衆院選は自民・公明両党で過半数に届かず、為替市場は円安で反応。日本売りに傾斜していることに警戒
西原宏一(以下、トレーダー西原) みなさん、こんにちは。
本日(10月28日)は、衆院選(衆議院選挙)の結果を相場が織り込みに行くことになります。
ただ、11月の米大統領選がカウントダウンに入ったため、日本の政治がどの程度相場に影響があるのかを見極める必要があります。
そのあたりに焦点を絞って、今週(10月28日~)も株と為替市場の展望をして行こうと思います。
では叶内さん、今週もよろしくお願いします。
叶内文子(以下、MC叶内) はい、西原さん。今週もよろしくお願いします。
まず、衆院選の結果から確認していきましょうか?
トレーダー西原 10月27日(日)の衆院選は、自民・公明両党で過半数の233議席に届きませんでした。
石破茂首相の責任論が浮上し、経済政策を含めた政権運営に混乱が生じかねない事態となっています。
石破首相は協力を求める勢力について「一緒に政策をやれるかを優先している」とコメントしています。
MC叶内 他の党の反応はいかがでしょう?
トレーダー西原 日本維新の会の馬場伸幸代表は「今の与党に協力する気はまったくない」と自公連立政権入りを否定しています。
国民民主党の玉木雄一郎代表も「連立政権入りを呼び掛けられても交渉には応じない」としていますね。
当初市場は、円安で反応するのでしょう。
(出所:TradingView)
ただ、過半数割れはマーケットで事前に織り込まれていたことでもあり、数日間マーケットは乱高下が続きそうです。
警戒しているのが、マーケットが日本売りに傾斜していること。
先週(10月21日~)の日経平均は危惧したとおり、軟調に推移しましたが、為替はこれまでのコンセンサスどおりには、動きませんでした。
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通常、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は日本株下落で下がる傾向にあります。
しかし先週は、株下落でリスクオフにもかかわらず、主要通貨に対して円安に。
つまり、日本売りになっています。この動きが続くかどうかが焦点になりそうです。
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米大統領選のコンセンサスはどんな感じでしょうか?
米大統領選は接戦。トランプトレードは米金利高、米ドル高で進んでいる
MC叶内 コンセンサスは「接戦」。激戦週でトランプ氏優勢との見方ですが、あまり決め打ちはしていないようです。
先週の米国株は、米大統領選前のポジション調整で上値が限定的でした。
トランプ勝利を見越して財政支出が増えるから金利上昇、株価にややマイナスとの声もありましたが、財政支出を増やすのはハリスさんでも同じという気がします。
為替はいかがでしょうか?
トレーダー西原 僕も米金利に関しては、同感です。
ただ、多くの参加者は「トランプトレード=米金利高、米ドル高」で進んでいるようです。
今週の米株はいかがでしょう?
MC叶内 今週のポイントはビックテックの決算です。
米国では10月29日(火)に半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイシズやアルファベット、10月30日(水)にメタ、マイクロソフト、10月31日(木)にアップル、アマゾンと、マグニフィセントセブン(※)の大半が並びます。
(※マグニフィセントセブンとは、米株式市場を代表するテクノロジー企業であるアルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアの7社を指す)
国内では、10月30日(水)のアドバンテストは指数寄与度が大きい銘柄です。10月31日(木)のレーザーテックは半導体の人気株。他にも日立やキーエンスなどが注目されます。
日本株は政局がらみの不透明感が強いため、個別物色になりそうですね。
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米ドル/円は押し目買い継続だが、想定以上のスピードで円安が進行。米大統領選を控え短期売買で終始の予定
トレーダー西原 足元の米ドル円相場は、相場の分岐点でもある200日SMA(単純移動平均線)151.38円もブレイクし、一時153.80円台まで上昇しました。
トランプトレードというのは、米金利上昇、米ドル上昇というのがコンセンサスになりつつあるため、基本的に米ドル/円は押し目買い継続。
ただ、想定しているより速いスピードで円安が進行しています。
(出所:TradingView)
他通貨に視点を移行すると、中東情勢の混乱が続いていることもあり、避難通貨のスイスフランなどに対して米ドルが上げ渋っています。
相場を取り巻く環境は、下記の3つの材料に左右されているようです。
①中東情勢の混乱
②日本の政局の混乱
③米大統領選
これらの3つの要因から、基本は円売りスタンスですが、米大統領選を控えて相場が乱高下する可能性が高い。
そのため、今週はスイングトレードを避け、短期売買に終始する予定です。
トレーダー西原 MC叶内 ではみなさん、今週も楽しくトレードしていきましょう!
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