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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

米ドル/円はボラティリティが高く、130円を挟んで上下
2、3円のレンジか。英ポンド/米ドルやユーロ/米ドルで、
このまま調整なく米ドル安が進むのか、見極める週

2023年01月23日(月)15:07公開 (2023年01月23日(月)15:07更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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日銀会合で上へ下への乱高下!

先週(1月16日~)の日銀会合(日銀金融政策決定会合)は、ボラティリティが高まりましたね。


発表直後に3円急騰してからの全戻しでした。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

海外勢を中心に、何らかの政策変更があるのではと期待が高まっていましたが、結果は現状維持。


ところが、共通担保資金供給オペの拡充を決めたことが「金融緩和の強化」と受け止められて急騰したものの、「YCC(イールドカーブコントロール)の修正・撤廃に動くのは時間の問題」と見た海外勢の戻り売りに押されて急落した、というところでしょうか。

政策変更を期待していた海外勢からの恨み節が、あちこちから聞こえてきます……。

サプライズ好きな黒田さんの性格を考えれば、市場の期待が高いときは動かないと予想できたのでしょうが、今回は前のめりになりすぎましたね。

日銀が動くのは4月以降か

先週のコラムでも話したとおり、次回の日銀会合は3月10日(金)。


本決算の直前に、為替や金利が急変することは避けたいでしょうから、政策変更や政府とのアコード(共同声明)見直しは、4月以降に先送りとなりそうですね。


とはいえ、共通担保オペは今日(1月23日)からです。その結果や効果も見極めたいですね。

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円を慎重に戻り売り。米国は利下げ、日本は利上げに向かうなら、下がらざるを得ない! アベノミクス高値125.86円を割り込み、120円以下を見込む海外勢も(1月16日、西原宏一&大橋ひろこ)

米ドル/円はチャート的に、いったん底をつけた可能性があることもたしか


僕の見ているTDシーケンシャルでも、日銀会合の1月18日(水)に底打ちのシグナルを出しています。

先週安値127.22円は昨年来高値・安値で引いたフィボナッチ・リトレースメントの50%とほぼ一致しています。止まるべきところで止まっています。


米ドル/円はいったん戻りを試す可能性もありますね。

米ドル/円 月足
米ドル/円 月足チャート

(出所:TradingView

「ブレトンウッズ3.0」で米ドル安が進む

今年(2023年)のトレンドが米ドル安であるとの見通しは変わりませんが、当面は米ドル/円よりも、ユーロや豪ドルなどのドルストレート(米ドルが絡んだ通貨ペア)が注目となりそうです。


先週のダボス会議では「米ドル以外の通貨での石油貿易決済、サウジはオープン」との記事が出ました。


中国人民元やユーロを想定した発言でしょうが、以前から話している「ブレトンウッズ3.0」への移行が連想され、米ドルは値を下げやすくなると想定しています。

ゴールドも代替手段のひとつですね。


決済通貨の再構築といった動きが強まると、ゴールドの価値が高まりやすくなります。

コモディティ高を為替で表現するなら、豪ドル高でもある。

IEA(国際エネルギー機関)は、今年の石油需要が過去最高を更新するとの予想を出しました。


中国のリオープニング(経済再開)によるところが大きいかと思われますが、景気減速の予想も多い一方で、原油需要が高まるということは、景気が悪くないということ。


悲観的になりすぎないほうがいいかもしれません。

「バッドニュース・イズ・グッドニュース」から「バッドニュース・イズ・バッドニュース」へ

株式市場でも、今年は米利上げが効いてきて、企業収益が悪化し株価は低迷するという予想が多かったのですが、中国のリオープニングが効いてきて、意外と落ちないという意見も出てきました。


ここまでの値動きは、そのとおりになってきています。

去年(2022年)までは、米経済指標が悪化すると、利上げ打ち止め期待が高まって「バッドニュース・イズ・グッドニュース」で株が買われました。


ところが、先週は素直に「バッドニュース・イズ・バッドニュース」で反応する場面がありました。


今週から米企業の決算発表が本格化し、1月24日(火)にマイクロソフト、1月25日(水)にテスラ、来週、2月2日(木)にはアップル、グーグルやアマゾンなど、金利上昇局面で売り込まれたテック企業の決算が発表されます。


金利上昇が影響し、決算期待値に届かずに売られる「逆業績相場」の様相となると厳しい。


中国リオープン期待と決算、どちらに軍配が上がるかに注目ですね。

米ドル安が調整なく進むか、見極めを

いずれにせよ、米ドル/円は2年前とは比べものにならないほど、ボラティリティが高まっています。


当面は、130円を挟んで上下2、3円ほどのレンジを見込んでいますが、値が飛びやすくスウィングトレードには向かないかもしれない。


デイトレードくらいに時間軸を下げたほうがやりやすそうです。

【※関連記事はこちら!】
今の米ドル/円は、短期トレードに徹したほうが良い! 株高や米ドル安はいったんピークアウト、豪ドルやNZドルは、下がったところで中期の買い場を探したい(1月19日、西原宏一)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

今週の戦略はどう考えますか?

英ポンド/米ドルは昨年9月以降、大きな調整もなく2000ポイントほど上げています。


ユーロ/米ドルも1000ポイントほど上げており、このまま調整なく米ドル安が進むのかどうか、見極める週でしょうか。

英ポンド/米ドル 日足
英ポンド/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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