昨日はおおむねドル高が進んだ。ドル円は143円台の後半まで上がってきたが、FOMC前なので大きくは動けない。144円台には達しなかった。またユーロドルも勢いこそなかったものの、パリティ割れで推移。どちらもちょうど居心地のよさそうなレベルでニューヨーククローズを迎えた。
スウェーデン中銀が100ベーシスの利上げをやったので、いくぶん欧州債に重しとなった。ユーロ金利の上昇に伴って、ドル金利もやや上昇。米国株も6月以来の安値件に突っ込んできた。金融相場なのでリスク回避は起こらない。安全資産の債券相場も一緒に下がっている最中なのだ。株価が下がればリスク回避だとバカの一つ覚えみたいに言っている評論のなんと多いことか。
いよいよアメリカと日本の金利会合を迎えることになるわけだが、どうせ何にもしないと考えられている日銀のほうに注目が集まっている。政府、つまり財務省側が円安の流れに苦言を呈しているからだ。今は亡き安倍首相の言うとおりに、日銀は政府の子会社だ。だから政府の方針に逆らうようなスタンスを示せるわけがない。
もちろん期待したいのは法律で保証されている日銀の金融当局としての独立性なのだが、それも人事面などから脅かされているというのも事実だ。今回の会合で政務方の次官などが派遣されるとなると、見解の変更も余儀なくされる。そうした場面を過去に何度も見てきた。
アメリカが2四半期を連続してマイナスのGDPになったとして、リセッション入りしたとの見方がある。インフレとウクライナ情勢の影響のせいだとして軽視されているが、日本はマイナス成長になっていない。
しかしこの間に進んだ円安の分を加味してドル建てで考えて見ると、果たしてそうか。GDPの総額は大きなマイナスになってもいる。確かにニューヨークやロスなどでの食料品の値段を聞いてみると、もはや気軽には手を出せないほど、日本人は貧乏になったような感がある。
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