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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

米ドル/円は「雇用統計ショック」から「雨宮氏へ打診」で
急騰! ボラが非常に高く、資金管理に注意。米ドル売りに
反転の兆し。対ニュージーランドドルなどで米ドル買い

2023年02月06日(月)15:15公開 (2023年02月06日(月)15:15更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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「雇用統計ショック」から「雨宮氏へ打診」

先週(1月30日~)からFOMC(米連邦公開市場委員会)、米雇用統計、日銀総裁報道と大きな動きが続きましたね。

まずFOMCですが、印象的だったのは、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が「ディスインフレ」と10回以上も繰り返したこと。

パウエルFRB議長写真

パウエルFRB議長が「ディスインフレ」と10回以上も繰り返したのが印象的だった (C)Bloomberg/Getty Images News

ディスインフレ、つまり、インフレ状態ではあるものの、ペースは鈍化した状態ですね。

金利先物市場は年内の利下げを織り込んでいますが、ディスインフレ状態での利下げはとても正当化できません


さらに、米雇用統計では、雇用者数18万人増の予想に対して、51.7万人増と大きな上ブレ


年内利下げのストーリーが崩されつつあります。

昨年からの米ドル売りは反転へ

パウエルさんは、米雇用統計の数字を知った上でFOMCに臨んでいると思うのですが、1月分の米雇用統計では、人口統計の年次更新が反映されるため単純比較できない、との指摘が出ています。


だとすれば、平均賃金は前月比0.3%増と前回の0.4%増から低下していますから、インフレ率はそれほど伸びないということになります。


だからこそ、「ディスインフレ」と繰り返したのかもしれませんね。

こうした米ドル側の要因に加えて、日曜日(2月5日)深夜に日経新聞が「日銀次期総裁、雨宮副総裁に打診」と報じたことで、今朝(2月6日朝)の米ドル/円は、1円30銭ほどの上窓を開けて始まりました。

米ドル/円 15分足
米ドル/円 15分足チャート

(出所:TradingView

ちょうど先週、この対談で「米ドル/円は、日銀次期総裁が雨宮氏となれば、1円程度上がるイメージ」と話したとおりの展開ですね。

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円は、日銀次期総裁が雨宮氏となれば、1円程度上がるイメージ。退任した豊田章男社長が大穴!?「令和臨調」共同代表の翁氏が、次期副総裁となれば円高リスク(1月30日、西原宏一&大橋ひろこ)

いずれにせよ、昨年(2022年)10月から続いた米ドル売りは、チャート的にも反転の兆しを見せています。


米ドル/円も中期的にボトムアウトではと見ています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

米ドル/円は、ボラティリティの高い展開が数カ月続くなら、140円台回復も

米ドル/円の戻りメドはどのくらいでしょうか。


昨年10月からの下落に対する38.2%戻しが136円台半ば。


ここには、200日移動平均線も重なっていますから、目安となりそうですね。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

まずは1月高値の134.77円でしょうか。


ボラティリティの高い展開が数カ月続くなら、61.8%戻しとなる142円台もありそうです。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

ただ、「雇用統計ショック」と言われるほどの強い数字にもかかわらず、米国株はそこまで落ちていないですし、VIX指数も上がっていません。


意外と株がするする上がっていく可能性もありますし、米ドル高が進まないリスクはあるかもしれませんね。

ここからは再び、米金利にも注目です。


米ドル/円と米金利の相関は、半年ほど前から切れているのですが、その理由のひとつが日銀のピボット(政策転換)。


日銀ピボットに期待したショートが踏まれる展開となり、FRBの動向次第となるのであれば、米2年債利回りにも再注目でしょうか。

米ドル/円&米2年債利回り 日足
米ドル/円&米2年債利回り 日足チャート

(出所:TradingView

対ニュージーランドドルで米ドル買い。米ドル/円はボラティリティが非常に高く、資金管理に注意が必要

明日、2月7日(火)には豪州の政策金利が発表されますね。

0.5%利上げが織り込まれており、サプライズは特にないでしょう。


米ドル買いがトレンドになるとしても、豪ドルに対しては中長期で強気のため、豪ドル/米ドルは売りたくはない


豪ドル/ニュージーランドドルが上がっていることもあり、ニュージーランドドル/米ドルを売っています。

ニュージーランドドル/米ドル 日足
ニュージーランドドル/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

原油市場では、ゴールドマン・サックスが「WTI原油は年内100ドルへ」との予想を発表したことが話題となりました。


IEA(国際エネルギー機関)も、石油需要が過去最高になるとの見通しを発表していますし、原油が買われる年になるかどうかが見どころですね。

今週の戦略としては、先週からメルマガでお伝えしているとおり、対ニュージーランドドルなどでの米ドル買いでいいでしょう。


ただ、米ドル/円はボラティリティが非常に高く、今朝のように窓をあけられてしまうと、ストップの置き場が難しい。少額ずつ買っていくなど、資金管理に注意が必要です。

【※関連コンテンツはこちら!】
西原宏一「トレード戦略指令!」

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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