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志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」

米ドル/円は重要なレジスタンスライン突破、1米ドル=
150円の再挑戦が見えてきた! 円買い介入のタイミング
はまだ先、150円を超えてこなければ説得力を持たない

2023年06月23日(金)13:48公開 (2023年06月23日(金)13:48更新)
志摩力男

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週刊!志摩力男


主要各国の金融政策イベント通過。利上げしたユーロが買われる

 先週(6月12日~)はFOMC(米連邦公開市場委員会)、ECB(欧州中央銀行)理事会、日銀金融政策決定会合と重要な金融政策を決める会合がありました。

 ECBは政策金利を0.25%引き上げました。FOMCでは金融政策は据え置かれましたが、今年(2023年)あと2回利上げがあることが示唆されました。日銀金融政策決定会合では、政策変更はまだまだ先のこととされました。

 結果的に、利上げしたユーロが買われ、政策変更なさそうな円が売られ、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)上昇という結果となり、ユーロ/円は155円水準、英ポンド/円は182円水準と、最近目にすることのなかった高値まで買い進められました。

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足

(出所:TradingView

英ポンド/円 日足
英ポンド/円 日足

(出所:TradingView

 そして今週(6月19日~)、22日(木)にSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])、ノルウェー中銀、BOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])、トルコ中銀、メキシコ中銀と5つの中央銀行の金融政策発表が重なりました。

 SNBの0.25%利上げは、市場予測に及ばず(市場は0.4%程度の利上げを予想していた)、スイスフランは売られました。ノルウェー中銀では、市場予想を大幅に上回る0.50%利上げに踏み切りました。ノルウェーの通貨クローネは購買力平価で見ると、かなり割安なので、買ってみるのも面白いかもしれません。

 BOEは0.50%の利上げ。6月21日(水)に発表された英国の5月CPIの数字が対前年比で8.7%上昇、コアは7.1%上昇と予想を大きく上回ったので、今回、0.50%の利上げはやむを得ないでしょう。次の会合(8月3日)でも0.50%利上げが予想されています。

 金利上昇を評価して英ポンドを買うべきか、それとも、インフレを制御できず実質金利が大きくマイナスである点を考慮して英ポンドを売るべきか、悩ましいところ。

経済学の常識から言えば、売りですが、高金利を評価した大衆の買いに担がれてしまっています。そこは考慮すべきでしょう。マーケットでは、常に勝つ方が主役です。

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頑なに利上げを拒む日銀。米ドル/円は142.25-50円の重要レジスタンスラインを突破

 こうして次々と多くの中央銀行がインフレ対応のため利上げに踏み切っている中、頑なに利上げを拒む中央銀行があります。日銀です。

 6月23日(金)に発表された、日本の5月コアコアCPIですが、対前年比で4.3%上昇でした。インフレターゲットである2%を大きく上回っていますが、持続的に2%を超えるCPIになるとは思えないということで、政策変更はまだかなり先になりそうです。

 一方、米国の方は、インフレがしばらく収まりそうにはありません。高金利が続くでしょう。

 こうなると多少、日本サイドがYCC(イールドカーブ・コントロール)を変更するなどの工夫をするかもしれませんが、その程度のことで、厳然とある5%以上の金利差を埋める商品が出てくるとは思えません。金利差が5%もあれば、自然と資金が流れます。

 ただ、重要なレジスタンスラインには警戒しました。昨年(2022年)の米ドル/円相場は151.94円が高値、そこからの調整の安値は127.22円ですが、フィボナッチリトレースメントの61.8%を取ると142.50円となります。

 そして、昨年(2022年)11月10日に発表された米CPIの数字が予想を下回り、米ドル/円は急落しましたが、その時の急落後の戻り高値が、11月11日が142.48円、11月21日が142.25円でした。

この142.25-142.50円が重要な節目で、その手前で何度も頭を抑えられたのですが、6月22日(木)、重要な中銀の政策発表が重なる中、米ドル/円は突破しました。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 エリオットウェーブ(波動)が好きなテクニカルアナリストは、151.94円でいったん天井、目先は61.8%戻しの142.50円が上値を抑え、115.00-142.50円程度のもみ合い局面に入ると考えている人が(おそらく)多いでしょう。しかし、142.50円を突破したことで、そのシナリオにこだわらなくてもよくなりました。

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政府・日銀の介入は米ドル/円が150円を超えないと説得力を持たない

 今後は、政府・日銀による介入との戦いになりそうですが、介入は150円を超えてこなければ、説得力を持たないでしょう。

 日本が米為替報告書の「監視リスト」から外れたからといって、介入をいくらでもやって良いということではありません。昨年(2022年)は大規模介入を3回行いましたが、ロングが溜まって、今にも吐き出しそうなところで介入するのが効果的です。

現状、まだ昨年(2022年)ほど大量の米ドル/円ロングが隠れているとも思えません。介入のタイミングはまだ先ということになるでしょう。

 米ドル/円は150円前後まで、意外にスイスイと行ってしまうかもしれません。150円がついに見えてきました。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView


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