米企業決算はテスラの好調をはじめ、航空業界の復調などもあり、ストロングに始まった。もうウクライナ紛争や物価高を忘れてしまったようである。しかしG20のついでに開かれたIMFの討論会では、パウエル議長が次の会合で50ベーシスの利上げを示唆したことで、マーケットは反応を加速させた。
ドル金利はそれまでは上昇の一途だったのだが、これを契機に上げ止まったと言えよう。為替市場でもこのコメントによってドル高の勢いがしぼんだ。次回会合の50ベーシス利上げはもう織り込み済みで、その次の会合、すなわち6月会合で75ベーシスもあることを匂わせる野ではないかと期待されていたからだ。6月会合についてはまったくの言及はなし。それでやや失望の調整となったようだ。
一方株価は大きく下げた。そんなに次回の会合での50ベーシス利上げは驚きだったのか。よほど利上げのペースに関して楽観視していたのだろうか。とにかく問題がインフレなだけに年内にも3%台までは金利を持って行きたいところなのだ。75ベーシスずつでも足りないくらいである。
欧州時間ではECB関係者が7月利上げのことを言い出した。やっとかという思いもあるが、市場はそれに素直に反応してユーロが全面高となった。ユーロドルは下げ基調であったのに、1.09台まできれいに戻した。またユーロ円が140円ちょうどをつけたのは、ちょっと達成感が出たようだ。
達成感と同時に140円台というのは大きなレンジスタンスにもなりそうだ。ドル円も急激に重たくなった。私もユーロ円が上値攻めしているときはドル円の買いでついて行けたのだが、ユーロ円の上がピタッと止められるとドル円のロング攻めは妙味が少なくなったように思えた。
今日はドイツ、イギリス、アメリカの景況感が出る日だ。そろって出るので比較しやすい。それだけではなくて強めに出ると再び市場の過熱感やインフレ間を引き起こすであろう。そうなるとドル金利のさらなる上昇は避けられない。ドル金利は短期も長期も昨日は今年の最高水準を記録しているが、今日も要注意である。ドル相場の一段高をもたらすからだ。
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