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 昨日はドル相場が上昇した。ドル金利が上昇したのが主な原因なのだが、これは連休明けの相場展開を雇用統計の結果から読み取ろうとするプレーヤーに取っては真反対のビヘイビアであった。ソフトランディングを織り込みすぎて、ドルの一段高への対応が手薄になっていたのだろう。

 ポジションもドル金利低下の方向にばかり傾き、金利上昇に対してはナンのプロテクトもなされていなかったということだ。これは状況的にすぐに解決される性質のものではない。ということは、今しばらくはドルの独歩高を強いられることになるのだろう。

 ドル円は147円台の後半までジャンプアップ。こちらももうそろそろといった感じが出すぎていて、短期的にドルショートが溜まってもいた。ショートカバーが中心となって、ドル円はひたすら上がった。ついでにユーロドルの安値攻めもドル買いに拍車をかけた。

 さらにインフレ懸念を加えることになったのは、原油価格が瞬間的に88ドル台まで到達したことであった。これはサウジが年末まで減産体制を維持すると表明したからである。そもそも原油相場は上昇の途上にあった。金融引き締めが遠慮的であるのを見て、コモディティの代表である金や石油が高止まっているのである。

 そこへ持ってきての供給縮小の話しである。ウクライナ紛争は関係なく、金融政策の進め方の甘さがインフレを物価高の形で実現することになりそうだ。金が1900ドル台、石油が87ドル台でインフレが収まったと言えるのか。ニューメリカル・ターゲットでも設けて「金かっかクが1000ドルを割り込むまで高金利政策を続ける」とでも明言すればいいのに、そんなことも金融当局はできないだろうとなめられているのである。

日本時間 15時00分

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