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志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」

日銀はYCC修正に動く!しかし、次の引き締めが
YCCの完全撤廃、マイナス金利を解除する程度なら、
市場は円安方向の仕掛けをやめない

2023年07月31日(月)07:47公開 (2023年07月31日(月)07:47更新)
志摩力男

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YCC修正に動いた日銀。では、0.5%程度の数字に何の意味があるのか?

 日銀がYCC(イールドカーブ・コントロール)修正へと動きました。

 これは、多くのエコノミストが予想していない動きでした。日銀金融政策決定会合の10日程前に行われたG20会合後の会見において、植田総裁は「日銀が目指す持続的・安定的な2%の物価目標までに距離があるとの認識に変化がなければ、粘り強く金融緩和を続ける姿勢も変わらない」との見解を示し、政策変更を否定していました。

 日銀総裁就任以来、2回行われた会見においても極めてハト派的な姿勢を示し、黒田総裁のこれまでの政策を称賛するなど、これまで著書や日経新聞等に寄稿した論文等からYCC変更には早めに動くのではないかと期待していた市場関係者を裏切ってきました。

 ところが、7月28日(金)、突然YCC変更に動きました。これまで同様、長期金利の変動幅は「±0.5%程度」をメドとしつつも、長短金利操作についてより柔軟に運用するとし、これまで0.5%で行っていた指値オペを1.0%へと変更しました。

日銀公表の「当面の金融政策運営について」
日銀公表の「当面の金融政策運営について」

(出所:日本銀行

 これは、素直に解釈すれば0.5%の上限が1.0%になったということです。YCCは明らかに変更されました。

 しかし、それでは0.5%という数字に何か意味があるのか?

 柔軟に運用するとはどういうことなのか? 

と、さまざまな疑問がありましたが、会見での植田総裁は、過去2回と違い、非常に率直に政策変更の理由を説明されました。

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日銀政策変更後の米ドル/円は猛烈な「行って来い」!

前回の当コラムでは、政策変更があった場合、3~5円程度円高に動くが、本格的な金融引き締めにはならないので、反転すると予想しました。
【※関連記事はこちら!】
7月28日(金)の日銀金融政策決定会合は非常に重要。米ドル/円は、政策変更なければそのまま145円へ。変更あっても円高は一時的、その後は再度の円安トライか(7月21日、志摩力男)

 直前の午前2時に日経新聞からリーク報道があり混乱しましたが、リーク報道前の米ドル/円レベルは141.20円前後でした。日銀政策変更直後の安値は138.07円だったので、大体3円と少し円高に振れたことになります。そして、米ドル/円は安値から大きく反転し141.00円を超えてNY市場を引けています。

 つまり、3円下げて3円戻す、猛烈な「行って来い」となりましたが、他のクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)ではもっと影響は大きく出ました。ユーロ/円は155.05円⇒151.40円⇒155.50円。英ポンド/円は181.17円⇒176.30円⇒181.50円、豪ドル/円は95.03円⇒91.80円⇒93.80円といった動きでした。どの通貨ペアも、壮絶な「行って来い」でした。

世界の通貨VS円 4時間足
世界の通貨VS円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足

 日経新聞のリーク報道前のレベルをほぼ取り戻しているので、日銀政策変更のインパクトは1日にして終わったということになります。

 今後は、どうなるのか。JGB(日本国債)10年物の金利は上昇しましたが、0.57%程度です。これが0.7%~0.8%となると、少し円高方向への力が働くかもしれません。しかし、結局は円安圧力の方が強くなるのではないでしょうか。

日10年債利回り 日足
日10年債利回り 日足

(出所:TradingView

 発表直後に相場が「行って来い」となったのは、この政策変更に対して市場は十分消化したということではないでしょうか。大きな政策変更でも、円高への動きは限定的でした。このままであれば、また円安方向となるでしょう。

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市場は日銀の追加引き締めを催促する段階に入ったのか?

 市場はすでに次の段階、日銀の追加引き締めを催促する段階に入ったということだと思います。次は、YCCの完全撤廃、そしてマイナス金利の解除、そして適切な利上げでしょう。

しかしながら、YCCの完全撤廃、そしてマイナス金利を解除する程度であれば、マーケットは円安方向の仕掛けをやめないと思います。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 福井総裁時代に政策金利を0.50%まで引き上げましたが、0.50%への引き上げ程度では市場が言うことを聞かない可能性もあるでしょう。

 0.50%を超えて、どこまで金利を上昇させることができるのか?

 そこをマーケットが試しに来るとき、日銀は正念場を迎えます。

 長期金利の過度の上昇を避け、株価の下落を避けつつも、円安を抑える。こうした離れ業ができるのかテストされる日は意外と近いのかもしれません。


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