混乱時は米長期金利が上昇しても米ドルは買われない
マーケットの関心はトランプ米大統領による関税問題一色になっています。
「米国を再び偉大にする」と強弁をして関税措置を打ち出したトランプ米大統領ですが、マーケットの反応は米国の株安、債券安、米ドル安のトリプル安という皮肉な結果となっています。
通常のマーケットでは、長期金利が上昇するとその国の通貨は上昇するのですが、こうした混乱時には、債券売りと通貨売りが同時に起きるために、米国の長期金利が上昇して米ドルが売られるという現象が起きています。

(出所:TradingView)

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米ドル/円は139円台視野入り!混乱が続けばさらなる下落もあるか
トランプ米大統領がこの政策を続ける限り、この傾向は続くと予想しています。米ドル/円に関しては昨年(2024年)の安値139円台が視野に入ってきています。
混乱が続ければ、139円どころかさらなる下落の可能性も出てくると思います。

(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは、週足では上に完全に抜けています。週足では次のチャートポイントが確認できませんので、月足で確認して見ると、大体1.15ドル辺りが一応の目途かなという感じがします。

(出所:TradingView)

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じっと米ドル売りポジションをキープするのが一番か
ただ、これからトランプ政権と各国の交渉が始まります。本日(4月17日)は、日本から赤澤経済再生担当大臣が訪米し、交渉が始まりました。
こうした交渉の結果次第で、大きく戻すリスクがありますので、十分注意をしてもらいたいと思います。日米交渉において、1つの注目点は、為替問題の議論がどうなるかです。
トランプ米大統領は日本との交渉に関して、「為替問題も議題になる」との認識を示していますので要注目です。仮に円安が貿易不均衡の原因であるとの共通認識が示された場合は、大きく円高に振れることになると予想しています。
トランプ米大統領は相互関税を90日間猶予しました。となると、この90日間は混乱の渦に巻き込まれる時期ということになります。マーケットの動きが非常に荒くなっていますので、リスク管理だけは普段以上に十分注意してください。

トランプ関税問題でマーケットは振り回されている。リスク管理だけは普段以上に注意したい (C)Mark Wilson/Getty Images
個人的には、何かのニュースが出て、米ドル/円やユーロ/円が上昇したところを売りに入るというトレードを続けています。
ただし、振れ幅が大きいので、あまり長期のポジションを取らないようにしています。じっと米ドル売りポジションをキープするのが一番かと思いますが、リスクを抑えながらの戦略を選んでいます。
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