米インフレ鈍化見通しから、米ドル独歩安に。米ドル/円は日銀絡みの報道で、130円をしっかり下抜け
1月12日(木)に、米国のCPI(消費者物価指数)の発表がありました。
過去2回は予想値よりも大幅な低下となりましたが、今回はすべて予想値と同じとなりました。
ただ、為替市場はインフレ鈍化との見通しから、米ドル独歩安となりました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
先週のコラムでは、豪ドル/米ドルやユーロ/米ドルが上昇するのではないかと考えて、米ドル安になると考えており、実際にも米ドル安になっています。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル安トレンドが再度戻ってくる可能性! 米ドル/円は130円以下が堅いが、ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは買い。米CPIが過去2回より米ドル安になりにくいワケは?(1月10日、バカラ村)
ただ、米ドル/円に関しては、130円がサポートされると考えていたものの、日銀が大規模緩和の副作用を点検するとの報道も受けて、130円をしっかり下抜け、127.23円まで下がりました。
(出所:TradingView)
★ザイFX!で人気のバカラ村さんの有料メルマガ「バカラ村のFXトレード日報!」では、実践的な売買アドバイスや相場分析などを、メルマガで配信!メルマガ登録後10日間無料です。
水曜日の日銀会合が非常に重要に。ボラティリティが高く、円高にも円安にもなる可能性がある状態
そして、この報道を受けて、水曜日(1月18日)の日銀会合(日銀金融政策決定会合)が非常に重要となってきました。
前回の日銀会合では、YCC(イールドカーブコントロール)の変動幅を±0.25%から、±0.50%へ拡大し、その影響で円が急騰。米ドル/円の当日の日足では、約7円も急落しています。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は、サプライズ的な日銀の事実上の利上げを受けて急落! 134~138円レンジを下抜け、130~134円にレンジが切り替わる可能性(2022年12月20日、バカラ村)
(出所:TradingView)
今回もYCCを0.50%から0.75%へ拡大するのではないか、もしくはYCCを撤廃するのではないか、という予想も出てきています。
もし、YCCを撤廃するようであれば、日本の長期金利は急騰し、為替市場は円高になると思います。
ただ、今の日本の景況感は良いと言えず、YCCを撤廃するほどの強さはないと思います。
そのため、YCCは現状維持になる可能性の方が高いのではないかと考えています。
今回の日銀会合で可能性があると考えるのは、物価見通しを上方修正し、もしかするとマイナス金利を少し修正してくるのではないかと思います。
どちらにしても、今回の日銀会合はボラティリティが高く、円高になる可能性も円安になる可能性も、どちらもある状態です。
米ドル/円のレジスタンスは129.50円や131円台半ば。サポートは125円や123円付近
米ドル/円のチャートからは、下降チャネルが継続しており、その上限は131円台半ばあたりになります。
その手前は129.50円の以前のサポートがあり、反発がここで止められるようであれば、まだ下げ圧力が強く、125円あたりまで下がることが予想されます。
(出所:TradingView)
YCCを撤廃するなど、円高の材料が出るようであれば、下のサポートは、125円が超長期的に何度も上値が止められた黒田シーリングの水準。
さらに勢いが出てくるようであれば、下降チャネルの下限が123円付近となり、この水準は38.2%戻し(※)とほぼ同じで、この水準はいったんはサポートされてもいいのではないかと思います。
(※編集部注:米ドル/円の最安値75.54円から、2022年最高値151.95円の、38.2%戻しが122.76円となる)
【※関連記事はこちら!】
⇒【2023年のFX予想】米ドル/円は120~145円のレンジか。2000~01年以外の米利下げ局面で、米ドル/円は下落。米利下げが予想される、来年後半は下がりやすい!(2022年12月27日、バカラ村)
(出所:TradingView)
★ザイFX!で人気のバカラ村さんの有料メルマガ「バカラ村のFXトレード日報!」では、実践的な売買アドバイスや相場分析などを、メルマガで配信!メルマガ登録後10日間無料です。
米ドル/円は基本的に売り方向だが、まずは日銀会合を見てからの方が無難。非常に重要な週に
基本的には下降トレンドが続いているため、売り方向で考えるべきですが、黒田総裁はサプライズも多いことから、まずは日銀会合を見てからの方が無難だと思います。
米ドル/円は基本的に下降トレンドが続いているため、売り方向で考えるべきだが、黒田総裁はサプライズも多いことから、まずは日銀会合を見てからの方が無難 (C)Bloomberg/Getty Images
今は、YCCを修正するのではないかとの思惑から、すでに円買いに推移しているため、もし現状維持となれば、米ドル/円は129.50円も超えて急騰しますが、YCCを撤廃するようなことになれば、125円に向けて急落すると思います。
今週(1月16日~)は、米ドル/円にとって非常に重要な週になると思います。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)