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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

豪ドル/円は中期で100円と見て、押し目買い! 6月が「最
後の利上げ」にはならなさそう。米ドル/円を慌てて買う
必要はない。介入期待で2円くらい下に買い指値でいい

2023年07月03日(月)16:03公開 (2023年07月03日(月)16:03更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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株式市場は堅調。日本だけでなく米国株も強い

株式市場は本当に堅調ですね。

先週(6月26日~)は、リバランスの売りが出て下がりましたが、今日(7月3日)の日経平均はもう3万3700円台。


7月上旬は、ETF(上場投資信託)の換金売りがまだあるのでしょうが、大きく崩れるイメージはありません

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

日本だけでなく、米国株も強い。このところ気になるのが、ダウ輸送株指数の強さです。


輸送株が強いということは、景気がいいのかもしれませんね。

ダウ輸送株指数 日足
ダウ輸送株指数 日足チャート

(出所:TradingView

逆イールドでリセッションになると言われましたが、その気配はまだ感じませんね。

リスク要因としては、米最高裁がバイデン政権の学費ローン減免政策を無効としたことでしょうか。


家計が抱える学生ローンの総額は1.6兆ドルとされ、返済が再開すれば、個人消費が落ち込んで景気を冷やすとの懸念も出ています。

その懸念はあるでしょうが、もともとペロシ下院議長も反対していた政策ですし、バイデンさんも最高裁で勝てるとは思っていなかったはず。


大統領選に向けて、戦略を練り直すのではないでしょうか。

介入期待で2円くらい下に買いの指値を置いておくのがいい

円買い介入がいつ入るのか、と聞かれることも増えました。

鈴木財務相や神田財務官の言葉尻を見ていると、いつ入ってもおかしくないというスタンスですよね。


米ドル/円は金曜日(6月30日)も145円に到達しましたが、さすがに月末、期末に介入すると、企業に迷惑をかけるので、自重したのかもしれません。

去年(2022年)と違い、原油などの資源が下がっている、インバウンド需要の恩恵も出てきた、だから介入はない、との意見もあります。

それもそのとおりです。


株高での円安ですし、145円といっても、年初来安値からは18円上がっただけです。

去年は、108円から145円まで37円上がってからの介入でした。


とはいえ、この高値を買うのは怖いですよね。

かといって、「売る」という選択肢も取りにくい


ショートの支払いスワップ1年分をレートに換算すると、約8円になりますから大きい。


売ったとしても長くは持てませんし、介入が入っても、安値を叩いてくイメージがありません


だとすれば、介入期待で2円くらい下に買いの指値を置いておくのがいいのではないでしょうか。


145円より上は、ショートの踏み上げで上昇するだけかもしれませんが、ジリジリしていると、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の買いで、米ドル/円も上がらざるを得なくなってくるでしょう。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

介入がなければ、7月28日の日銀会合で政策変更も

介入が入らなければ、7月28日(金)の日銀会合(日銀金融政策決定会合)での政策変更期待が高まりそうですね。


YCC(イールドカーブコントロール)のバンド幅拡大なのか、解除なのか。

YCCのバンド幅拡大くらいだと、市場はそこまでびっくりしないかもしれない。


落ちても2円程度かなというイメージです。

足もとの10年債利回りは0.4%前後です。


これなら市場に任せても、金利が急騰するわけではないでしょうし、為替が2円程度の下落で済むなら、この機会にバンド幅を拡大したほうがいい気もしますね。


一方で、FOMC(米連邦公開市場委員会)はいかがでしょうか。


パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は「年内あと2回以上の利上げを想定」としていますが、市場はまだ完全には織り込んでいませんよね?

金利先物市場を見ると、7月時点で0.8回、11月時点で1.4回程度の織り込みに過ぎません。


こうした織り込みは、経済指標に敏感に反応して変わりますが、今のところはまだ2回の利上げを織り込んでいませんね。

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インフレにテーマを絞れば、大外しはしない

今週(7月3日~)は、金曜日(7月7日)に米雇用統計、その前日(7月6日)にはFOMC議事要旨が発表されます。


そして気になるのが、フランスの暴動


市場への影響はまだ見られませんが、マクロン大統領はドイツ訪問を中止するなど、政治への影響は出ています。

単なる移民層の暴動ということではなく、何らかの政治的背景があるのかもしれませんね。ただ、こうしたニュースをどうトレードに反映させるかは難しい


今年もさまざまなニュースがありますが、大きなテーマはインフレ。それ以外のヘッドラインで右往左往せず、インフレというテーマに沿ってトレードしていれば、大きく外すことはありません

豪ドル/円は中期で100円と見て、押し目買い

その意味では、明日(7月4日)発表される、豪州の政策金利も注目ですね。


インフレが収まらず、先月(6月)はサプライズ利上げを敢行しました。

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コンセンサスは据え置きのようですが、利上げするリスクもあります。


今回かどうかはともかく、インフレ動向を見ると、6月が「最後の利上げ」にはならないだろうと思います。


水準を見ても、スイスフラン/円が161円なのに対して、豪ドル/円が96円というのはいかにも安い。出遅れ感があります。

今週の戦略はどう考えますか?

米ドル/円も買い目線ですが、「明日起きたら150円」ということはまずない。慌てて買う必要はありません


2円か、少なくとも1円くらいは押したところで買えばいいでしょう。


上値はあまり期待できませんから、「下がったら買う、上がったら利食う」の繰り返しでもいいのかもしれません。


それよりも、今年(2023年)のメインであるクロス円。なかでも、豪ドル/円は中期で100円と見ています。押し目買いでいいのでは。

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豪ドル/円 週足
豪ドル/円 週足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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