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志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」

【見通し修正】米ドル/円は調整局面を迎えると予想。
米金利が上昇したのに、米ドル/円が反応せず下落
しているのはなぜ?

2023年07月07日(金)13:19公開 (2023年07月07日(金)13:19更新)
志摩力男

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週刊!志摩力男


米金利が上昇しているのに、米ドル/円は下落。これはいったん調整する前兆なのか?

 2023年7月6日(木)、米雇用統計との連動性がほとんどなく、市場関係者から無視され始めていたADP雇用統計、これが49.7万人の増加(予想:22.8万人の増加)と驚愕の数字となりました。

 これをきっかけに、米2年債利回りは5.00%をついに突破し、米10年債利回りも念願の4.00%超えとなりました。

米2年債利回り 日足
米2年債利回り 日足

(出所:TradingView

米10年債利回り 日足
米10年債利回り 日足

(出所:TradingView

 ところが、米金利の上昇に米ドル/円がついていきません。6月30日(金)の段階で、米10年債利回りは3.75%前後、米ドル/円は144.40円前後でしたが、7月7日(金)の本稿執筆時点では、米10年債利回りは4.05%前後、米ドル/円は143.95円となっています。米10年債利回りが0.3%前後上昇したにも関わらず、米ドル/円は40銭あまりの円高に振れています。

 米国の長期金利が0.3%も上昇しているのに、米ドル/円がむしろ下がるとはどういうことなのか。

(1)神田マジックによる介入警戒が強すぎて、金利上昇に為替市場が反応できなくなっている。
(2)金利上昇が米国株の下落を招き、リスクオフからの円高相場を見越している。

 考えられるのは、この2つかなと思います。

 6月8日(木)に公開した当コラムで、イールドカーブが逆転しているので、いずれ米国経済はリセッション(景気後退)を迎える予想が多いのに、待てど暮らせど、リセッションにならないのはどうしてなのか? それは、米国の長期金利が低すぎるからではないだろうか?と書きました。

【※関連記事はこちら!】
なぜ、米国のリセッションは待てど暮らせどやって来ないのか? 米国の政策金利は、今よりもっと高くなってもおかしくない!? そのとき、米ドル/円はどうなる?(6月8日、志摩力男)

 インフレを沈静化させるため、いずれ米国はFF金利(米国の政策金利)を引き上げ、長期金利を上昇させなければならない、そのとき米ドル/円はさらに上昇するだろうと予想していました。

 しかし、米長期金利の上昇は実現しましたが、米ドル/円は上がらない。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 強い経済指標が出ても、米金利が上昇しても米ドルが上昇しないのであれば、何が起これば米ドルは上昇するのか? もしかすると、いったん調整を迎える前兆ではないか? 

 今年(2023年)は、途中、米地銀破綻から調整局面もありましたが、基本的には年初が底で(127.22円)、ずっと上げています。日柄的にも、調整が必要なタイミングに来ているのかもしれません。

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AIブームを受けて、米国株は割高水準まで急騰。SVB破綻時が絶好の好機だった

 ところで米国株ですが、AI(人工知能)ブームを受けてかなり割高な水準まで買われています。年初、ナスダック総合指数は1万1000ポイントぐらいで取引されていましたが、そこから目覚ましく上昇しました。

ナスダック総合指数 日足
ナスダック総合指数 日足

(出所:TradingView

改めてチャートを見ると、SVB(シリコンバレー銀行)が破綻に追い込まれたときに金利が急低下し、それが絶好の好機を提供したようにも見えます。

 SVB破綻等、金融危機がウワサされたとき、私はもしかすると意図的に引き起こされた事件ではないかと思いました。SNS等で、あの銀行が危ないとウワサされ、預金流出が引き起こされ、銀行が破綻しましたが、昔と違い、誰もが簡単にアプリ経由で資金移動を行うことができます。

 SNSでの預金流出を煽ったとされる、米国の起業家で投資家のピーター・ティール氏は、自分自身も5000万ドル預金したままで困っていると言っていましたが、彼にとって5000万ドルは大したお金ではありません。

 それよりも、銀行を破綻させれば、連鎖を避けるため金融当局は金融緩和を続けなければならない。そうなると、株式市場は上昇し、スタートアップ企業も息を吹き返します。その結果として、米株式市場は大復活し、年初来40%ほどの上昇となっています。

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今後はリスクオフマーケットが待っている。米ドル/円は調整局面を迎えるか

 しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、ここからインフレ抑制のため、さらに金利を上昇させることになります。

 ここからの金利上昇は、経済に及ぼす影響も大きいでしょう。株価は下落します。すなわち、リスクオフマーケットが待っていることになります。

 これまで日米金利差には埋めがたいものがあるので、米ドル/円の上昇は続くと言ってきましたが、これを少し修正します。

目先は、リスクオフ相場になるので、米ドル/円は調整局面を迎える、そのように見えてきました。下値の目標ですが、138円から135円前後が良いところかなと思います。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView


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