雇用統計での賃金上昇の上がり具合を確認して、昨日のマーケットでもドル金利の低下が続いた。それで米国株も金融緩和期待から上伸し、為替相場でもドル安の圧力が継続した。ユーロドルは1.07台に乗せてきて、まだドルの余剰感は残っている。
しかしニューヨーク時間の午後からは様相が一変し、米国株は大きく下げ、そのまま安値引けに近いかたちとなっている。一部のFEDメンバーからのタカ派発言が意識したものと思われる。
しかしユーロドルの上昇には多少驚いた。昨年末のドル円でのドル安が激しく起こったときも、何とかツラレ高しないで1.06台に踏みとどまったのに、昨日のような何の変哲もない相場で1.07台に乗せてきたのだ。世の中にはこのへんでユーロロングになっているきれいなポジションは少ないだろう。
ということはもう一段高する可能性も秘めているということだ。確かに最初に1.07台に乗せた後は、押し目もほとんどなかったといえよう。パリティなんてほど遠くなってしまっている。ユーロドルは押し目を待たずに高いところを買って行くべきところに来てしまっているのかもしれない。
今週は材料が少ない。それゆえ先週末の雇用統計を玩味する時間がたっぷりとあることになるのだが、雇用市場のタイト感は薄まっていない。その辺の事情をどうやってドル安・株だけに織り込んでいくのか。
今晩はパウエル議長の発言は注目されるが、矛盾が露呈すれば 、すぐに反対の動きが強まるのは明らか。木曜日にはCPIも出るが、ピークアウトはすでに確認済みということもあって、以前ほどマーケットの関心を集めてはいない。
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