為替はボラティリティの高い相場が続いているが、大きな方向性としては米ドル高が続くか
為替市場はボラティリティが非常に高い状態が続いています。
先々週(9月19日~)は各国の金融政策の発表や、政府・日銀の実弾介入などもあり、多くの通貨ペアで激しく動いていましたが、先週(9月26日~)は英ポンドが主役となり、今もまだボラティリティの高い状態が続いています。
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⇒月末は米ドル売りが出る可能性も、米ドル高の相場は継続! 大型減税の発表で急落した英ポンド/米ドルや、節目を下抜けた豪ドル/米ドルで売りがよさそう(9月27日、バカラ村)
トラス英首相の大型減税策で先週(9月26日~)の週明けは、英ポンド/米ドルは1.0350ドル付近まで急落しましたが、市場ではBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])の緊急利上げ期待が出てきたことで1.09ドル台まで反発。
しかし、1992年にジョージ・ソロス氏との対決で負けたこともあり、通貨防衛のための利上げは行わず、ただ英国の金利が急騰していたため、金融市場の安定を目的に量的緩和を10月14日(金)までの期間限定で再開することを決定しました。
そして先週末は四半期末も重なっていたため、月末フローも合わさって英ポンド/米ドルは上昇。
さらに昨日(10月3日)には、トラス首相の大型減税策の一部である高額所得税率(45%)の引き下げ案を撤回することが伝わると、英ポンド/米ドルはさらに上昇し、1.1335ドル付近まで上昇しました。
(出所:TradingView)
トラス首相の大型減税策450億ポンド規模のうち、高額所得税率引き下げ案に占める部分は20億ポンドになるようで、一部にしか過ぎないですが、今後も他の撤回が続くとの思惑もあり、英ポンドの急落は落ち着きつつあります。
先週(9月26日~)は英ポンドで振らされる展開となり、そして月末フローもありましたが、大きな方向性としての米ドル高に関しては今後も継続で考えています。
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ユーロ/米ドルは下降チャネルが継続。戻りを試しても上限の1.00ドル台半ばまでか
このコラムでも何度も記載していますが、現在、ユーロ/米ドルは下降チャネルが継続しています。
先週(9月26日~)はその下限の0.95ドル付近で反発したことから、まだこのチャネルは機能していることが確認されました。
上限については現在、1.00ドル台半ばに位置しているため、反発したとしても、上値メドとしてはその水準までではないかと考えています。
(※筆者提供)
そのため、ユーロ/米ドルは戻り売り継続で考えています。
(出所:TradingView)
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米ドル/円は上昇チャネル内で推移。上限の147円台半ばまで上昇すると、実弾介入も出てくるか
米ドル/円も上昇チャネル内で推移しており、基本的には買い方向で考えているため、チャネルの下限を買いの水準で考えたいところですが、ただ現在は137円台と遠い水準になります。
政府・日銀の介入のときに140円台も下回らなかったことから、目先の下限は142-143円台あたりをメドに考えています。
チャネルの上限は147円台半ばに位置しており、この水準は重要な高値にも重なります。
(※筆者提供)
その水準まで上がるようなことがあれば、実弾介入も出てくるのではないかと思います。
基本的には米ドル買いで考えており、米ドル/円やユーロ/米ドルや他のドルストレート(※)も含めて米ドル高は継続するのではないかと考えています。
(※編集部注:「ドルストレート」とは、米ドルが絡んだ通貨ペアのこと)
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