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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

ユーロ/米ドルの売り継続! 欧州エネルギー
危機で、パリティ(1ユーロ=1.00ドル)割れへ。
米ドル/円は、ユーロを見ながら押し目買いで

2022年07月11日(月)15:39公開 (2022年07月11日(月)15:39更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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参院選通過で円安再開か

安倍元総理の訃報は大変残念でした。

とてもショックでまだ受け入れられないですが、安倍さんの目指した「美しい国」をつくるために、私たちが務めていかないといけませんね。


このニュースで「アベノミクス完全終了で円高へ」との声も聞かれましたが、今日(7月11日)は1米ドル=137円を超えています。


黒田日銀総裁が「必要であれば躊躇なく追加緩和をおこなう」と発言したことが材料視されたようです。

米ドル/円 1時間足
米ドル/円 1時間足チャート

(出所:TradingView

参院選では、円安・インフレ対策もテーマとなっていましたから、選挙期間中は余計なことを言わないよう配慮していたのでしょう。


海外勢も選挙前ということでポジションを落としていたようですし、安倍さん銃撃の一報では円高になりましたから、そこでもポジションを落としたのでしょう。


そうした海外勢が再び買ってきて137円台となったようです。

「経済が大減速してもインフレ抑制、米ドル高へ」

米長期金利(米10年債利回り)も、再び3%台を回復してきましたね。

米長期金利(米10年債利回り) 4時間足
米長期金利(米10年債利回り) 日足チャート

(出所:TradingView

前回の対談でも話したように、2.5%は割らないだろうと思っていたのですが、2.7%すら割らず米ドル/円とともに再び上げてきました。


焦点は、やはりインフレ。


海外銀行のレポートによれば「FRB(米連邦準備制度理事会)はインフレを抑制するため、経済の大幅な減速を望んでおり、米ドル高もその一環である」とありましたが、まったくそのとおりだと思います。

【参考記事】
豪ドル/円は、8月に80%の確率で下落!? 夏限定の短期戦略で、豪ドル/円を売り! 米ドル/円は下がっても132円~131円台か(7月4日、西原宏一&大橋ひろこ)

今週、7月13日(水)には6月分米CPI(消費者物価指数)が発表されます。


ガソリン価格はさらに値上がりし、地域によっては1ガロン=7米ドルを超えているようです。


今回のCPI予想は8.8%(前年比)。ピークアウトどころか前回の8.6%を上回る予想です。

米国のガソリン価格は1年で2倍。強烈なインフレですね。

高まる欧州エネルギー危機。ユーロ/米ドルはパリティ割れへ

欧州ではエネルギー危機が高まっています。


欧州とロシアを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム1」は今日からメンテナンスのため、ロシアからのガス供給が一時的に停止されます。


来週、7月21日(木)には再開予定ですが、本当に再開されるのか、不安視する声が高まっています。

欧州のエネルギー問題は深刻。


ユーロ/米ドルのパリティ(1ユーロ=1.00ドル)割れは時間の問題と見る向きが増えています。


天然ガスの問題もまだ20%ほどしか織り込んでおらず、ターゲットは0.95ドルから0.90ドルの見方もあります。

ユーロ/米ドル 月足
ユーロ/米ドル 月足チャート

(出所:TradingView

バイデン米大統領は今週(7月11日~)、中東を訪問します。


本音ベースでは、サウジアラビアへの増産要請が最重要事項ですが、よっぽどの「お土産」がないとサウジは同意しないはず。


バイデン政権は、イランとの核合意再建による原油の供給再開にも動いていています。


サウジとイラン、不仲な両国のバランスをとるのは容易ではありません。


ワイルドカードは、ベネズエラへの経済制裁解除による原油の供給再開ですが、これを米議会は快く思っていません。


八方ふさがりにも見えるバイデンさんですが、もし中東諸国の大増産を取りつけられれば、世界のエネルギー需給もゆるむのですが……。

ニュージーランドは利上げ継続も景気後退の足音

今週はニュージーランド、カナダの政策金利も発表されますが、それぞれ0.5%、0.75%の利上げ予想。特にサプライズはないでしょう。

ニュージーランドの第1四半期GDPは0.2%のマイナス。


6月の消費者信頼感指数は過去最低、住宅指標も低下しています。


いち早く利上げに動いたRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])ですが、早ければ次回あたりから、タカ派スタンスからの転換を指摘する声が出てくるかもしれません。

市場は来年(2023年)4月までに4%程度までの利上げを織り込んでいます。


まだ2%ですから、当面は利上げが続くのでしょうが、いずれ焦点になってくるかもしれませんね。

米ドル/円の押し目買いはユーロを見ながら

今週の戦略はどう考えますか?

米ドル高は続くのでしょう。1.00ドルのパリティ割れへ向かうユーロ/米ドルの売りは継続でしょう。


ユーロが軟化してユーロ/円が下落し、米ドル/円もつられて下げる場面では、米ドル/円も拾いたいと思います。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

日本では明日(7月12日)から日米財務省会談です。


本題は為替ではなく、ロシア産原油の価格に上限を設定する制裁案の調整ですが、マーケットのボラティリティを作りたい向きがヘッドラインで動く可能性もあり、乱高下するリスクには警戒しておきたいですね。

(構成/ミドルマン・高城泰)

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