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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

米ドル/円は151.74円で今年の高値を付けたと想定して、
150円をメドに戻り売り! 「次の151円台後半」は介入
警戒度MAX! 今年の動きの逆流で豪ドル安の調整進行か

2023年11月06日(月)17:16公開 (2023年11月06日(月)17:16更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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日銀の情報漏れ、「介入ナシ」で米ドル/円は151.74円へ

注目された10月31日(火)の日銀会合(日銀金融政策決定会合)では、YCC(イールドカーブコントロール)が再修正され、長期金利1%超えが容認されました。


ところが、当日の米ドル/円はというと151.74円まで上昇。


前夜(10月30日夜)に日経新聞が「日銀、金利操作を再修正へ 長期金利1%超え柔軟に」との記事を出したせいで、「リークどおりか」とYCC再修正のインパクトが薄れたのかもしれません。日銀の情報管理に問題がありますよね。

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米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

僕はさほど気にしていませんでしたが、10月3日(火)の米ドル/円急落が、介入ではなかったと明らかになった影響もあったのでしょう。


「介入していないなら買ってもいい」と捉えた人もいたようですから。

ただ、あの日は昨年(2022年)高値へあと20銭ほどに迫り、上昇幅も2.7円と大きかったですから、介入が入ってもおかしくなかったですよね。


翌日(10月4日)にFOMC(米連邦公開市場委員会)、翌々日(10月5日)に岸田首相の経済対策発表を控えていたためかもしれません。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

「次の151円台後半」は介入警戒度MAX。米ドル/円は今年の高値をつけたか

同感です。


神田財務官から「スタンバイ」との発言があったように、介入の準備はできていて、あとはタイミングだけだったのではないでしょうか。


次にまた、151円台後半へと上がるような場面があれば、いよいよ要注意です。

一方でFOMC、そして米雇用統計を受けて米金利は低下し、株高・米ドル安が進んでいます。


織り込みを見ると、来年(2024年)6月だった利下げ開始の時期は、5月へと前倒しされています。

米長期金利(10年債利回り) 4時間足
米長期金利(10年債利回り) 4時間足チャート

(出所:TradingView

S&P500 4時間足
S&P500 4時間足チャート

(出所:TradingView

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

米金利がこのまま一方的に下がるというよりは、高止まりではないでしょうか。


ただ、米ドル/円に関しては、152円で介入が入る可能性が高く、スタンバイ発言により、市場の警戒感も高まっています。


来年は再び155円を目指す展開もありえますが、今年は151.74円で高値をつけた可能性が高いと見ています。

「今年の動きの逆流」が始まった

今週(11月6日~)は、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])が政策金利を発表します。


インフレが収まらないこともあり、利上げ予想が強まっていますね。

今年もっとも強い通貨はスイスフラン、もっとも弱いのが円で、オセアニア通貨も弱かったのですが、期間を短くすると、豪ドルや円が強く、スイスフランは弱くなってきた。つまり、今年の動きの逆流が始まっています。


ウクライナやイスラエルの地政学リスクや、中国経済への懸念は収まっておらず、ファンダメンタルズ面では、豪ドルを買える状況にないのですが、豪ドルを中心に調整が始まっているのかもしれません。

豪ドル/米ドル 4時間足
豪ドル/米ドル 4時間足チャート

(出所:TradingView

市場は、地政学リスクに飽きてしまったのかもしれませんね。


株も買われていますし、VIX指数も急激に低下し、ハイイールド債の指数も窓を開けて上昇しています。


これがリバウンドにすぎないのか、本格的な反転なのか、どう見ますか?

米株については、ここから上がっていく感じはしないですね。あくまでも調整の一環に過ぎないと見ています。


週末には、イスラエルの閣僚が核兵器の使用をほのめかしたりして、本来ならば、株も豪ドルも怖くて買えないのですが、「怖くて買えない市場」が買われています。

「買いたいけど買えていない」という人がいるから上がってしまう、ということですね。

豪ドルにしても「戦争は終わっていないし、中国経済もよくなっていないですよ? 買えないですよね?」と思っているうちに、スルスルあがっていくリスクはあると思います。

FRB要人講演、タカ派発言に注意

ひろこ 今週はFRB(米連邦準備制度理事会)の要人発言も目立ちます。


市場の見方はハト派に偏っているので、「タカ派的な発言が出たときに市場がどう反応するか」が注目でしょうか。

そうですね。今週の焦点は「米金利の低下が続くかどうか」でしょう。


今週はまだ米金利低下が続くとイメージして、豪ドル/米ドルの押し目買い、それに米ドル/円は今年の高値を付けたと想定して、150円をメドに戻り売りでいいのではないでしょうか。

豪ドル/米ドル 日足
豪ドル/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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