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 先週はイベントの少ない週だったが、雇用統計の悪化を受けた動きと、今週から始まるインフレ指標や国内消費関連のデータの軟化を期待しての動きが目立った。どうしても期待するのは国内景気の鈍化とインフレ沈下の方ばかりだ。それで米国株は高値追いをしている状況だ。

 株価は米国だけに限らず、イギリスもドイツも代表的な株価指数は歴史的な高値を更新してきている。イギリスはまだ残る物価高騰に悩み、ドイツは国内産業の空洞化にさいなまされている中での株高である。金融当局としては次の打つ手が決めにくいところだ。株価に照準を合わせて金融政策を行っていると、それが国民の総合的な幸福に合致しないというになりかねないという証左でもある。

 ドル円は155円台の後半でほとんど小動きだった。一進一退だったともいえよう。ゴールデンウィーク中の4月29日に160.20まで高値を攻め込んだ後の、介入などによるドル円の押し目が151.86だ。その半値戻しが156.03なので、ちょうどよい引っかかりどころと言うことであろう。テクニカル重視のプレーヤーにとっては、どうしても売っておきたい戻り場である。156.05でポジションを全カットすればよいだけなのだから。

 しかし為替の実弾介入も一時的な時間稼ぎでしかないというコンセンサスができあがっているので、すぐにドル円のレンジも156.03を越えてきて、上半分のエリアで推移することになるのかもしれない。新高値である160円台に乗せてくるには相当の抵抗もあるだろうが、これとても時間の問題であり、絶対的な金利差というファンダメンタルズの前には抗いがたいものがあるだろう。

日本時間 15時30分

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