植田日銀総裁「サプライズはやむを得ない」
日銀会合(日銀金融政策決定会合)では、一部でYCC(イールドカーブ・コントロール)の修正について言及するのではとの思惑もありましたが、植田総裁はまったくスタンスを変えませんでしたね。
気になったのは、植田総裁の「ある程度のサプライズはやむを得ない」との発言。
今後、物価や賃金の上昇が目立つようだと、日銀会合前に投機的な仕掛けが入る可能性が高まったのではないでしょうか。
ただ、「サプライズはやむを得ない」と予告したからには、今後YCCを修正しても、サプライズにはならないということでもありますよね。
これまでは、市場との対話を重視するトーンだったので、少し変わったかなという印象です。
「金融緩和が続く」という安心感に、浸っていられないと受け止めた人は多そうです。
日本株、米国株次第では調整も
今のフォーカスは日本株。今日(6月12日)も強いですね。
東証プライムの売買代金も、連日の4兆円超え。活況の目安とされる、3兆円を大きく上回る日が続いています。
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ただ、米国株市場は先週(6月12日~)、メジャーSQにあたる「クアドラプル・ウィッチング」を通過しました。
米国株市場が落ち着けば、日本株の上昇も一服する可能性がありそうです。
下がってもせいぜい3万2000円とか、その程度だとは思いますが。
1日1000円くらいの下落はあってもおかしくないですね。
今日は、循環物色の手が伸びているのか、マザーズが強いですし、今年(2023年)はゴールドが上がるかと思いきや、日本株の年になりそうです。
(出所:TradingView)
円建てゴールドは史上最高値を更新
先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、あと2回の利上げが示唆されましたから、ゴールドは上がりにくいですよね。
むしろ、米金利が上がる中でよく踏ん張っている、という印象です。米国が利下げに転じれば、上がってくるのではないでしょうか。
それに、円建てのゴールドは今日、史上最高値を更新しています。
(出所:TradingView)
円安の影響ですね。
先月(5月)末、米ドル/円が141円目前で3者会合が開かれ、もう少し調整するかと思ったのですが、今日はもう142円目前。
142円から上はそう簡単には行かないと思います。142円を超えても20、30銭ほど上がって下げてくるイメージ。
かといって、売る気はまったくせず、落ちたところは拾っていきたい。
ただ、対円では米ドル高ですが、その他の主要通貨に対しては米ドル安です。
(出所:TradingView)
豪ドル/円の押し目買い継続! トルコ中銀、40%への利上げ予想も
ドルインデックスも下がっていますね。
そのため、ユーロ/円や英ポンド/円、豪ドル/円などクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の上昇が目立ちます。
米金利は上がっていますが、世界の金利が一斉に上がっていますし、特に注目されるのが今週(6月19日~)、政策金利を発表する英国。年内あと4回の利上げが織り込まれています。
インフレですから、上げざるを得ないのでしょう。
スイスも今週、政策金利が発表されます。0.25%の利上げがコンセンサスですが、0.5%の可能性もあります。
トルコ中銀も、6月22日(木)に政策金利を発表します。
8.5%から25%へ、あるいは40%へという猛烈な利上げの予想が出ています。
今週の戦略はどう考えますか?
今週も引き続き、豪ドル/円の買いでいいでしょう。
ユーロ/円でもいいと思いますが、日本株が強いですから、リスクアセットの豪ドルがいいと思います。
下がっても買い増せる余力を残しながら、押し目買いですね。
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(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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