摘しています。


5月、6月と2会合連続で0.5%利上げの可能性すらありそうですね。

高まる「セル・イン・メイ」のリスク

米金利上昇とともに、米ドル/円も125円手前まで上がってきましたね。

本邦実需系が買っているとの話です。


今年(2022年)の最強通貨は、年初来で見ても、ウクライナ侵攻後で見ても、豪ドルだったのですが、先週(4月4日~)は米ドルが最強通貨となりました。


これが今朝(4月11日朝)、豪ドル/円のロングの一部を米ドル/円に変えた理由でもあるのですが、中長期的な豪ドル高の見通しは変わりませんが、いったん調整する可能性もありそうです。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

豪ドルは、上海のロックダウン長期化が影響しているのかもしれませんね。


先週発表されたPMIも急低下し、習近平政権がめざすゼロコロナ政策の限界が見えてきました。

米利上げに思ったほど反応しないのが株式市場です。


いちおう下がってはいるのですが、米利上げを織り込んでいるのだろうか?と疑問になるくらいの緩慢さ。


パウエルFRB議長が株価を崩さないよう慎重に利上げを進めていることもあるのですが、今月(4月)中に大きな下落がないようだと「セル・イン・メイ」のリスクが高まってきます。

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/円に大相場の気配!?

今朝はユーロが上に窓を開けて始まりました。


今週、4月14日(木)にはECB(欧州中央銀行)理事会が開催されます。


今回は据え置き予想ですが、ゴールドマン・サックスは早ければ7月の利上げを予想しています。


こうした利上げを織り込む動きなのか、それともフランス大統領選挙の影響ですか?

フランス大統領選よりは金融政策でしょう。


友人のヘッジファンドは「ユーロ/米ドルの1.08ドル台は買い」との見方を変えていませんし、今回のECB理事会もタカ派的だと買われる可能性がありそうです。


ただ、豪ドルが金融政策で買われたものの、ブレイナード発言で叩き落とされたように、最近は金融政策での動きが持続しにくい


ECB理事会前に利上げ期待で買われていたら、セル・ザ・ファクトでの反落に要注意です。

ECB理事会は注目ですね。


チャート的にも、ユーロ/円は月足レベルの大きな三角持ち合いを上に抜けてきました。


ひょっとしたら大相場になるかもしれません。

ユーロ/円 月足
ユーロ/円 月足チャート

(出所:TradingView

ロンドン市場でパラジウムが急騰した理由

4月13日(水)はニュージーランド、カナダの政策金利が発表されます。


ともに利上げ予想ですが、注目は利上げ幅が0.25%なのか、0.5%か、見方が割れています。


カナダの0.5%利上げは金利先物市場では織り込んでいますが、為替市場はまだ充分に織り込んでいないようなので、実際に0.5%利上げとなればカナダドルは上がりやすいでしょう。

コモディティ市場では、欧州の貴金属業界団体のロンドン・プラチナ・パラジウム・マーケット(LPPM)が、ロシア製の白金とパラジウムのブランドを認定リスト(グッドデリバリー・ブランド)から除外しました。


ロシア産のプラチナとパラジウムが実質取引できなくなります。


中でも、パラジウムはロシアが最大の生産国であるため、急騰しています。


これもインフレにつながる材料ですね。


今週の戦略はどう考えますか?

米ドル/円は再び125円台へ

米ドル/円の押し目買いでいいのではないでしょうか。


チャート的には、週足も日足もいっぱいいっぱいなのですが……。

どこかで崩れそうなチャートですが、短期的には上に行きたそうな形ですね。

短期的には、黒田シーリングの125.86円をめざしてもおかしくなさそうですね。

米ドル/円 月足
米ドル/円 月足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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