米ドル/円は石破ショックで146円から141円まで下げたが、総理みずから不安を払拭し、一気に147円まで回復
西原宏一(以下、トレーダー西原) みなさん、こんにちは。
先週(9月30日~)の為替市場も荒れ模様でしたね。
ただ、先週のコラムで取り上げた豪ドル/円は値を上げています。
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⇒石破ショックは長く続かず、新NISAへの影響も限定的! 自民党敗戦回避のため、株対策が出てくるかも。中国の景気支援策で中国株が大幅高。豪ドル/円の押し目買い検討(9月30日、西原宏一&叶内文子)
月も変わりましたし、今週(10月7日~)も為替市場と株の展望をして行こうと思います。
では叶内さん、今週もよろしくお願いします。
叶内文子(以下、MC叶内) はい、西原さん。今週もよろしくお願いします。
まず、マーケットに衝撃を与えた「石破ショック」のその後の動向を確認しましょうか?
トレーダー西原 「石破ショック」については、僕を筆頭に一部の参加者の憶測が当たっていました。
憶測を改めて確認すると、「新政権が株安を放置し続けるわけではなく、なんらかの対策を取ってくるのではないか? このまま株が急落してしまうと、自民党が負ける可能性まででてくるため、株対策はなにか出てくるのかも知れません。」という考え方です。
そのマーケットの憶測に答えた形で、石破総理が動きます。
石破総理が植田日銀総裁との会談後、「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と、みずから引き起こした石破ショックを全面否定します。
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⇒豪ドル/円は110円超えを目指す! 石破ショックや中東情勢悪化はあったが、中国の経済対策で2015年以来の大幅高となった中国株を横目に、豪ドル/円は上昇トレンド継続(10月3日、西原宏一)
米ドル/円の動きを確認すると、彼の自民党総裁選での勝利が米ドル/円を146円から141円まで急落させましたが、総理みずからの言葉により一気に147円台まで回復させてみせました。
(出所:TradingView)
日経平均も急速に値を戻しており、新政権に対する不安は総理みずからのコメントで払拭しました。
振り返ってみれば、マーケットの憶測どおり市場を回復させ、このことに関してサプライズはないのですが、「総理みずから、利上げに関してコメントする」のは異例で、ちょっと驚きました。
そして、金曜日(10月4日)の米雇用統計に続きます。
叶内さん、米雇用統計の結果をご紹介していただけますか?
米雇用統計がかなり強い内容と見られ、米ドル/円は一時149円付近をつけた
MC叶内 米労働省が10月4日(金)に発表した9月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が25万4000人増加し、市場予想14万人増を大幅に上回りました。
8月分は14万2000人増から15万9000人増に上方修正され、7月と合わせて7万2000人の上方修正となりました。失業率は前月の4.2%から4.1%に低下。
かなり強い内容と見られ、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のフェドウォッチ(FedWatch)では、大幅利下げの観測が後退しています。11月の50bp(ベーシスポイント)利下げの確率は、約28.5%から約9.0%に低下したそうです。
ただ、政府雇用が大幅増加し民間部門は減少していることで、9月の季節性とはいえ、それほど強くないとの声も聞かれました。
これを受けて10月4日(金)のニューヨーク時間に一時1米ドル=149円付近をつけていますね。
(出所:TradingView)
一方、中東情勢はまだ不安定で気になるところです。
ここで、今週の主要なイベントをご紹介しておきますね。
米国では、10月10日(木)に9月CPI(消費者物価指数)、10月11日(金)に9月PPI(卸売物価指数)、10月ミシガン大学消費者マインド指数が発表されます。10月9日(水)の9月開催分のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録公表も気になります。
また、米国は決算シーズンに突入し、10月11日(金)にJPモルガンの決算発表があります。
日本では、10月8日(火)に8月毎月勤労統計、景気ウォッチャー調査の発表がありますし、決算発表も小売関連から本格化します。10月10日(木)のファーストリテイリングの決算発表は、日経平均寄与度が高いので注目です。
そして、今週はノーベル賞ウィークでもあります。10月7日(月)に生理学・医学賞、10月8日(火)に物理学賞、10月9日(水)に化学賞、10月10日(木)に文学賞、10月11日(金)に平和賞が発表され、関連銘柄の物色があるかもしれません。
今週の相場で、西原さんの気にしているポイントはどこでしょう?
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豪ドル/円を引き続き買い。国慶節明けの中国市場に注目。米ドル/円も押し目買い
トレーダー西原 僕が注目しているポイントは中国市場。
10月に入り、1〜7日が国慶節(建国記念日)に伴い、中国市場は休場しています。
日経新聞は「8日の取引再開に備え、中国本土では証券会社に口座開設の申し込みが殺到しているという。市場では『10年前の株急騰が思い出され、買い遅れたくないと感じている個人が多い』(香港の資産運用会社)との声も聞かれる」と報道しています。
先週も触れましたが、9月24日(火)に中国人民銀行が発表した大規模な景気刺激が中国株の低迷を払拭し、上昇トレンドに戻すと考えています。
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⇒石破ショックは長く続かず、新NISAへの影響も限定的! 自民党敗戦回避のため、株対策が出てくるかも。中国の景気支援策で中国株が大幅高。豪ドル/円の押し目買い検討(9月30日、西原宏一&叶内文子)
その点において、引き続き豪ドル/円の買い。
(出所:TradingView)
総理みずから、マーケットに覆いかぶさっていた「石破ショックという重い雲」を吹き飛ばして、上値が軽くなった米ドル/円も押し目買いと考えています。
(出所:TradingView)
叶内さん、SQ(特別清算指数)に関しての見通しは、いかがですか?
MC叶内 先週、市場関係者に取材したときにはニュートラルという見方でした。大幅下落に備えた動きはあまりないようです。日々の値幅が大きくポジションが取りにくいかもしれません。
トレーダー西原 SQは波乱がないようであれば、米ドル/円が底堅いことに連れ、日経平均も底堅く推移するのではないでしょうか?
前述のように、まず国慶節開けの中国市場の動きに注目ですね。
トレーダー西原 MC叶内 ではみなさん、今週も楽しくトレードしていきましょう!
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