FOMCではおおかたの予想通りの結果となった。利上げ幅は50ベーシスポイントに縮小され、過度な期待を防ぐためにパウエル議長の発言はタカ派的なものとなった。ターミナルレート予想は切り上げられ、来年末には5.125%に。しかも来年は利下げをするには相当の根拠が必要であることを強調した。これは事実上の来年の利下げはなくなったことを意味する。
市場の反応は最初の利上げ決定で金利は上昇、ドルは激しく買い戻され、米国株は急落した。しかしパウエル議長の発言が始まると、その反対の動きが出てマーケットは元の水準まで完全に戻してきた。
私はドル金利がそう簡単には下がらないと思っていたので、ドルロングで構えていた。ユーロドルでショートにしていたのだ。欧州序盤では、ちょうど入りやすいユーロドルの高値張り付きでもあったからだ。利上げが公表された瞬間には確かにドル高でファイバーにはなったのだが、1.06台を割り込まず。ぶっ飛ぶほどドルが上がらないのだ。
そうこうしているうちにパウエル議長の発言が始まると、ユーロドルは買い戻された。私も途中で同値で買い戻しを余儀なくされた。結局、ユーロドルは1.06台のままだったのである。それに比べるとドル円のほうは動きが大きかったように見える。しかし今年最後の大きなイベントの割には、値幅が狭かったとも言える。
今晩はスイス、イギリス、ECBの金利会合がある。これらもみなアメリカに合わせて50ベーシスの利上げをすると見込まれている。この想定通りであったならば、マーケットには大きな波乱は起こらないであろう。流れはドル安のほうに向かっているが、ドル円やユーロドルを現在のレベルでドルショートにしにくいのも事実だ。しかるにドルは下げるしかないのか。
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