S&P500、米ドル/円ともに200日移動平均線で反転
先週(2月27日~)は、株式市場が上昇し、リスクオン的なムードで終えました。
3月22日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)での、0.5%利上げの可能性も浮上していましたが、米アトランタ連銀のボスティック総裁が0.25%利上げを支持したことが原因でしょうか?
それもありますが、きっかけにすぎないのでしょう。
米金利は2月から一本調子で上げ続けて、ついに米10年債利回りや米30年債利回りも4%ヘ達しました。
年内利下げの織り込みもほぼ剥落し、そろそろ米金利は調整に入ってもいいのかなと思います。
(出所:TradingView)
チャート的にも、S&P500は200日移動平均線でしっかりサポートされました。
米ドル/円も同じく、200日移動平均線で頭を抑えられて反落しています。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
リスクオンの米ドル売り
2月の米ドル/円は、米金利の上昇とともに137円まで9円上昇しましたが、米金利が調整するなら、同じく調整入りなのでしょう。
短期では売りでもいいのかもしれませんが、米2年債利回りは2月に超えられなかった5%をいずれ抜けてくると見ています。
そのため、短期で売るよりは押し目を拾っていく目線です。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
以前は、株が上がってリスクオンだと、米ドル/円も上がりましたが、今は、米金利が低下するため、米ドル/円が下がるということですね。
今はリスクオンでの米ドル安ですね。
3月10日の日銀会合と米雇用統計。ポイントは?
今週(3月6日~)は3月7日(火)、3月8日(水)に、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が半期に一度の議会証言を行います。
基本的には、同じような発言を繰り返すだけでしょう。
市場の流れを変えるような材料ではなく、ノイズになるのではと思います。
3月7日(火)には豪州の政策金利も発表されますが、0.25%利上げがコンセンサス。ほぼ決まりです。
連続利上げを匂わせるコメントが出るかもしれませんが、ターミナルレート(利上げの最終着地点)を4.1%まで織り込んでいます。
むしろ、ハト派的な発言が出れば下がるかもしれません。
3月10日の金曜日には日銀会合(日銀金融政策決定会合)、そして米雇用統計ですね。
日銀はサプライズを警戒する声もあるものの、コンセンサスは現状維持です。
さすがに、サプライズ好きな黒田日銀総裁でも動かないでしょう。
先週は、ブルームバーグが「日銀はYCC(イールドカーブコントロール)修正の効果見極め、3月会合で現行緩和継続」と報じて、乱高下する場面がありました。
ヘッドラインリスクにも要注意ですね。
エコノミスト調査だと、6月会合での引き締め予想が増加しています。
少し先ですが、新年度からの円高には要注意ですね。
好調だった1月分の経済指標、下方修正のリスクも
米雇用統計ですが、1月分の数字は予想から大きく上ブレしました。
一部では「1月分の数字は季節調整がうまくいかず上ブレしただけ、下方修正のリスクも」との声も聞きます。
そうだとすると、米ドル/円の調整が意外と深くなる可能性もありますね。
米雇用統計、そして来週、3月14日(火)の米CPI(消費者物価指数)がポイントとなるかもしれません。
今年(2023年)の米ドル/円は、英ポンドのようというか、不安定ながらもボラティリティは大きい。
目先のプライスアクションに惑わされないよう、気をつけたいですね。
今週の戦略はどう考えますか?
米金利が調整局面であるなら、短期では米ドル/円の売りでもいいのですが、ゴールドも調整が終わり、反発しそうな雰囲気があるため、豪ドル/米ドルの押し目買いがいいのではないでしょうか。
(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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