プーチンの威信失墜。市場の焦点は「戦後」へ
週末、ロシアで民間軍事会社「ワグネル」が武装反乱を起こしました。
大変なことになったと思ったのですが、意外とあっさり収束しましたね。
プーチン大統領の威信は失墜しましたし、ワグネル抜きで戦うとなると、形成はウクライナに傾きそうですね。
そろそろ、「ウクライナ戦争が終わったら、株やゴールドはどうなるのか」と、「戦後」のシナリオを描くストラテジストが増えてきそうです。
そうですね。
ただ、シナリオは戦争の終わり方によっても変わるでしょうし、まだコンセンサスといえるものは醸成されていません。
今はまだ予断を持たず、慎重に見る時期ですね。
コンセンサスが固まってくると、今度は実際に戦争が終わったときには、セル・ザ・ファクトのようなことも起こる。
焦らなくてもいいでしょう。
月末、四半期末を控え、株式市場ではリバランス売り・ETF換金売りか
今週(6月26日~)は月末、四半期末です。
先週金曜日(6月23日)には、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)から利益確定売りが出たのでは、とウワサが出ていました。
GPIFが実際に動いたかどうかはともかく、年金基金のリバランス売りは出てくるのでしょう。
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毎年この時期になると出てくる、ETF(上場投資信託)の換金売りも話題です。
7月7日(金)、10日(月)で、1兆1000億円の換金売りが出るのでは、との試算がブルームバーグに出ていました。
7月を前に、先回りして利益確定しようと考える投資家もいるでしょうね。
そうしたこともあり、今週は下落を見込む人が目立ちます。
ただ、下がったところは拾いたいと考えている投資家も多いため、大きく崩れることもないのではと思います。
今朝も、落ちたところはすかさず買いが入っていますね。
(出所:TradingView)
神田財務官から牽制円安発言。買われる通貨は移ろいながらも、円売りは続きそう
為替市場では、メルマガでも配信したとおり、今朝になり神田財務官から、円安牽制発言が出ています。
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クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)もだいぶ上昇しましたし、ここから上をさらに買っていいのかどうか――どう考えますか?
クロス円の上昇を引っ張ってきたスイスフラン/円は、160円に達しました。いいところまで上がったなと思います。
一方で、豪ドル/円は利上げ織り込みが低下したこともあり、利食い売りが出ています。
株でいう循環物色のように、買われる通貨は移ろいながらも、円売りは続くのだろうと思います。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
英中銀は先週(6月19日~)、0.5%の利上げを発表しました。0.25%との声も強かっただけに、サプライズですね。
ただ、先週発表された英PMI速報値は予想を下回り、インフレもなかなか収まりません。スタグフレーションめいてきました。
利上げは続く見通しなのですが、スタグフレーション懸念もあり、英ポンドに対する見方は、買いと売りで割れていますね。
米インフレはここからが正念場。4%程度まで落ちてきたが、ここから2%へ落とすのが難しい
米国のインフレはいかがですか?
4%程度まで落ちてきましたが、ここから2%へ落とすのが難しい。
もちろん、利上げすればいいわけですが、上げ過ぎれば景気や株価を潰してしまう。
インフレがここから下げ渋るようなら、利下げは遠のきます。
インフレ指標として、FRB(米連邦準備制度理事会)がもっとも重視する、PCEデフレータが6月30日(金)に発表されます。
インフレが減速しないようだと、米ドル高になるかもしれませんね。
中銀動向では、今日からECB(欧州中央銀行)フォーラムが開催され、日米欧英など主要中銀の総裁が勢ぞろいします。
以前は、ECBフォーラムでサプライズ発言が飛び出て、市場を動かしたこともありました。
しかし、フォワードガイダンスやインフレターゲットが導入された今は、サプライズが起きにくくなっているとの指摘もあります。
ウクライナ情勢など不透明感も高まっていますから、中銀総裁もサプライズどころではないでしょうね。
米ドル/円の押し目は拾いたい。いずれショートが切らされて上がらざるを得なくなる展開をイメージ
今週の戦略はどう考えますか?
米ドル/円は節目の145円に近づき、介入懸念が高まっていますが、円安牽制発言や日本株の調整で、下がったところは拾っていいのでは。
145円が近づくと売りも増えるでしょうから、145円を一気に抜けるとは思いませんが、いずれショートが切らされて、上がらざるを得なくなる展開をイメージしています。
(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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