FOMCのドットチャートでは、年内あと2回の利上げ見通しが公表され、サプライズとなって米ドル高に
先週(6月12日~)は、米欧日の金融政策が発表されました。
6月14日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、市場の予想どおりの据え置きでしたが、ドットチャートでは、年内あと2回の利上げ見通しが公表されました。
(出所:FRB(米連邦準備制度理事会))
前回までは、あと1回の利上げ見通しだったこともあり、これはサプライズとなって米ドルは上昇しました。
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日銀は緩和策継続、他の主要国はさらなる利上げで、金利差がさらに開くことから、円の独歩安に
6月6日(火)のRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])理事会や、6月7日(水)のBOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])のときもサプライズとなり、各国でインフレが根強く、さらなる利上げ観測が出ていることになります。
6月15日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会では0.25%の利上げ、そして今後もまだ利上げが続くことが示され、こちらは市場予想どおりでしたが、ただ、タカ派な見解が続いています。
それに対して、6月16日(金)の日銀会合(日銀金融政策決定会合)では、現状維持となることが発表されました。
植田総裁の発言内容も、目立った内容はなかったものの、ハト派な内容が多かったように思います。
日銀は緩和策継続、他の主要国はさらなる利上げということで、金利差がさらに開くことから、円の独歩安となっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
パウエル議長の議会証言はタカ派な発言になりやすく、米ドル高になりやすいイベント
今週(6月19日~)のイベントは、水曜日(6月21日)と木曜日(6月22日)にパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言があります。
先週のFOMCで、あと2回の利上げ見通しとなったことから、タカ派な発言になりやすいと思います。
為替市場では、米ドル高になりやすいイベントだと思います。
米長期金利(米10年債利回り)のチャートも、3月から5月中旬にかけてのもみ合いの上限がサポートとなっていることから、まだ上昇しやすい形で、米ドル/円もそれに連れて、上昇する可能性があるように思います。
(出所:TradingView)
そして、木曜日(6月22日)は英国やスイスやトルコの金融政策の発表もあります。
主要国はインフレがまだ高いままになるため、ハト派な内容よりもタカ派な内容が出てきやすいと思います。
そのため、イベントでのトレードでは、その国の通貨を買う方がリターンを見込めるのではないかと思います。
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米ドル/円は押し目買いだが、上がったところでは介入警戒感もあるため、しっかり手仕舞いするべき
米ドル/円は、先月(5月)高値140.92円も超えてきました。
金融政策面から米ドル円は買い方向がいいと思いますが、ただ、高いところで買うのはリスクが高いと思います。
IMM(国際通貨先物市場)ポジションが、昨年(2022年)152円のときの水準まで偏っていること、実弾介入が145円台であったことなど、高いところでは急落リスクもある状況です。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は、IMMポジションが円売りに偏り、上昇トレンド継続が困難に。138~141円のレンジを上抜けても、142円台にレジスタンスがあり、売りが出てきやすい(6月13日、バカラ村)
そのため、押し目買いがいいように思います。
サポートになりやすいのは、先月の高値140.92円だと思うため、基本的にはそれを目処に押し目買いで考えたいと思います。
(出所:TradingView)
ただし、140円を下回る終値となれば、日銀会合での内容を否定したことにもなるため、そのときは状況が変わっていると思います。
押し目なく上昇していくようであれば、円のボラティリティが高まっていることにもなるので、そのときは実弾介入も警戒した方がいいと思います。
今週の米ドル/円は押し目買いで、ただ、上がったところでは介入警戒感もあるため、しっかり手仕舞いするべきだと思います。
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