西原宏一さんのメルマガ「トレード戦略指令!」の有料会員向けに配信している動画コンテンツ「今月のFX・投資作戦会議」の中で、西原さんが為替相場で特に注目しているテーマを解説する「にっしートピック!」を無料公開しています。当コラム「FX&コモディティ今週の作戦会議」の内容とも連動しているので、ぜひ、ご視聴ください。
今週はRBA、BOC、ECBが連日で金融政策を発表する中央銀行ウィーク
今週は中央銀行ウィークですね。
明日、9月6日(火)はRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])、9月7日(水)はBOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])、9月8日(水)はECB(欧州中央銀行)が連日で金融政策を発表します。
コンセンサスはRBAが0.5%の利上げ、ECBとBOCは0.75%の利上げとなっています。
7月には1%と大幅に利上げしたBOCですが、今回で利上げ打ち止めと見る向きもあります。
カナダのインフレ率は6月に8.1%(前年比)でしたが、8月は7.6%へと低下。米国のように利上げを続けられるほど景気が強くないようです。
慌てて利上げを進めると景気を冷ましてしまいますね。
ただ、金利先物市場を見ると、カナダは来年(2023年)半ばに4%程度までの利上げを織り込んでいます。
今回で打ち止めを示唆するような発言が出れば、サプライズとなりますね。
英ポンドもパリティへ!?
ユーロはいかがですか。
先週(8月29日~)、ガスプロムはノルドストリーム1を通じた欧州へのガス供給を、無期限延期しました。設備のオイル漏れを原因としていますが、本当かどうか……。
ユーロは対米ドルで戻り売りしたいのですが、戻りなく下げています。
(出所:TradingView)
英ポンドもですね。対米ドルでは1.15ドルを割り込んでいます。
今日(9月5日)には英国の新首相が決まりますが、パリティ(1英ポンド=1.00ドル)到達を予想する声すら聞こえてきました。
(出所:TradingView)
ラガルドECB総裁の記者会見が始まる約30分後には、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演もあります。
ジャクソンホールで示したタカ派スタンスを踏襲するのでしょうが、ややこしい値動きになるかもしれませんね。
米ドル/円はいかがですか?
米ドル円上昇は「It's Not Over」
米2年債利回りにつれて動く相場が続いています。
先週には米2年債利回りが3.5%へタッチする場面もあり、米ドル/円も140円台を突破しました。
いまは3.3%台へと下落していますが、これが安定して3.8%へと乗せてくるようだと、米ドル円も147円方向へ向かうのでしょう。
(出所:TradingView)
24年前の高値147.66円を超えますか?
このあと公開される動画でも話しましたが、JPモルガンは「It's Not Over」、米ドル/円の上昇トレンドは終わっていない、とのレポートを出しています。
米金利が上がるかぎり、米ドル/円も上がる。ただ、147.66円をブレイクするには、米2年債利回りが4%を大きく超えてくる必要があるでしょう。
今日はOPECプラス(※)の会合も開催されます。
関係者は価格下支えのための減産もほのめかしていますが、減産はまだ早いのではないかと思います。
景気後退リスクが意識され、ジリジリ下げる相場が続くのかもしれませんが、かといって最近は、資源価格の下落が株価にプラスに作用するわけでもありませんね。
(※編集部注:「OPECプラス」とは、OPEC(石油輸出国機構)にOPEC非加盟の主要産油国を加えた枠組みのこと)
今日は米国休場、明日からの米株に警戒
今日はレイバーデイの祝日で米国が休場です。
レイバーデイ明けの米国株市場は急落しやすい経験則があるため、要注意ですね。
米金利が上がるなら、米国株の調整も深くなるのでしょう。
今週の戦略はどう考えますか?
米ドル/円の押し目買いでもいいのですが、注目は米国株市場の下落。
それを為替で表現すると、以前は豪ドル/円でしたが、今なら豪ドル/米ドルとなります。
RBAの金融政策発表もありますが、利上げはすでに織り込み済み。戻り高値は売りでいいでしょう。
【参考記事】
●豪ドルの急落に警戒! 9月5日の米国のレイバーデー以降、「ある程度の苦痛を伴う」米国株の下落にあわせ、株安で売られやすい豪ドルが下落する可能性!(9月1日、西原宏一)
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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