昨年は米国の金融政策に従って為替相場も動く、わかりやすい相場だった
明けましておめでとうございます。
昨年(2022年)は、3月ごろから米国の利上げが加速し始め、それを背景に急激な米ドル高・円安が進みました。米ドル/円も116円を上に抜けると一気に駆け上がり、10月には151円台にまで達しました。
しかし、その後米国の利上げペースが減速し、今年(2023年)の早い時期に利上げが終わりそうだという見方が広がると、一転して相場が反転し、米ドル安に向かいました。
(出所:TradingView)
こうして1年を振り返ってみると、米国の金融政策に従って為替相場も動くという、ある意味わかりやすい相場でした。
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現在の米ドル相場はもみ合いで、方向感を出すのはかなり難しい状態
そして、現在は、米国の利上げは後少しで終わりそうだが、その後はしばらく金利は高止まりするだろうという見方の中、米ドル相場はもみ合いに入っています。
現在のこの状態では、相場が方向感を出すのはかなり難しくなっています。
先々週(2022年12月19日~)、日銀がYCC(イールドカーブコントロール)の変動幅を広げたことで、実質的な利上げだと市場が捉えて、1日で7円近く米ドル安・円高が進むという展開がありました。
【※関連記事はこちら!】
⇒【2023年のFX予想】日銀ショックの次の、大きな流れの変化は2月から4月くらいに起きる。米ドルの戻り売りが基本戦略! 米ドル/円は大きめに戻っても133円台程度か(2022年12月22日、今井雅人)
また、先週末(2022年12月30日)には「日銀が物価見通しを引き上げへ 緩和修正圧力も」との報道もあり、米ドル/円は130円を割り込む場面も見られましたが、そこでは下支えされて反転してきています。
(出所:TradingView)
米長期金利がなぜか上昇。それでも米ドル高にはそれほどならず、不可思議な動きが相場を難しくしている
また、直近で起きていることで、やや不可解なことは米国の長期金利が上昇していることです。代表的な米国の10年債利回りは、一時3.9%付近まで上昇しました。
この水準は、前回の米国のCPI(消費者物価指数)が予想を大きく下回って、米長期金利が急落したその前の水準(3.6%前後)を超えています。どうしてここまで上昇したのかよく理解できていません。
(出所:TradingView)
さらに、ここまで上昇すると、当然米ドル高になってもおかしくないのですが、実際は、米ドル円は上昇してきたものの、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルでは、それほど米ドル高になってきていません。こうした一連の不可思議な動きが相場を難しくしています。
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あまり無理をせず軽めにレンジトレードを行っておく時期
こういった状況では正直、決め打ちでポジションを取るのは難しいと思っています。
米ドル/円の戻りは133円台ぐらいかと前回のコラムではお話ししましたので、それよりは上がりましたが、それは上に抜けたというより、思ったより円ロングが溜まっていたのだと考えるべきで、この円安傾向は早晩失速すると思います。
【※関連記事はこちら!】
⇒【2023年のFX予想】日銀ショックの次の、大きな流れの変化は2月から4月くらいに起きる。米ドルの戻り売りが基本戦略! 米ドル/円は大きめに戻っても133円台程度か(2022年12月22日、今井雅人)
(出所:TradingView)
また、ユーロドルも1.06ドルを挟んで方向感がなくなっています。残念ながら、当面現状のような難しい相場はしばらく続いてしまうと思います。
(出所:TradingView)
ここは、あまり無理をせずに軽めにレンジトレードを行っておく時期です。今は軽く流しながら、次の大きなチャンスがやってくるのを待ちたいと思います。
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