ナスダック総合指数は初の2万台乗せ。日経平均はSQに絡む動きで一時4万円台乗せ
西原宏一(以下、トレーダー西原) みなさん、こんにちは。
先週(12月9日~)から始まった中央銀行週間は、今週(12月16日~)のFOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀という2大中央銀行の会合(金融政策決定会合)で大詰めとなります。
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⇒豪ドル/円、ユーロ/円を筆頭にクロス円が重い展開に。主要中銀が今週、軒並み利下げ予想で日本との金利差縮小。連続利下げ見込みのECBは0.50%利下げ予想もあり注目!(12月9日、西原宏一&叶内文子)
では叶内さん、今週もよろしくお願いします。
叶内文子(以下、MC叶内) はい、西原さん。今週もよろしくお願いします。
トレーダー西原 では、先週の振り返りから行きましょう。
MC叶内 先週の米国株式市場では、米雇用統計明けも利下げ期待が維持され、強い展開が続きました。
先週前半の米国株式市場はハイテク株を中心に買われ、ナスダック総合指数は初の2万台に乗せました。ただ、NYダウは7日続落。ハイテク株も後半はやや利食い売りが出たようです。
(出所:TradingView)
日本株もだいたいしっかりの展開と言えそうです。日経平均でみると前週末比379円(1.0%)高の3万9470円と、2週連続で上昇しています。
中国で中央政治局会議が開催され、来年(2025年)の経済政策について積極財政と金融緩和を行う方針が表明されました。これを手掛かりに中国関連株が上昇。その他、ソニーなどコンテンツ関連株の上げが目を引きました。
トレーダー西原 ところで、先週末は12月物SQ(特別清算指数)算出日でしたね。SQはどうでしたか?
MC叶内 日経平均は木曜日(12月12日)には大幅上昇し、一時4万円台に乗せました。SQに絡む動きだったと思います。SQ自体は無難に通過しました(SQ値は3万9434.85円)。
(出所:TradingView)
西原さん、先週の中央銀行の会合の振り返りをお願いします。
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米ドル/円は底堅く推移する可能性が高い! 日米金利差縮小予想で日本の企業が米ドルを買えていない
トレーダー西原 先週の会合について触れる前に、米ドル/円の米ドル需要についてご紹介しようと思います。
この米ドル需要によって、先週のメルマガやコラム「ヘッジファンドの思惑」などで触れたように、米ドル/円は底堅く推移するという可能性が高いと考えています。
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⇒【2025年のFX予想】米ドル/円は145~165円程度のレンジの中で、円高局面では米ドル買いが機能しそう! 日米金利差縮小がわかりやすい分、米ドル買い遅れ組が増加中(12月12日、西原宏一)
先週初、金融関係者のミーティング(飲み会?)で、円に対する米ドル需要が強いことを知り、米ドル/円の相場観を元の円安に修正しています。
その理由はあまり多くは言えないのですが、僕が思っている以上に、日本の企業は米ドルを買えていないという結論。
なぜ、それほど米ドルの手当が遅れているのか? それは日米金利差の縮小予想。
今月(12月)から来年にかけて、FRB(米連邦準備制度理事会)は3〜4回利下げすることが予想されています。一方、日銀は来年早々、金融政策を正常化することがマーケットで予測されています。
これは日米金利差が急速に縮小することを意味します。
結果、多くの日本のエコノミストは日米金利差の縮小から、2025年の米ドル/円は138〜140円に下落するという予想が多い。
ここでは、その予測が正しいのかどうかを述べているわけではなく、金利差縮小での解説があまりにもわかりやすいため、多くの輸入企業の米ドル手当が遅れている事に警戒したほうがいいのではないかということです。
日米金利差縮小から米ドル/円が下落するのであれば、米ドル/円の150〜153円というレベルで、米ドルの輸入予約をする必要はありません。
こうしたことから、関西を中心とした事業法人の米ドルの手当が大きく遅れている模様。
結果、先週はBOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])が0.50%、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])が0.50%、そしてECB(欧州中央銀行)も0.25%利下げしたにもかかわらず、過去5日間で最も値を下げたのが円となっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
つまり、いくつかの主要通貨に対して円との金利差が急速に縮小したにもかかわらず、懸念したように円は大幅に下落しています。
今週もFOMCと日銀会合というビッグイベントを控えていますが、日米金利差縮小にもかかわらず、円は極めて弱いということを意識しておいたほうがいいと考えています。
叶内さん、今週の注目イベントと見通しをお願いします。
FOMCと日銀の金融政策発表が今週は大注目。米小売売上高も注目
MC叶内 今週はFOMCと日銀の金融政策発表が大注目で、株式市場もそれ次第になりそうなことから、週初は様子見でしょうか。
その他の指標では、火曜日(12月17日)の米国11月小売売上高に注目しています。市場予想の中心は前月比+0.6%で、10月の+0.4%から伸びが拡大すると見込んでいます。
ブラックフライデー商戦などは、オンラインが好調、実店舗はいまいちと伝わっています。それでも、このところ出てくる消費者信頼感指数などによれば、マインドはとても良いです。トランプ減税への期待だと説明されています。
また、関税政策でモノの値段が上がるという不安からも、上がる前に買おうという動きがパソコンなどに出ているそうです。実際の売上がどうだったのか見たいです。
同様に、金曜日(12月20日)の11月個人消費支出もチェックしたいです。予想は+0.5%、前月は+0.4%でした。
同時に発表されるPCEデフレータは物価指標として注目されますが、市場予想は前年比で+2.5%、前月の+2.3%から加速することが予想されています。コア指数では予想が+2.9%、こちらも前月+2.8%からやや加速の予想です。
他には、月曜日(12月16日)の米国と欧州の製造業PMI、水曜日(12月18日)の米国11月住宅着工件数、木曜日(12月19日)の米国10月コンファレンス・ボード景気先行指数などもあります。
また、中国の指標がたくさん出ます。月曜日に11月の鉱工業生産指数と小売売上高、中国1~11月固定資産投資、金曜日に中国12月中国最優遇貸出金利が発表されます。
日本株では、水曜日のキオクシアホールディングスの上場とその後の値動きも気になります。米国の決算で、水曜日のマイクロン・テクノロジー、木曜日のフェデックスにも注目です。
今週の為替市場での注目点はなんでしょう?
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米ドル/円は基本底堅いが、155円を超えて急騰するわけでもないため、押し目待ち
トレーダー西原 ここまで指摘したように、日米金利差縮小にもかかわらず、米ドルを手当していない参加者が多いため、米ドル/円は基本底堅いと考えています。
ただ、155円を超えて急騰するわけでもありませんので、米ドル/円は押し目待ち。
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは歩みが極めて緩慢ですが、こちらは弱気のスタンスを変えていません。
(出所:TradingView)
トレーダー西原 MC叶内 ではみなさん、今週も楽しくトレードしていきましょう!
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