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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米ドル/円は調整相場へ! トランプ米大統領候補が
「円は安すぎる」と発言、トランプトレードは認識の
修正が必要に。急落した豪ドル/円の動向にも注目!

2024年07月18日(木)16:31公開 (2024年07月18日(木)16:31更新)
西原宏一

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政府・日銀の為替介入は条件が揃っていなかったのに実施されたのがサプライズだった

 みなさん、こんにちは。

 この1週間で相場が一変しています。

 ひとつずつ確認していきましょう

 まずマーケットを驚かせたのが、先週(7月8日~)11日(木)、12日(金)に入った政府・日銀による為替介入。

 サプライズとなった理由ですが、

 ①まず市場介入を指揮してきた神田財務官が7月末付けで退任する予定である事

 ②米ドル/円は162.00円ブレイク目前でしたが、急激なボラティリティを示したわけではないこと

 上記から、為替介入が入る条件が揃っていなかったことがあげられます。

 ところが2日間で合計約5.5兆円規模という巨額な米ドル売り介入であったこと、そしてなにより、虚をつかれたマーケットの反応は激しく、あっという間に157円台まで急落しました。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 しかし、米ドル/円のメイントレンドはあくまで上昇トレンド。

 介入が終わると静かに159円台まで反発していました。

 ところが後述する報道で、米ドル/円は続落しています。

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トランプの放った一言に市場は驚いた!トランプトレードの認識を修正か?

 トランプトレードの認識の修正なのか「円と人民元はドルに対して弱すぎる」と発言したトランプ氏でしたが、もともと、トランプトレードは下記のようなコンセンサスでした。

①米国国内株式へのエクスポージャーを増やす

 特にテクノロジーや金融セクターの株式に注目。

②短期債券を選好する

 金利上昇の可能性を考慮し、デュレーションの短い債券を選ぶ。トランプの財政政策により、インフレ圧力が高まる可能性があります。

③米ドル高に対するヘッジ戦略を実施する

 トランプ政権下では米ドル高傾向が予想されるため、為替リスクに備えたヘッジ戦略が重要になります。

④安全資産への分散投資

 金などの安全資産に一部投資することで、ポートフォリオのリスク分散を図ります。

⑤インフラ関連セクターに注目

 トランプの公約にはインフラ投資の拡大が含まれているため、建設や素材セクターなどに投資機会があるかもしれません。

⑥貿易摩擦に備える

 特に中国との貿易関係に注意を払い、関税引き上げなどの影響を受けやすい企業や産業を見極めることが重要です。

⑦国内志向の企業に注目する

「アメリカ・ファースト」政策により、国内市場重視の企業が恩恵を受ける可能性があります。

 これらの中で、われわれが注視するのは、①米株への投資、③米ドル高に備える、⑥貿易摩擦に備える(特に中国との貿易関係に注意を払う)です。

 ③の米ドル高に備えるですが、トランプ前大統領が米ドル高を「大惨事(disaster)」と呼んだことがあり、米ドル安を望んでいるというエコノミストもいます

 ただこれは、米ドル高が米国の製造業に深刻な打撃を与えると主張したことを材料にしています。

 過去2年間、米国はインフレに苦しんでおり、積極的に米ドル安を志向するとは考えにくい。これは、製造業に対するリップサービスだと考える参加者が多数います。

 しかし、7月17日(水)のマーケットでブルームバーグが報道したトランプ氏のコメントが、米ドル/円のマーケットを変貌させてしまいます。

「we have a big currency problem because the depth of the currency now in terms of strong dollar/weak yen, weak yuan, is massive(円と人民元は米ドルに対して弱すぎる)」

 彼は米ドルに関しては触れず、円が安すぎるとコメントしたのです。

 結果、総じてクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が大きく値を下げることになります。

 このトランプトレードの中でもうひとつの注目は、⑥の貿易摩擦に備える(特に中国との貿易関係に注意を払う)です。

 これにより、中国との相関性が高いといわれている豪ドル/円がクロス円の下げをけん引しています。

豪ドル/円 日足
豪ドル/円 日足

(出所:TradingView

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副大統領候補のJDバンスも中国への嫌悪感を示す

 7月17日(水)はトランプ氏だけでなく、副大統領候補のJDバンス氏のコメントも影響しています。

 上院議員に転身した回顧録作家のJDバンス氏は、さまざまな分野で中国を厳しく批判してきた人物です。

 バンス氏は「私は中国が嫌いだ。中国が多くのアメリカ人の雇用を奪っているのが気に入らない」と語ったとブルームバーグは報じています。

 副大統領が、必ずしも次期大統領になるわけではないですが、有利な位置にいるとは言えます。

 考え方によってはトランプ、JDバンスと、中国に対して厳しい姿勢で臨む政権が長期化する可能性も想定され、豪ドル/円が大きく値を下げることとなりました。

 わずか1週間前は、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])のタカ派なスタンスのもと、豪ドル/円は109円台まで上昇していましたが、一転して104円台まで急落しています。これは米ドル/円も同様です。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 過去1週間で、政府・日銀による米ドル売り介入、トランプ氏とJDバンス氏のコメントにより調整局面入りした、米ドル/円と豪ドル/円の動向に注目です。


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