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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

米ドル/円はもう1度145円を試して失敗し、ダブルトップとなる
パターンも。ここから10円幅の調整があってもおかしくない!
明日の米CPIが鈍化すれば、米ドル高調整が強まるかも

2022年09月12日(月)16:50公開 (2022年09月12日(月)16:50更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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ドミノ倒しのノックアウト。米ドル買いの権利を失った企業が米ドルを高値で買っていった

先週この対談を配信した時点(9月5日)では、1米ドル=140円だったのですが、2日後(9月7日)には144.99円へ。よく動きましたね。

【参考記事】
豪ドル/米ドルの戻り高値は売り! 米国のレイバーデー明けの株価は、急落しやすく要注意。米金利が上昇して株価の調整が深まれば、売られやすいのは豪ドル/米ドル(9月5日、西原宏一&大橋ひろこ)

2日間で5円近く上がりました。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

この数年ではなかった値動きです。


最初は米系の短期筋が買っていたようですが、その後に続いたのが邦銀。


どうやら50銭刻みでノックアウト・オプションがらみのオーダーが出たようです。

どんなオプションでしょうか?

1米ドル=132円のときに「130円で100万ドルを買える権利を持つ。ただし142円を超えれば権利は消失(ノックアウト)する」といった特殊なオプションです。


これがドミノ倒しのようにノックアウトされ、米ドル買いの権利を失った企業が米ドルを調達し直さないといけなくなり高値を買っていった、ということのようです。

「高値144.99円」が意味すること

特殊なオプションがらみの上昇だったのならば、短期的にはいったん上昇終了でしょうか?

その可能性はあります。


先週は「It's Not Over」、米ドル円上昇が終わっていないとするJPモルガンのレポートを紹介しましたが、2日で5円も上がってしまうと、さすがにOver(終了)かもしれません。


先週(9月5日~)の高値は144.99円。145円に1銭届かないというのは象徴的。145円にバリアオプションがあるのでしょう。

【参考記事】
豪ドル/米ドルの戻り高値は売り! 米国のレイバーデー明けの株価は、急落しやすく要注意。米金利が上昇して株価の調整が深まれば、売られやすいのは豪ドル/米ドル(9月5日、西原宏一&大橋ひろこ)

もう1度、145円のバリアを試しに行く可能性もありますか?

行ったとしてもつかないのではと思います。


1998年高値の147.66円を抜いて反落するのがチャート的にはきれいですが、もう1度、145円を試して失敗し、ダブルトップとなるパターンもあり得ます

調整幅はどのくらいを見込んでいますか?

調整の予想は難しいのですが、7、8月は高値139円から130円まで2週間で約10円調整しました。


1998年もそうでしたが、140円台のボラティリティは非常に高い。ここから10円幅の調整があってもなんらおかしくありません

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

米ドル高は修正局面へ。原油はロシア侵攻前の水準に

9月が始まり下半期に入りましたし、米ドル/円だけでなく為替市場全般、米ドル独歩高を修正する局面に入ったのかもしれませんね。


ずっと下げていた英ポンド/米ドルは、コロナショック安値と面合わせして反発しています。

英ポンド/米ドル 週足
英ポンド/米ドル 週足チャート

(出所:TradingView

売り手もコロナショック安値をターゲットにしていたでしょうし、利益確定買いが出やすい水準でしたね。


ユーロ/米ドルも0.99ドルが堅く、抜けても戻ってくる。たびたび売りを推奨してきたユーロ/スイスフランも、当初のターゲットである0.95フラン台に到達してから反発しています。


クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)でも、スイスフラン/円の150円、ユーロ/円の145円が重い(※)。これまでの流れの調整局面ですね。

(※編集部注:本記事公開時点(9月12日16時50分前後)で、ユーロ/円は145円を上抜けた)

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/スイスフラン 日足
ユーロ/スイスフラン 日足チャート

(出所:TradingView

コモディティ市場でも、WTI原油が80ドル台半ばまで下げてきました。


今年(2022年)1月と同水準で、ロシアのウクライナ侵攻直前の水準より安くなっています。


世界第2位の石油消費国である中国の需要減退を織り込む動きと見られます。


調査会社によると、中国の石油需要は今年、減少に転じる可能性があるそうです。実際に減少となれば2002年以来20年ぶりです。

WTI原油先物 週足
WTI原油先物 週足チャート

(出所:TradingView

今週最大のイベントは9月13日の米CPI。BOEの政策金利発表は延期に

今週(9月12日~)はBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])の政策金利発表が予定されていましたが、エリザベス女王の逝去により来週、9月22日(木)に延期。


最大のイベントは明日、9月13日(火)の米CPI(消費者物価指数)となります。

6月に9.1%上昇(前年比、以下同)だった米CPIは、7月に8.5%上昇と大きく鈍化しました。


8月もさらに鈍化していると、米ドル高の修正が強まるかもしれませんね。


ただ、来週(9月19日~)のFOMC(米連邦公開市場委員会)は、FRB(米連邦準備制度理事会)ウォッチャーとして注目度を高めているニック・ティミラオスが記事で予想していることもあり、0.75%の利上げでほぼ決定でしょうか。

そう思いますね。

今週の戦略はどう考えますか?

米ドル/円は145円が重く、政府・日銀による円安けん制発言のトーンも上がってきています。


一方で、ユーロ圏の悪材料に変化はありません。ユーロ/円の戻り売りでいいのではないでしょうか。

(構成/ミドルマン・高城泰)
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