米金利先物市場では9月の利下げを100%織り込む
みなさん、こんにちは。
本日(8月1日)日本時間未明に注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されました。
FOMC会合後の記者会見でパウエルFRB議長は、「例えばインフレ率が急速ないしほぼ予想通りに低下し、成長はまずまず力強く、そして労働市場は現状との整合性が維持されるならば、9月会合で利下げが選択肢になり得る」とコメント。
このコメントにより、米金利先物市場では9月の利下げを100%織り込む展開に。
いよいよFRB(米連邦準備制度理事会)が9月に利下げを開始することが確実視されることになり、米ドルは全般的に上値が重くなっています。
特筆すべきは米ドル/円。
主要通貨全般に米ドルが下げる中でも、米ドル/円の下落幅は際立っています。
結果、豪ドル/円をはじめクロス円が軒並み10円以上大幅に値を下げています。
(出所:TradingView)
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は、152円のサポートで持ちこたえられるか?割り込めば、さらなる大規模な円の買い戻しにも警戒!?円高と日経平均急落の背景に、日銀会合での利上げ観測(2024年7月25日、西原宏一)
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日銀の年内追加利上げの見方も浮上し、米ドル/円、日経平均は大幅調整へ
本稿執筆時点での米ドル/円の下落は凄まじく、一時148.51円まで急落しています。
(出所:TradingView)
日経平均も3万7700円レベルまで急落。
急激な円高のきっかけは、31日の日銀金融政策決定会合と会合後の総裁の記者会見です。
まず金融政策決定会合で日銀は、政策金利を0.25%に引き上げる追加利上げを決定しました。
これはみずほ銀行の唐鎌大輔さんを筆頭にマーケットの一部では噂されていたので、インパクトはそれほどではありませんでした。
唐鎌さんは、「足元の米ドル/円相場が円高方向に振れていることで、日銀が利上げをしても為替レートとは無関係と説明できるため、利上げの絶好のタイミングだ」と指摘していました。
しかし、マーケットが動いたのが金融政策決定会合後の記者会見で、植田和男総裁が今後数回の利上げにも前向きな姿勢をにじませたこと。
この総裁発言をタカ派と受けとめた市場では、早くも年内追加利上げの見方が浮上。
これが米ドル/円の下落を加速させ、下値余地がさらに拡大しています。
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米ドル/円は145円割れまで調整の可能性も!
まず、米ドル/円の日足ベースでポイントをチェックすると
(1)強烈なサポートだった神田ライン152.00円をクリアにブレイク
(2)200日移動平均151.60円をブレイク
(3)日足の一目均衡表が三役陰転
(4)127円を起点にした日足のエリオットウエーブも、5波動完了
(出所:TradingView)
その他にTDシーケンシャルもすでにトップアウトしているなど、日足ベースでは161.95円を高値にいったん上昇トレンドを終了し、下値を模索する形になっています。
半値(高値161.95円と安値127.23円)を想定すると、144.59円レベルまで調整するかもしれません。
(出所:TradingView)
本稿執筆時点で、日経平均も日銀の年内の追加利上げを織り込む形で1100円暴落。
リスクアセットの代表である豪ドル/円も97.20円まで急落しており、マーケットはリスクオフの展開になっています。
日銀の年内追加利上げを織り込む形で、神田ラインをブレイクし、145円割れへと調整局面入りした米ドル/円、そして再び100円乗せに失敗した豪ドル/円の行方に注目です。
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