FOMCでのパウエル議長の声明はややタカ派
みなさん、こんにちは。
年内最後の大イベントといえるFOMC(米連邦準備制度理事会)が、日本時間本日(12月15日)未明発表されました。
前回まで4会合連続で続けてきた0.75%の利上げからペースを減速させ、主要政策金利の0.50%の引き上げを決定。
これはコンセンサスどおり。
FF金利の誘導目標レンジは4.25-4.50%と、2007年以来の高水準です。
(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)
注目が集まっているFOMC参加者の政策金利予測中央値は、来年(2023年)末には5.1%、そして2024年に4.1%に低下するとの見通しが示され、いずれも9月時点での予測から引き上げられています。
次回のFOMCでの利上げ幅については今後のデータ次第だとし、0.50%と0.25%の利上げ、両方の可能性を残して終わっています。
金利先物市場では来年の利下げを織り込み始めている?
金利先物市場では0.25%の利上げ幅予測が増えているようです。
気になったのは、米金利先物市場では来年12月13日の予想金利が4.36%に低下していること。
つまり、来年の利下げを織り込み始めています。
一方、FRB議長のパウエルさんの声明では、来年利下げが行われることはないことを示唆しています。
つまり、マーケットはFRBの見通しより、弱気に傾いているということになります。
下図はこのコラムで何度かご紹介させていただいた米ドル/円と米2年債利回りの日足の相関チャートです。
(出所:TradingView)
2年債利回りと米ドル/円との相関性も大きく乖離したまま。
この2点から、1ドル=135円以下の米ドル/円は売られすぎ圏内であり、いったん140円方向に踏み上げられるのではないかと想定しています。
米ドル/円は135円以下を押し目買い。
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NZドル/米ドルは10月から1000pips急騰!
一方、当コラムで注目しているニュージーランドドル(NZドル)ですが、今週も続伸しており、NZドル/米ドルは一時0.6514ドルの高値に到達。
(出所:TradingView)
10月13日の安値である0.5512ドルから0.6514ドルまで、すでに1000 pips急騰しています。
米ドル/円でいえば2カ月で10円急騰していることになるため、NZドル/米ドルは多少調整する可能性もあるのですが、NZドルは底堅いまま。
これはニュージーランド経済の好調さが、通貨ニュージーランドドルを支えているといえます。
ウェストパック銀行によれば、ニュージーランドの第3四半期のGDPは2%急増し、海外からの観光客の戻りが続いていることが寄与しているとコメントしています。
このGDPの結果は、市場予測やRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の予測である0.8%増を大きく上回っています。
そのため、景気過熱を抑制する必要があるとの見方が強まり、RBNZはインフレに対抗する戦いの姿勢を維持することになるとしています。
結果、金利先物市場ではRBNZが来年2月に0.75%の利上げを決定することを織り込んでいます。
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調整はあるもNZドル/円は95円に向け上昇中
先週のコラムでご紹介させていただいたとおり、ターミナルレート(利上げの最終地点)は5.50%か5.75%と予測されたまま。
【※関連記事はこちら!】
これは主要通貨の中で最も高いターミナルレートであり、先月のRBNZでは2023年の利下げはないことを示唆しています。
結果、1000pipsも急騰したにも関わらずNZドル/米ドルは底堅いままであり、NZドル/円も上昇しています。
(出所:TradingView)
米2年債利回りと米ドル/円との相関性も大きく乖離したままであり、1ドル=135円以下の米ドル/円は押し目買い。
そして、RBNZのターミナルレートが5.75%という予測もあるNZドル/円は、95円に向け上昇中という予測を維持します。
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