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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米ドル/円は介入懸念もあり、138~145円のレンジを維
持か。悪材料続出するなか、169円を目指して続伸中の
スイスフラン/円と、160円に向かうユーロ/円に注目!

2023年08月10日(木)17:20公開 (2023年08月10日(木)17:20更新)
西原宏一

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8月に入りフィッチによる格下げなど悪材料満載

 みなさん、こんにちは。

 先週のコラムでピックアップした通り、大注目だった日銀金融政策決定会合が実質的なYCC(イールドカーブ・コントロール)の撤廃発表であったにも関わらず巧妙な発表により、日本株、クロス円ともにメイントレンドである上昇トレンドに回帰。

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円は145円以上は介入警戒感。クロス円は高値追いはせず、丁寧に押し目買い。視点を変えれば、8月の円高アノマリーはチャンスになるのか?(2023年8月3日、西原宏一)

 ただ8月は季節的に株にとって悪材料が出やすく、リスクオフでの調整のチャンスがあると想定していました。

 実際8月になって悪材料が多発。

 まず8月2日の日本時間未明、「格付け会社のフィッチが米国の長期外貨建て債格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げた」という報道が出ました。

 そして今週に入ってもリスクアセットにとっての悪材料が頻繁に報道されます。

クロス円の調整は浅く、押し目買いのチャンスも限定的

 8月8日発表の7月の中国の貿易統計で米ドル建ての輸出と輸入の前年同月比の減少率がともに2ケタとなり、中国の内需の弱さと世界景気の減速が顕著に。

ムーディーズは8月7日夜にM&Tバンクなどを格下げしたほか、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンやステート・ストリートなど大手行の格付けを引き下げ方向で見直すと発表。

イタリアのメローニ政権は、銀行の今年分の「超過利潤」に対する予想外の課税を承認。この発表でイタリアの銀行株は急落し、合計約100億ドル(約1兆4300億円)の時価総額が失われた。

 ただこうしたリスクオフ要因にもかかわらず、リスクアセットの豪ドル/円の下落は92.90円まで、米ドル/円の押し目も141.52円まで。

豪ドル/円・日足
豪ドル/円・日足

(出所:TradingView

米ドル/円・日足
米ドル/円・日足

(出所:TradingView

 このコラムで注目のスイスフラン/円は一時164.26円まで続伸し、史上最高値を更新しています。

スイスフラン/円・日足
スイスフラン/円・日足

(出所:TradingView

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日本株の反発は中国観光客のインバウンド期待!

 多発する悪材料にもかかわらず、ユーロ/円を筆頭としたクロス円が反発している要因は、イタリア政府が前述の報道により混乱した株式市場の収拾を図るため、銀行の「超過利潤」に課す新税の縮小を表明したこと。

 これによりイタリア株を中心に欧州株相場が反発し、センチメントが改善しました。

 そして日本株が反発しているのは、「中国団体客、再開で198万人増へ 消費拡大に期待と懸念」という記事

 札幌在住の友人は、「現在すでにアジアからの観光客は増加しているが、ほとんどが香港と韓国、台湾からの旅行客」と言います。この報道を見ると中国本土からの団体客が大挙して訪日する可能性が高まり、人手不足を懸念していました。

 ともあれこの報道により、インバウンド銘柄上昇で、日本株にとってはポジティブ。

 ただマーケットを見渡すと、悪材料はまだ散見されます。

 例えば、欧州の天然ガスの高騰。極端な乱高下を繰り返し、一時は40%急騰する場面もありました。

欧州天然ガス先物が急上昇、40%高-豪州産LNGに供給リスク

 (出所:Bloomberg)

 8月は季節的に悪材料が出やすい上に、欧米勢が夏季休暇をとっていることから、流動性が悪化し、リスクオフになると、株も大きく値を下げる傾向があります。

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史上最高値更新中のスイスフラン/円や、ユーロ/円に注目!

 しかし、わずか7カ月ですでに26円も上昇しているスイスフラン/円を筆頭に、上昇トレンドを継続しているクロス円は8月も大きく調整しないため、このトレンドにはついていきたいところ。

 クロス円が底堅いため、米ドル/円も再び143円台後半まで値を上げてきました。

 ただ、145.00円より上は、日銀の介入懸念が残るため、米ドル/円は138~145円のレンジで変わらず

 昨年、為替相場の主役であった米ドル/円ですが、今年はその役目をスイスフラン/円に譲った形。

 そのスイスフラン/円は本稿執筆中に164.31円と史上最高値を更新しました。

スイスフラン/円・日足
スイスフラン/円・日足

(出所:TradingView

 ユーロ/円も2008年10月以来の高値となる158.21円まで上昇しています。

ユーロ/円・日足
ユーロ/円・日足

(出所:TradingView

169円を目指して続伸中の最強通貨スイスフラン、そして160円に向けて値を上げているユーロ/円に注目です。


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