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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

米ドル/円の為替介入に備えた戦略は2つ! 少額ロングで
介入後に買い増し、もしくは少額ショートで数円下に
利益確定の指値、さらにドテン買いの指値を入れておく

2023年10月02日(月)18:13公開 (2023年10月02日(月)18:13更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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米政府機関の閉鎖が回避され、今日前場の日経平均に買い戻しが入った

懸念されていた米政府機関のシャットダウン(閉鎖)が回避され、今日(10月2日)前場終値の日経平均は448円高。シャットダウンを懸念して売られていた分の買い戻しが入っています。


茶番劇とは言わないですが、閉鎖直前で合意するだろうという見方が多かったわりには、ボラティリティが大きいですね。

日経平均 30分足
日経平均 30分足チャート

(出所:TradingView

海外勢が売っていたようですね。


今日からのシャットダウンは回避されましたが、11月半ばまでのつなぎ予算ですから、まだ安心はできませんね。

「フリーダム・コーカス(共和党の保守強硬派)」は、マッカーシー下院議長が当初の取り決めを守らなかったとして反発しています。


11月になれば同じような騒動が起きるかもしれませんが、少数派であるだけに影響は限定的でしょう。

気になるのは、つなぎ予算からウクライナ支援予算が除外されたこと。


戦況への影響が懸念されますし、11月になっても決まらないということになれば、ウクライナには大打撃です。

バイデン米大統領は「いかなる状況でも米国のウクライナ支援を中断させるわけにはいかない」と話していますし、なんらかの形で支援を続けるのでしょう。

日銀の臨時オペは米政府シャットダウン対策か

先週金曜日(9月29日)日銀は臨時オペを今日実施すると通告しました。


米政府のシャットダウンで、米金利が急騰するリスクもありましたから、10年ぶりの高水準にある日本の長期金利(10年債利回り)が、跳ね上がるリスクに備えた予防策ということでしょう。


当局からは連日、円安けん制発言が出される中ですので、緩和強化とは思いませんが、米ドル/円を安心して買っていい、というイメージを持ってしまう人もいるでしょうね。

今日前場の日経平均を見ていたら、買いたくもなりますね。

ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は先週(9月25日~)、「FFレート(※)はピークか、それに近い水準にあるというのが、現在の私の判断だ」と発言しました。


(※編集部注:「FFレート」とは、フェデラルファンド金利のことで、FF金利とも呼ばれる。米国の政策金利)


米政策金利は、あと1回の利上げがあるかないかというところですが、利上げはもうなさそうに聞こえます。

あと1回はともかく、利下げの開始は来年(2024年)夏というのがコンセンサス


利上げがあってもなくても、金利は高止まりすることになります。


日米金利差が縮小しないということであれば、米ドル/円はジリジリ買われるのでしょう。為替介入さえなければ、ということですが。

米ドル/円は150円目前。どこかで為替介入が入りそう

今朝(10月2日朝)は米ドル/円も年初来高値を更新し、150円が目前となってきました。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

スピードがともなった円安であれば、いつ介入が入ってもおかしくないのですが、このジリジリした動きだとやりにくいでしょう。


とはいえ、円安をどこまでも許容するわけにはいかないですから、どこかで入るのだと思います。

【※関連記事はこちら!】
英ポンドとスイスフランを対米ドルで戻り売り! 英国とスイスの利上げ見送りはサプライズで、ガラッと雰囲気が変わった一方、FOMCではタカ派的なメッセージが目立った(9月25日、西原宏一&大橋ひろこ)

今週(10月2日~)は、米政府機関の閉鎖が回避されたことで、経済指標も無事に発表されます。


10月6日(金)が米雇用統計ですが、10月3日(火)にはJOLTS(雇用動態調査)も発表されます。


米雇用統計よりも速報性が高いとされ、最近ではよく反応しているため注目です。

介入に備えた米ドル/円の指値戦略は2つ

今週の戦略ですが、米ドル/円は難しいですね。


シンプルに考えるなら、介入が入っても買い増せるように、余力を充分残した上で、少額ロングにしておくといったところでしょうか。


積極的にトレードするなら、少額ショートにし、数円離して利益確定の指値、さらにドテン買いの指値を入れておく、といったことも選択肢です。

西原さんのメルマガを読むと、ニュージーランドドル/円のロングも持っていますよね。


豪ドルは、IMM(国際通貨先物市場)ポジションが大幅な売り越しとなっており、巻き戻しの期待も持てそうですが、豪ドルではなくニュージーランドドルを選んだのはなぜでしょうか?

【※関連コンテンツはこちら!】
西原宏一の「トレード戦略指令!」

チャイナリスクですね。


中国への懸念がある今、豪ドル買いを持ち切るガッツが出ないことに加えて、ニュージーランドは来年2月までに、あと1回の利上げがありそうです。

ニュージーランドドル/円 日足
ニュージーランドドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

1.05ドルのターゲットに到達したユーロ/米ドル。次は1.00ドルのパリティか

ユーロ/米ドルはいかがですか? 先週は一時1.05ドルを割り込む場面もありました。

外銀などが予想する、今年(2023年)のターゲットが1.05ドルでした。


米ドル高はまだ収まらないと思っているので、ターゲットが1.00ドルのパリティなどへ下方修正されるようなら、再び売ってもいいと思っています。


市場のコンセンサスが確認できたら随時、メルマガで配信していきます。

【※関連コンテンツはこちら!】
西原宏一の「トレード戦略指令!」

ユーロ/米ドル 週足
ユーロ/米ドル 週足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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