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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

今週はニュージーランドドル/円の売り!
FRBによる0.75%の連続利上げは、「株価を
下落させる」と暗示しているようなもの

2022年06月20日(月)15:14公開 (2022年06月20日(月)15:14更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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0.75%×2回の米利上げは「株価を落とす」とFRBが暗示しているようなもの

先週(6月13日~)は、FOMC(米連邦公開市場委員会)の0.75%利上げや、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])のサプライズ利上げ、一部で注目された日銀金融政策決定会合は現状維持とさまざまな動きがありました。

ポイントは米利上げでしょう。


先週、0.75%利上げして、7月も0.75%となることが濃厚。


0.75%×2回の利上げということは、「株価を落とす」とFRB(米連邦準備制度理事会)が暗示しているようなものです。

株価だけでなく、コモディティやビットコインなどリスク資産が一斉に急落しましたね。

パウエルFRB議長は「物価上昇率(CPI)が毎月下がり続けることを確認したい」と話しています。


「毎月」ということは、CPIが1度下がっても、現在のスタンスは変えないということ


7月はもちろん、9月も0.75%利上げの可能性があります。

パウエルFRB議長写真

パウエルFRB議長は「CPIが毎月下がり続けることを確認したい」と話している。「毎月」ということは、CPIが1度下がっても、現在のスタンスは変えないということ。7月はもちろん、9月も0.75%利上げの可能性がある (C)Bloomberg/Getty Images News

米長期金利は足踏み、米ドル/円もレンジか

週末にかけては米ミネアポリス連銀総裁のカシュカリさんや、ウォラーFRB理事からタカ派的な発言がありました。


6月22日(水)、6月23日(木)にはパウエルさんの議会証言がありますが、株へ配慮しないタカ派的な発言しか出てこないでしょう。


これだけ利上げすると、景気後退も現実味を帯びてきます。

米金利を見ても、10年債利回りは3.5%を超えられず足踏み状態。一方で短期金利は上昇しています。

米債利回りは10年よりも3年、5年、7年のほうが高くなっていますね。

米3年・米5年・米7年・米10年債利回り 日足
米3年・米5年・米7年・米10年債利回り 日足チャート

(出所:TradingView

米短期金利が上がって米長期金利が上がらないのは不況のシグナルですし、米ドル/円は、米10年債利回りの上昇とともに上がってきました。


米10年債利回りが足踏みしているのであれば、米ドル/円も当面は131円から135円台でのレンジなのかもしれません。


最終的には上抜けると思うのですが。

135円台は2002年からの長期レジスタンスですからね。

米ドル/円 月足
米ドル/円 月足チャート

(出所:TradingView

日本のCPIは前年比2.1%と、前回に続き2%を超える予想。「岸田インフレ」をはやす声も

日本では先週、日銀金融政策決定会合が現状維持となりました。


12時前の早い発表となったのは、緩和継続への強固な意志を示したとも受け取れます。


今週、6月24日(金)には日本のCPI発表があります。前年比2.1%と、前回に続き2%を超える予想となっています。


そこで気になるのが世論調査です。


岸田政権への支持率が各社軒並み低下しています。


主な理由は物価上昇ですし、野党からは「岸田インフレ」とはやす声も出てきました。

円安が物価上昇の一因ですが、かといって円買い介入というのは的外れ。


円安が嫌ならば、指し値オペをやめればいいだけです。

今回のCPIでも、メディアなどが騒ぎ立てると、「日銀の政策転換か!?」と勘違いした投資家が、円買いに動く場面があるかもしれませんね。

米ドル/円、下がれば輸出企業が買ってくる?

この円安で日本企業は為替の手当をどうしているのでしょうか?

輸出企業は売りすぎているくらいでしょう。反対に輸入企業は買えていない


これまでの「米ドル/円が上がっても待っていれば落ちる」という習性が染み付いていますし、財務担当者も140円をつけてからの135円なら買えても、高値の135円では買えません


押したところで買ってくるのでしょう。

ということは、極端な円高にはなりにくそうですね。

当面のポイントは米利上げと株価の下落。ニュージーランドドル/円の売り方針

コモディティはどう見ますか?

足もとの下落は需要の減少といより、世界的な金融引き締めによる景気後退を織り込んで、投機玉が抜けていることが主因だと思います。


コモディティは5回目のスーパーサイクルに入っていますが、前回サイクルと比べて1波目の上昇幅が非常に大きく、ここから1年くらい調整しても不思議はありません

 ウクライナ危機もあり、小麦などのソフトコモディティが足りなくなるのは明らかですし、インフレの質が「ハードコモディティからソフトコモディティへ」と変わるのかもしれませんね。

今週の戦略はいかがでしょうか?

当面のポイントは米利上げですし、その影響がいちばんわかりやすいのは、株価の下落


それを為替で表現するのは難しいのですが、豪ドルかニュージーランドドルの売りでしょう。


とはいえ、豪ドルは長期的に上昇すると見ているため、売りたくない


一方で、米ドル/円はレンジと予想しているので、今週はニュージーランドドル/円の売りでしょうか。

ニュージーランドドル/円 日足
ニュージーランドドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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