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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

日銀会合が「現状維持」と思い込むのは禁物! 観測記事で
YCC修正期待は収束したが、逆になにかやる可能性も。事
前に予測せず、結果を見てから判断しても十分間に合う!

2023年07月24日(月)15:30公開 (2023年07月24日(月)15:30更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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日銀観測記事で円安へ

今週(7月24日~)は、中銀ウィークですね。


7月26日(水)深夜にFOMC(米連邦公開市場委員会)、7月27日(木)にECB(欧州中央銀行)理事会、7月28日(金)に日銀会合(日銀金融政策決定会合)と続きます。

先週金曜日(7月21日)には、ブルームバーグから観測記事が出ました。


「日銀は現時点でYCC副作用に対応の緊急性乏しいと認識-関係者」とのタイトルです。


これを受けて、YCC修正期待で売られていた、日本国債のショートカバーが始まったのか、YCC(イールドカーブコントロール)上限の0.5%に接近していた10年債利回りは急落し、米ドル/円は上昇しました。

日本10年債利回り 4時間足
日本10年債利回り 4時間足チャート

(出所:TradingView

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

ヘッドラインで為替が動いたので、金利がついていかざるを得なかった、という側面もあると思います。

このところ日銀会合前には、こうした観測記事で動くのがパターン化してきましたね。

日銀「現状維持」の思い込みは禁物

ブルームバーグの記事で、YCC修正期待は収束していますが、今回の会合で、YCCの修正・解除が絶対にないかというと、そうではないと思います。

YCCを解除するには、いい環境ではあるんですよね。


米金利が上がっているなかで解除すると、日本の金利も急騰してしまうリスクがありますが、今は幸い落ち着いていますから。

黒田さんのようにサプライズ的にやりたいのであれば、今のように「今回は据え置きだろう」という雰囲気だと、逆になにかやる可能性も出てくるのかと思います。

日銀発表と同じ日の朝には、東京都区部のCPI(消費者物価指数)も発表されます。日本全体のCPIの、先行指標的な役割もある経済指標です。


6月は前月比+3.2%でしたが、7月分は+2.9%と低下する予想。


インフレがピークアウトしているなら、今回どころか来年(2024年)まで動かない可能性もあります。


持続的な賃金上昇を確認するなら、やはり来年ということにもなります。


今回YCCを修正するのか、しないのか、どちらの可能性もありそうですね。

このところ、日銀会合でのボラティリティが高まっています。


事前に予測してポジションを取らず、流れが決まったあとにエントリーしても、2波、3波目には十分間に合います


先入観を持ってエントリーして、逆にいってしまうと動きにくくもなりますから、ポジションを持たずに日銀を迎え、結果を見てから判断してもいいのではないでしょうか。

米インフレは収まったのか

1米ドル=145円から137円までの下落は、半分がYCC修正期待、もう半分が米金利低下によるものだったと思います。


ブルームバーグの記事で修正期待が剥落して、半分が取り戻された、という印象でしょうか。


下落に対する半値が141円付近なので、オーバーシュートはしていますが。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

残るのは米金利ですが、今回のFOMCは0.25%利上げが確定的です。


あと1回の利上げがあるかどうか、そして利下げがいつから始まるのか、が焦点ですね。

米インフレは収まったような雰囲気ですが、目標とする2%には達していませんし、ボルカー時代のようにしつこく続く可能性もありますよね。

利上げは今回、ないしはあと1回で終わるにせよ、利下げの開始時期が来春から夏へと遠のいていき、金利が高止まりする可能性は十分にありますね。

ECB理事会はハト派となるリスクも

ECB理事会も、今回は0.25%利上げの見通しですね。

金利先物市場の織り込みを見ると、1.8回の利上げ。つまり、今回に加えて、9月か10月にあと1回の利上げを織り込んでいます。

ただ、要人発言のトーンには変化を感じますね。


特に、ドイツ連銀総裁のナーゲルさんは「あと数回の利上げが必要」としていたのが、先週には「一段の利上げ決定はデータ次第」とトーンを弱めています。


記者会見や声明文は、意外とハト派に寄るのかもしれません。


IMM(国際通貨先物市場)ポジションでは、ユーロの買い越しが高水準に積み上がっていますから、買いポジションの解消が始まって、ユーロ安に向かうリスクも考慮しておきたいですね。

IMMのポジション状況(ユーロ/米ドル)
IMMのポジション状況(ユーロ/米ドル)

(詳しくはこちら → IMM通貨先物ポジション/経済指標・政策金利

金曜日のクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)を見ても、スイスフラン/円は高値をはっきり更新したのに対して、ユーロ/円は6月高値の158.00円を5銭抜けただけで跳ね返されました。


短期的なレンジを上抜けたユーロ/米ドルですが、そう大きくは上がれないのかもしれません。

スイスフラン/円 日足
スイスフラン/円 日足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

スイングポジションは、日銀会合を待ってから判断を

今週の戦略はどう考えますか?

中期的にクロス円を買っていく戦略は変えていませんが、今週(7月24日~)は日銀会合で大きく動く可能性があります。


FOMC、ECB理事会と続きますが、大きなポジションを取るかどうかは、最後の日銀会合を待ってから判断したいと思います。

(構成/ミドルマン・高城泰)

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