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 CPIは本体とコア部分がともにプラス0.4％となり、市場予想の範囲内に収まった。これで安心感を得たマーケットはドル金利の低下と株高に傾いた。次回の６月FOMCでの利上げは見送られる、もしくは利上げサイクルの停止だという観測の強まりである。

 しかし事実上は物価が上がってしまって、そのまま高値は利付きの状態に変わりはない。依然としてビッグマックは1000円を超える水準なのだ。インフレ率の伸びが鈍化したといっても、ペースが急激でなくなっただけで、従来の上昇速度よりも速い。

 そのうえ年内利下げの織り込みもそのままで、年末までに75ベーシスから100ベーシスの金利低下を見込んでいる。様々なファンダメンタルズ要因を勘案しても、年内に間に合うように利下げを催促する根拠に乏しいままだ。

 ドル円は指標発表で大きく下落した。135円台から1円幅ほどの急落を演じた。ドルの要因ということもあって、ユーロドルも急騰している。そしてドル相場は安値引けに近い格好で終わったが、今日になって再びドル円の安値攻め。ついに133円台に突入した。しかし下がってきたといっても、このレベルはまだ最近の変動範囲内なので、格別な触手はわかない。

 今晩はPPIである。これもインフレ上昇率の鈍化ということで同じような相場展開になりそうだ。これからはインフレ指標の改善を待つよりも、利下げに転じるための根拠探しに躍起になる状態になりそうだ。年内といっても残り半年とちょっと。それを裏付けられないと、ドルの短期金利の急騰がマーケットを騒がすことになりそうだ。年内利下げの見通しの修正は、主に短期債、例えば２年債の利回りなどに強烈に反映されることになる。

日本時間 15時00分

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