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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

スイスフラン/円を今週は買い! イスラエル情勢悪化で買
われるのはスイスフランとゴールドで、有事でも買われな
い円は弱い。ハマスと産油国イランの関与懸念で原油急騰

2023年10月16日(月)16:08公開 (2023年10月16日(月)16:08更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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イスラエルによるガザへの地上侵攻の話でリスクオフに

焦点はイスラエルですね。


イスラム組織ハマスが実効支配する、パレスチナのガザ地区への地上侵攻の話が出た金曜日(10月13日)、株が売られリスクオフとなりました。

S&P500 日足
S&P500 日足チャート

(出所:TradingView

今は週末持ち越しのリスクを取りたくないですから、手仕舞いの売りも出たのでしょうが、「13日の金曜日」に、ハマスが世界に一斉蜂起を呼びかけたことも嫌気されましたよね。


実際に北京では、イスラエル大使館員が襲撃されました。

パリでは、パレスチナ支持派と警官隊が衝突しました。


「今ほどユダヤ人であることが怖いと思った時代はない」という言葉も聞きましたが、そのとおりでしょう。


不幸の連鎖が続かないことを祈るばかりです。

ハマスと産油国イランの関与が懸念され、原油が急騰

ガザ地区への地上侵攻はまだ始まっていません。


イスラエルは民間人への避難を呼びかけていますが、まだ進んでいないようです。

ハマスからすれば、民間人は「人間の盾」ともなります。

多数の民間人が犠牲になれば、イスラエルに対する国際的な非難は免れませんから、軽々しく動けないですね。

ハマスからすれば、地上戦の始まりは殲滅リスクと隣り合わせですから、「窮鼠猫を噛む」でなにをするかわからない、ということになります。


万が一、イランがハマスに小型の核兵器を渡していれば、とんでもないことになりかねません

そうしたリスクもあって、地上侵攻の開始が注目されているんですね。


産油国であるイランの関与が懸念され、原油価格も急反発しています。

WTI原油先物 日足
WTI原油先物 日足チャート

(出所:TradingView

リスクオフは「スイスフラン買い・ゴールド買い」

マーケットの反応としては、リスクオフによる「債券買い(金利低下)・スイスフラン買い・米ドル買い・資源国通貨売り・株売り」です。


避難通貨として買われるのがスイスフラン、そして米ドルとなっていて、「有事の円買い」は起きていません

コモディティでは、まず「有事の金」ですね。ショートカバーの動きも相まって、先週(10月9日~)のゴールドは100ドル余りの急反騰となりました。


原油市場は、先々週(10月2日~)までは世界需要の先行き不安もあり、下落基調でしたが、イランの関与が確定的となると、イラン産原油の市場回帰が難しくなります。


現在は米国による制裁で、イランの原油生産は制限されていますが、実はイランは原油生産と輸出を増やしています。


インフレ抑制が課題の欧米は、これを見逃していましたが、制裁の強化に踏み切らざるを得ないとなると、原油需給の逼迫が懸念される、とあって原油が反発しているのです。


さらに、イランが「ホルムズ海峡封鎖」に踏み切るなどの態度にでれば、急騰は必至。現状の原油市況はイラン次第でどうとでもなってしまいます。

レバノン南部では、親イランのヒズボラもイスラエルへミサイルを発射しました。

2019年に、サウジアラビアの石油施設がドローンで攻撃されて、原油が急騰したことがありますが、同様の事態が起きるリスクもあります。

懸念しているのはインフレの再燃です。基本的に「戦争=インフレ」


ウクライナとロシアの戦争によるインフレがやっと落ち着いてきたところに、「新しい戦争」が始まってしまった。


FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げが遅れる可能性も出てきます。

ムーディーズは米債格下げを警告

今回は局地戦ですし、穀倉地帯でも工業地帯でもありません。それでも世界的なインフレリスクは高まりますか?

今後の戦況次第ですが、米国がイスラエル支援のために財政支出を拡大する、といったことになるとインフレリスクですよね。

米国では下院議長が不在のままです。


共和党が候補に指名したのは保守強硬派「フリーダム・コーカス(自由議連)」の創設メンバー。票が集まるのか不安視されます。


議長不在が続くと予算を成立させられないですし、米政府はシャットダウンとなります。


ムーディーズは米国債の格下げの可能性を警告しています。

当面はイスラエルがテーマ。買われるのはスイスフランとゴールド。有事でも買われない円は弱く、中東有事ではユーロ売りも連想

ニュージーランドでは政権交代があり、右派政党も参加した連立政権が成立する見通し。


この影響も気になるところではありますが、今はイスラエル次第。特にイランの関与です。

10月19日(木)にはパウエルFRB議長の講演もありますね。

いずれにせよ、当面はイスラエルが市場のテーマ。事態が悪化すれば、買われるのはスイスフラン、そしてゴールドでしょう。


米ドルも買われますが、全面高というわけではありません。


有事があっても買われない円は弱いのでしょうし、1米ドル=152円、155円といった方向だと思います。


今週はイスラエル情勢を見ながら、スイスフラン/円の買いでしょうか。


中東有事ではユーロ売りも連想されやすいため、ユーロ/スイスフランの売りでもいいと思います。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

スイスフラン/円 日足
スイスフラン/円 日足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/スイスフラン 日足
ユーロ/スイスフラン 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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