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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

ユーロが月末に買われる傾向目立つ! 日銀会合、FOMC、
ECB理事会を控えて、無理にスイングトレードしなくても
いい。「0DTE」が「ボルマゲドン」を目覚めさせる!?

2023年04月24日(月)15:17公開 (2023年04月24日(月)15:17更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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月末の思わぬユーロ高に注意

昨日(4月23日)夕方、「日銀、デフレの四半世紀を検証へ」との記事が出ました


4月28日(金)に迫った日銀会合(日銀金融政策決定会合)で、金融緩和策の点検・検証を行う方向で調整している、との記事です。


ブルームバーグからも後追い報道が出ています。

先週(4月17日~)は反対に、「日銀、次回決定会合で金融政策現状維持の見通し=関係筋」との記事もロイターから出ていましたね。


日銀会合に向けて、こうした観測報道は続々出てくるのでしょうが、AIが反応して即座に動くし、反対方向のニュースが出たときに全戻し以上に戻すこともある。


短期トレードでないと、ついていけないですね。

今週(4月24日~)で4月も終わり。月末週ですね。

このところ月末2、3営業日前から、ユーロが買われる傾向が目立ちます


今回も、思わぬユーロ高には要注意でしょうか。

利上げ継続通貨が買われ、利上げ停止通貨が売られる

来週、5月3日(水)にはFOMC(米連邦公開市場委員会)、5月4日ECB(欧州中央銀行)理事会とイベントが続きますね。

来週のFOMCは、0.25%利上げして最後の利上げとなり、ECBは利上げ継続。0.25%ではなく0.5%利上げとの声も出ています。


FOMC以降、米ドル安が始まるのではとの見通しも出ており、GW(ゴールデンウィーク)中となりますが、この2日間には気をつけたいですね。


今年(2023年)は米ドル安がテーマでしたが、年初のレベルと比べると、対欧州通貨では米ドル安が進んでいる一方、円やオセアニア通貨に対しては米ドル高です。

中央銀行を見ると、利上げ継続スタンスがECB、BOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])


利上げを停止したのが、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])とBOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])です。


「利上げ継続の通貨が強く、停止した通貨が弱い」と整理できそうですね。


RBNZは、あと1回の利上げで停止する見通しなので、例外として。

そう整理するとわかりやすいですね。


米ドル/円はというと、130円から135円程度でのレンジが続いています。日銀がピボット(政策転換)しないと、方向感が出にくいのかもしれません。


ユーロ/米ドルについては、1.10ドルを達成して調整していましたが、再び上がってきました。


1.10ドルをはっきり上抜けば大きいかもしれませんが、そのためには米ドル安要因が必要なのでしょう。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

アルファベットやメタ、ハイテク系決算の発表が続く

今週のイベントでは、米PCEコアデフレータが4月28日(金)に発表されますし、米国株市場では、4月25日(火)マイクロソフト、アルファベット、4月26日(水)メタと、ハイテク系の決算発表が続きます


先週発表されたテスラの決算は失望され、10%近く株価を下げました。


今週も悪い決算が続くと、市場全体のムードが悪化するかもしれません。

テスラ 日足
テスラ 日足チャート

(出所:TradingView

先週は注目していた米銀の決算が出ましたが、JPモルガン、モルガン・スタンレーが好調だった一方、ゴールドマン・サックスは不調とまちまちでした。

「0DTE」が「ボルマゲドン」を目覚めさせる

米国株市場で話題となっているのが、VIX指数。昨年(2022年)1月の水準まで低下しいます。


米国では「0DTE(ゼロ・ディ・トゥ・エクスピレーション)」と呼ばれる、当日中に期限を迎える超短期のオプションが、個人投資家の間で流行しています。


この影響で、VIX指数の指標性が失われている、という可能性もありそうです。

VIX指数 日足
VIX指数 日足チャート

(出所:TradingView

ブルームバーグによると、3月のS&P500のオプション取引高のうち、「0DTE」が42%を占めたそうです。


かなり大きいですから、VIX指数への影響はあるでしょう。

2018年にVIX指数が突如急騰する「ボルマゲドン(※)」が起きましたが、その再来も懸念されています。

(※編集部注:「ボルマゲドン」とは、「ボラティリティ」と、隕石落下を題材にした映画「アルマゲドン」を組み合わせた造語)

【※関連記事はこちら!】
金融政策でコロナショックは収まらない!「ボルマゲドン」ならドル/円は100円も!?(2020年3月2日、西原宏一&大橋ひろこ)

今週の戦略としては、引き続き米ドル/スイスフランの戻り売りを考えていますが、4月28日(金)に日銀会合、来週にFOMC、ECB理事会を控えているため、無理にスイングトレードのポジションをとらなくてもいいでしょう。

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円の戻り売りは、5月3日のFOMC以降でいい。利上げしてもしなくても、5月3日以降は米ドル安へ。今週は米ドル/スイスフランを戻り売り! 米ドル安へ素直に反応(4月17日、西原宏一&大橋ひろこ)

米ドル/スイスフラン 日足
米ドル/スイスフラン 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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