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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

米ドル/円は、日銀の政策変更がなければ2円程度の円安、
政策変更があれば5円程度の円高になりそう。IMFが「日
銀はYCCをもう廃止すべきだ」というレポートを出した!

2023年07月27日(木)11:29公開 (2023年07月27日(木)11:29更新)
今井雅人

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FOMCはほぼマーケットの予想どおりの結果に。今年の夏の米ドル相場はもみ合いに入ってしまいそう

 日本時間本日(7月27日)早朝に、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されましたので、まずはそちらを見てみましょう。

 今回、FFレート(※)0.25%の引き上げが決定されましたが、これに関しては、マーケットはほぼ100%織り込んでいましたので、影響はほぼありませんでした。

(※編集部注:「FFレート」とは、フェデラルファンド金利のことで、FF金利とも呼ばれる。米国の政策金利)

 問題は、9月以降の金融政策をどうするかですが、こちらもデータ次第という表現になるのではないか、と先週お話しましたが、ほぼその通りの内容の発言となっていましたので、その後のマーケットも小動きとなっています。

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円、ユーロ/円などで、1円程度の下押しを買い。日銀がYCCの変動幅を拡大するとは、とても思えない! 基本は円売りで、日銀が変更なしなら、ある程度円安に(7月21日、今井雅人)

 8月はFOMCがなく、次回は9月になりますので、今年(2023年)の夏の米ドル相場はもみ合いに入ってしまいそうです。

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コアCPIが下がらないと、再利上げする可能性がある

 そんな予想どおりの結果でしたが、少し興味深い発言が何点かありましたので、ご紹介してきます。

 まず、現在のインフレの状況についてです。

 先日発表された米国のCPI(消費者物価指数)は、年率で3.0%でしたが、その結果自体は歓迎していながら、コアCPIが年率4.8%とまだかなり高いことを問題視しています。

 つまり、全体のCPIはエネルギー価格の低下などで下がっているが、基本的な物価の上昇はまだまだ高いことに危機感を持っているということです。

 つまり、今後もコアCPIが下がってこないと、再利上げをする可能性があるということです。

今年の後半に入ると、来年の利下げを期待して、米ドル安になる可能性が出てきた

 2つ目ですが、将来的な利下げに関して。

 パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、少なくとも「年内の利下げはない」と断言していますが、その一方、来年(2024年)の利下げを予想しているメンバーが数人いることも明らかになりました。

これは、おそらく初めてのことです。

 つまり、今年の後半に入ってくると、来年の利下げを期待して、米ドル安になる可能性が出てきたと読むことができると思います。

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注目は日銀金融政策決定会合に。政策変更がなければ、米ドル/円で2円程度、円安に向かう可能性が高い

 さて、FOMCが終わって、注目は金曜日(7月28日)の日銀金融政策決定会合に移りました。

私は、今回も政策変更はないと思っていますが、市場関係者の中には、ひょっとするとYCC(イールドカーブコントロール)の変動幅変更があるかもしれないと期待している向きが一部います。

 そういう状況ですので、政策変更がなければ、ある程度円安に向かう可能性が高いと言えます。おそらく、米ドル/円で2円程度ではないかと想定しています。

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米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

IMFが「日銀はYCCをもう廃止すべき」とのレポートを出した。政策変更なら、米ドル/円で5円程度の円高になりそう

 ただ、今回金融政策の変更が絶対にないとは言い切れません。

先日、IMF(国際通貨基金)が「日銀はYCCをもう廃止すべきだ」というレポートを出しました

 YCCは10年国債の利回りだけをコントロールするという、いびつな政策であることは、以前、私も指摘しましたが、IMFも同じ認識を持っているようです。

 IMFが言っているから、日銀がすぐ動くというわけではありませんが、専門家の中では、YCCは非常時の政策とのコンセンサスであることは確認できました。

 当然、植田日銀総裁は経済学者ですので、同じ認識は持っていると思います。

 私は、まだ先だとは思っていますが、今回変更する可能性も否定しきれません。

もし、変更があれば、一時的にかなりの円高になると思います。

米ドル/円で5円程度の円高になると予想しています。金曜日の結果に注目をしておきましょう。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView


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