トランプ米大統領は関税を交渉材料にしている
ここのところ、トランプ米大統領の関税問題一色ですが、その方向性が見えてきたような気がします。結論から言うと、やはりトランプ米大統領は関税を交渉の材料としている可能性が高いということです。
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トランプ米大統領は4月22日、「相互関税」も含めた中国に対する追加関税が累計で145%となっていることについて、「非常に高い数字だが、実際にその水準には達しない。大幅に下がるだろう」と発言しました。
また、同じ日にベッセント米財務長官が米中関係の緊張緩和について言及しています。
そして一部メディアでは、ベッセント長官が、「米中両国で高関税をかけ合う現状は持続可能ではなく、対立は長く続かないとの見方を示した」と報じられました。
このように、中国に対しては、柔軟に対応する姿勢を見せています。いずれ、近いうちにトランプ米大統領と習近平国家主席の会談が実現するのではないかと思います。

近いうちにトランプ米大統領と習近平国家主席の会談は実現するか。写真は2019年の大阪サミットのときのもの(C)Visual China Group/Getty Images
各国との関税交渉合意が進めば米国トリプル安は修正される
さらに、トランプ政権は日本やインドとの交渉において、「かなり合意に近づいている」という報道も出てきました。

トランプ政権は日本やインドとの交渉がかなり合意に近づいているとの報道も出てきた (C)Mark Wilson/Getty Images
トランプ米大統領は、以前から「同盟国や友好国との交渉を優先する」と発言していますので、おそらく日本と早期に合意をし、それをモデルケースとして他の国との交渉に利用するという流れを考えているのではないかと思います。
こうした交渉が進んでくれば、関税は引き下げられ、あるいは撤廃され、米国のトリプル安(米ドル安・株安・債券安)が修正されていくことになります。
ただ、交渉の行方はまだ不透明ですし、仮に各国との交渉が順次合意されていったからといって、下落を始めたところまで回復するかはまだわかりません。ただ、リスクオフ相場はいったん終わったと考えています。
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米ドル/円はいったん底打ちでレンジ相場入りか
その中で、米ドル/円の動きは非常におもしろいものになっています。
週足のチャートを見ていただくとわかりますが、昨年(2024年)の安値圏にまで一時下落し、そこで下げ止まっていることがわかります。

(出所:TradingView)
ここで下げがいったん終わった可能性が高いとみていて、今後しばらくはレンジに入っていくのではないかと予想しています。

(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは、やはりちょっと急激に上がりすぎではないかと見ていて、ここからは下がるのではないかと考えています。

(出所:TradingView)
いずれにしても、関税交渉の行方次第ですので、その動向に十分に注意を払うことが必要です。
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