日銀金融政策決定会合で、YCC変動幅をまた今回も拡大するのではとの期待が高まっていた
昨日(1月18日)、日銀の金融政策決定会合が開催されました。その結果を受けての市場の反応は、異常とも言える動きでした。
この会合に向けて、金融市場の中では「今回も金融緩和政策の更なる修正があるのではないか」という期待の声が高まっていました。
具体的に言うと、昨年(2022年)12月に拡大したYCC(イールドカーブコントロール)の変動幅を、また今回も拡大するのではというものです。
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実際にそれを見越して、債券市場では日銀が設定する変動幅以上のところでの取引が行われ、国債10年の利回りは0.5%を超える日が続いていました。
日銀が0.5%で抑えるために、買いオペをしているにも関わらず、市場金利が0.5%を超えてしまっていたのは、日銀の買い注文に対して売れないルールになっている取引があり、そこでの金利が0.5%超になっていたということなのですが、ややテクニカルな話なので、ここでは詳細は割愛します。
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日銀の政策変更なしで、なんと米ドル/円は3円以上急伸
このように、市場には政策変更の期待感が高まっていたのですが、個人的には2カ月連続で日銀が政策を変更するというのはあり得ないと考えていました。
そして、それだけの期待がかかっているのであれば、変更がなければ、ある程度、米ドル/円は上がるだろうとも予想していました。
結果は、変更なしということでしたので、まあそうだろうと思って相場を見ていましたが、なんと米ドル/円は3円以上急伸して、一時131円台半ばまで上昇しました。
(出所:TradingView)
いくら期待感が高かったとは言え、変更がなかったことで3円も米ドル高・円安になるのは非常に違和感がありました。
米ドル/円は海外市場に入ると、実に4円も下落。まさに「山高ければ谷深し」
その後、相場は反転し、最初はジリジリと下がり始め、途中からその速度を上げ、海外市場に入ると一時127円台半ばまで、実に4円も下落するという激しい動きになりました。
(出所:TradingView)
この反転して下がった際には、米国の重要指標が予想を大幅に下回ったという側面も多少はありましたが、特段材料は出ていません。
そうなると上がり過ぎてしまった反動で、下落に拍車がかかってしまったと考えざるを得ません。まさに「山高ければ谷深し」です。
先日の米国のCPI(消費者物価指数)が予想どおりであった時も、米ドルが急落して驚かされましたが、最近の相場は本当に不可思議な動きを見せます。それだけ市場が不安定になっているということかもしれません。
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米ドル高トレンドにはやはり戻らない。米ドルの戻り売り方針を維持。米ドル/円は129円台がすでに売りゾーンに
その上で今後の展開を考えてみます。
まず1つ言えることは、米ドル高トレンドにはやはり戻らないということです。
米ドル/円やユーロ/米ドルのチャートを見れば、中期的な米ドルの下落トレンドに今も入っていることが確認できます。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
昨日のように、米ドル/円が一時急騰しても叩き落とされる状況を見る限り、大きく見れば米ドルの下落局面の中での乱高下と考えておくのが妥当ではないかと思います。
したがって、戦略としては米ドルの戻り売りを主体とする方針をこのまま維持したいと思います。
米ドル/円では、129円台はすでに売りゾーンになってきたのではないでしょうか。
(出所:TradingView)
今後の注目は2月1日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)です。ここでどういう結果となるのかが注目ですが、この点については来週詳しく述べたいと思います。
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