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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

金融政策でコロナショックは収まらない!
「ボルマゲドン」ならドル/円は100円も!?

2020年03月02日(月)16:57公開 (2020年03月02日(月)16:57更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■「コロナショック」でFRBが50bpの緊急利下げも?

先週(2月24日~)のNYダウは過去最大の下落幅となり、米10年債利回りも過去最低を更新。ゴールドも高値から7%の急落となりました。「コロナショック」ですね。

【参考記事】
「セル・ジャパン!」と言いながら円売り。低ボラ脱却へ。米ドル/円は下値余地拡大か(2月27日、西原宏一)
「342兆円」VS「1855兆円」の行方は新型コロナウイルス次第。リーマンショック級の不景気も!? (2月27日、志摩力男)
新型肺炎は中国の問題から世界的な問題へ。米ドル/円は105円程度まで下落の可能性も(2月28日、今井雅人)
NYダウ暴落! 最悪の事態は織り込んだか。トイレットペーパー買い占めより安値を拾え!(2月28日、陳満咲杜)

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:Bloomberg)

米10年債利回り 日足
米10年債利回り 日足チャート

(出所:Bloomberg)

NY金先物 日足
NY金先物 日足チャート

(出所:Bloomberg)

VIX指数も50ポイント近くまで急騰しました。


イタリアで感染者が急増し、米国内でも感染者が出て、市場がおかしくなりましたね。

VIX指数 日足
VIX指数 日足チャート

(出所:Bloomberg)

中央銀行が動き出しています。


先週金曜日(2月28日)には、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が利下げを示唆する緊急声明を発表


3月の利下げ織り込み度は100%となっていますが、次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)は3月18日(水)と少し先です。

FOMCを待たずに緊急利下げを行ったり、25bp(0.25%)ではなく一気に50bp下げるのではといった見通しも出ています。


ただ、一気に50bp下げてしまうと、市場は「そんなに悪いのか」と受け取り、逆効果かもしれない。


緊急か50bpかはさておき、3月の利下げは決定的です。

■金融政策でコロナショックは収まらない

利下げの効果は、どう考えますか?

リーマンショックは、金融メカニズムが目づまりを起こしたことによるショックでした。


だからこそ金融政策が一定の効果を及ぼしましたが、今回の原因はウイルスの拡大。


利下げで株が買われることはあるでしょうが、一時的な反応にとどまるのではないでしょうか。


米ドル/円にも若干ポジティブかもしれませんが、株式市場が下落すれば再び下げると見ています。

今朝(3月2日朝)の米ドル/円は、下窓を開けて始まりました。

早朝には107.01円まで急落。一部では106円台での取引もあったようです。

米ドル/円 15分足
米ドル/円 15分足チャート

(出所:Bloomberg)

ところが、お昼には108円台を回復しましたね。


きっかけとなったのは黒田日銀総裁が出した緊急談話。5000億円の国債を買い入れる特別なオペを4年ぶりに実施するそうです。

米ドル/円 15分足
米ドル/円 15分足チャート

週末のパウエルFRB議長に呼応した形で、次はECB(欧州中央銀行)が何らかの対応を発表するのでしょう。


明日(3月3日)はRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])が政策金利を発表する予定ですが、利下げが濃厚。


世界が緩和方向へ動いていますが、FRBは政策金利が1.75%と利下げ余地があるのに対して、ECBや日銀が打てる手は限られます

■「キャリーの巻き戻し」で買い戻された円やユーロ

金融政策の効果は米ドルのほうが大きい、ということですね。

それに加え、これまで円やユーロは金利差を手がかりにしたキャリートレードによる売りが出ていました。


リスクオフとは、既存ポジションの逆流。


これまでキャリーで売られていた円やユーロは買い戻されやすくなっています

世界の通貨VS円 4時間足
世界の通貨VS円 4時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足

ユーロVS世界の通貨 4時間足
ユーロVS世界の通貨 4時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 4時間足

キャリー通貨だった弊害が出てくるわけですね。


3月3日(火)には14州で一斉に米大統領予備選が開催される「スーパーチューズデー」が控えています。どう見ますか?

サンダースなのか、昨日(3月1日)のサウスカロライナで勝利したバイデンなのか、スーパーチューズデーから参戦するブルームバーグなのか――。


混戦模様ですが、スーパーチューズデーで大きな流れは見えてくるのでしょう。


左派のサンダースが優勢なら、株式市場にポジティブではありません

WTI原油先物は先週(2月24日~)43ドル台まで急落しましたが、OPEC(石油輸出国機構)総会が3月5日(木)、3月6日(金)に開催されます。


事前に報じられているのは、日量60万バレルの減産。注目は60万バレルを超えるような減産で合意できるか、ですね。


50ドル割れが常態化するようだと、株式市場にはネガティブです。

WTI原油先物 日足
WTI原油先物 日足チャート

(出所:Bloomberg)

ゴールドの下げはどう見ますか?

CFTC(米商品先物取引委員会)が発表する取り組みを見ていると、買いポジションが過去最高水準でずっと高止まりしていました。その利食い売り、換金売りが出たのでしょう。

■「ボルマゲドン」となれば米ドル/円は100円もあり得る

この2、3年、米ドルや円、ユーロはボラティリティの小さな相場が続いていました。


低ボラを見込んだポジションが巻き戻されると、ボラティリティが急拡大する可能性もあります。


ボラティリティが、突然急騰する「ボルマゲドン」(※)には注意ですね。


米ドル/円は105円をターゲットに見ていますが、「ボルマゲドン」となれば、一気に100円をめざす展開もありえます。

(※編集部注:「ボルマゲドン」は「ボラティリティ」と隕石落下を題材にした映画「アルマゲドン」を組み合わせた造語)

【参考記事】
「セル・ジャパン!」と言いながら円売り。低ボラ脱却へ。米ドル/円は下値余地拡大か(2月27日、西原宏一)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

今週の戦略はどう考えますか?

米ドル/円の戻り売りでいいでしょう。


各国の政策対応もあり、戻す場面もあるでしょうが、そこは売っていきたいと思います。


また、米ドル/円だけでなく、ユーロ/米ドルでの押し目買いもいいでしょうね。

(構成/ミドルマン・高城泰)

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