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 先週の雇用統計を通過してからまだ１週間も経っていないのに、ドル円は140円台を割り込んできた。先週までは145円台に乗せていたことを考えると、すでに５円以上も下落していることになる。それまではドル円の上げ相場だったのに、何か完全に流れが変わったようである。

 そもそも130円を挟んで推移していたドル円相場が上っ放れの段階に入ったのは、４月の植田新総裁が就任してからである。学者出身の新総裁が金融政策の正常化に向けて何かをするのではないかと期待されていたのだが、何もしなかった。それが海外との金利差は当面は縮まらないとしてのドル円の買いだった。15円幅も上がったのである。

 しかし先日のECBのフォーラムでも大規模な金融緩和を主張している植田総裁は情けなくも見えた。世界で何が起こっているのかに目を向けていないように見えるからだ。底に加えてここ最近のイギリス、カナダ、オーストラリアなどの再引き締め開始である。

 もう物価高に対して無策でいることはできなくなったのか、週末の新聞に副総裁が金融政策の一部修正について言及している。ガス抜きの積もりで投稿したのだろうが、これによって再び円金利先高感が沸いてきたのである。

 ドル円は145円台から140円割れまで下落。そしてまだ足りない模様である。まだ次の日銀会合まで間があるだけに様々な憶測を呼ぶことになりそうだ。ともかくも今晩は中毛されている米CPIが出る。これに向けてドル安が大いに進んできただけに、どういう反応になるのか要ウォッチ。

日本時間 15時00分

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