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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

米ドル/円は円安牽制発言や日本株の調整で下がったところ
を拾っていい。節目の145円は一気に抜けないだろうが、
いずれショートが切らされて上がらざるを得ないイメージ

2023年06月26日(月)16:05公開 (2023年06月26日(月)16:05更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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プーチンの威信失墜。市場の焦点は「戦後」へ

週末、ロシアで民間軍事会社「ワグネル」が武装反乱を起こしました。

大変なことになったと思ったのですが、意外とあっさり収束しましたね。

プーチン大統領の威信は失墜しましたし、ワグネル抜きで戦うとなると、形成はウクライナに傾きそうですね。


そろそろ、「ウクライナ戦争が終わったら、株やゴールドはどうなるのか」と、「戦後」のシナリオを描くストラテジストが増えてきそうです。

そうですね。


ただ、シナリオは戦争の終わり方によっても変わるでしょうし、まだコンセンサスといえるものは醸成されていません。

今はまだ予断を持たず、慎重に見る時期ですね。

コンセンサスが固まってくると、今度は実際に戦争が終わったときには、セル・ザ・ファクトのようなことも起こる。


焦らなくてもいいでしょう。

月末、四半期末を控え、株式市場ではリバランス売り・ETF換金売りか

今週(6月26日~)は月末、四半期末です。

先週金曜日(6月23日)には、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)から利益確定売りが出たのでは、とウワサが出ていました。


GPIFが実際に動いたかどうかはともかく、年金基金のリバランス売りは出てくるのでしょう。

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ロンドンフィックス(フィキシング)とは? 月末のロンフィクトレード4つの手法!

毎年この時期になると出てくる、ETF(上場投資信託)の換金売りも話題です。


7月7日(金)、10日(月)で、1兆1000億円の換金売りが出るのでは、との試算がブルームバーグに出ていました。


7月を前に、先回りして利益確定しようと考える投資家もいるでしょうね。

そうしたこともあり、今週は下落を見込む人が目立ちます。


ただ、下がったところは拾いたいと考えている投資家も多いため、大きく崩れることもないのではと思います。

今朝も、落ちたところはすかさず買いが入っていますね。

日経平均 15分足
日経平均 15分足チャート

(出所:TradingView

神田財務官から牽制円安発言。買われる通貨は移ろいながらも、円売りは続きそう

為替市場では、メルマガでも配信したとおり、今朝になり神田財務官から、円安牽制発言が出ています。

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西原宏一「トレード戦略指令!」

クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)もだいぶ上昇しましたし、ここから上をさらに買っていいのかどうか――どう考えますか?

クロス円の上昇を引っ張ってきたスイスフラン/円は、160円に達しました。いいところまで上がったなと思います。


一方で、豪ドル/円は利上げ織り込みが低下したこともあり、利食い売りが出ています。


株でいう循環物色のように、買われる通貨は移ろいながらも、円売りは続くのだろうと思います。

スイスフラン/円 日足
スイスフラン/円 日足チャート

(出所:TradingView

豪ドル/円 日足
豪ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

英中銀は先週(6月19日~)、0.5%の利上げを発表しました。0.25%との声も強かっただけに、サプライズですね。


ただ、先週発表された英PMI速報値は予想を下回り、インフレもなかなか収まりません。スタグフレーションめいてきました。

利上げは続く見通しなのですが、スタグフレーション懸念もあり、英ポンドに対する見方は、買いと売りで割れていますね。

米インフレはここからが正念場。4%程度まで落ちてきたが、ここから2%へ落とすのが難しい

米国のインフレはいかがですか?

4%程度まで落ちてきましたが、ここから2%へ落とすのが難しい


もちろん、利上げすればいいわけですが、上げ過ぎれば景気や株価を潰してしまう。


インフレがここから下げ渋るようなら、利下げは遠のきます。

インフレ指標として、FRB(米連邦準備制度理事会)がもっとも重視する、PCEデフレータが6月30日(金)に発表されます。


インフレが減速しないようだと、米ドル高になるかもしれませんね。


中銀動向では、今日からECB(欧州中央銀行)フォーラムが開催され、日米欧英など主要中銀の総裁が勢ぞろいします。


以前は、ECBフォーラムでサプライズ発言が飛び出て、市場を動かしたこともありました。


しかし、フォワードガイダンスやインフレターゲットが導入された今は、サプライズが起きにくくなっているとの指摘もあります。

ウクライナ情勢など不透明感も高まっていますから、中銀総裁もサプライズどころではないでしょうね。

米ドル/円の押し目は拾いたい。いずれショートが切らされて上がらざるを得なくなる展開をイメージ

今週の戦略はどう考えますか?

米ドル/円は節目の145円に近づき、介入懸念が高まっていますが、円安牽制発言や日本株の調整で、下がったところは拾っていいのでは。


145円が近づくと売りも増えるでしょうから、145円を一気に抜けるとは思いませんが、いずれショートが切らされて、上がらざるを得なくなる展開をイメージしています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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