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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

米ドル/円が145円に近づいたとき介入すると予測したが、
いよいよ近づいてきた! マーケットに馬鹿にされないため
にも、どこかで介入すると警戒。円売りには逆指値が必須

2023年06月29日(木)10:50公開 (2023年06月29日(木)10:50更新)
今井雅人

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円安の流れは止まらず、メキシコペソ/円は8.5円が視野に入り、米ドル/円は144円台まで上昇してきた

 一時よりはペースは緩やかになっているものの、相変わらず円安の流れが止まりません

 日本の個人投資家に人気の高いメキシコペソ円も、いよいよ8.5円が視野に入ってきました。

メキシコペソ/円 日足
メキシコペソ/円 日足チャート

(出所:TradingView

 円安の背景はこれまで説明してきたとおりで、その状況にまったく変化がないため、円安傾向が続いているという単純な構造です。

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 米国では、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が「年内にあと2回利上げをするという見方は妥当である」という趣旨の発言をしており、その発言の影響で、米ドル/円も144円台にまで上昇してきています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

円安の流れに歯止めをかけられるのは、日本しかいない。日銀は当面、現在の金融緩和政策を維持する見込み

 この状況では、円安の流れに歯止めをかけられるのは、日本しかありません

 では、その日本の通貨当局の現在のスタンスはどうかを見ていきます。

 まず日銀ですが、こちらはこれまでのスタンスを変える様子がありません。

 植田日銀総裁は昨日のECB(欧州中央銀行)主催のフォーラムの場で、「今のところは基調的なインフレが2%を下回っている」とした上で、「日銀の想定では年末にかけてインフレの伸びは鈍化する見通し」という見方を示しています。

 そして、「基調的なインフレが2%を超えてくれば、金融政策を変更する合理性が出てくる」と発言しています。

 この発言からもわかるように、日銀は当面、現在の金融緩和政策を維持する見込みです。

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日本政府は、いつでも円買い介入をする準備が出来ているとマーケットにメッセージを出している

 次に、日本政府です。

 今週(6月26日~)、鈴木財務大臣、松野官房長官、神田財務官らが、最近の円安について発言をしていますが、以下のように、全員判を押したように同じ内容となっています。

 「最近の円安は急速で一方的である。高い緊張感をもって注視するとともに、行き過ぎた動きには適切に対応していく」

 「水準ではなく、過度な変動があった場合に経済の主体が対応できなくなり、迷惑になる。投機的な動きで経済活動が邪魔されることはよくない」

 この発言を少し解説します。

 G7(先進7カ国)各国間のコンセンサスとして、特定の水準で為替介入をすることはNGであるが、スピードが速かったり、動きが一方的であるときは、その動きを修正するために為替介入は許されるということがあります。いわゆるスムージングオペレーションと呼ばれるものです。

 現在の日本政府関係者の発言は、今の動きは為替介入をしても許される、ということをわざわざ言っているということで、我々はいつでも円買い介入をする準備が出来ているとマーケットにメッセージを出しているのです。

 こうした発言の効果が多少出ているのか、円安のスピードはかなり緩やかになっていますが、それでも流れを変えることはできていません

マーケットに馬鹿にされないためにも、どこかで介入すると警戒。介入のタイミングとして予測してきた米ドル/円の145円に近づいてきた

 では、「実際に円買い介入はあるのか?」これが一番の注目ですが、昨年(2022年)よりマーケットや世の中が円安に慣れてしまっているので、緊迫感がそれほど高まっておらず、正直やりづらい環境にあります。

 しかし、これだけ警報を鳴らしておいて何もしないでいると、それこそ、マーケットに馬鹿にされてしまいますので、どこかで介入をしてくるのではないかと私は警戒しています。

介入のタイミングとして、米ドル/円が145円に近づいたときと予測してきましたが、いよいよその水準が近づいてきました。

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米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 介入の有無を予測するのは、非常に困難ですが、十分な警戒が必要だと個人的には考えています。

 繰り返しになりますが、基調は円安方向ですので、米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)円売りポジションを取りたいところですが、その場合は近めにストップロス注文を入れておくことを忘れないでください。

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